「本命は2月1日なのに、1月に埼玉の学校を受ける意味ってあるの?」
塾から「前受けをしましょう」と言われて、受ける学校も日程も分からないまま12月を迎える家庭は多いです。
最初に結論を言っておきます。前受けの目的は「合格を1つ持って2月を迎えること」と「本番の空気を一度経験すること」の2つです。受ける学校は、本命より少し易しく、入学金の支払いを2月まで待てる学校から選びます。
この記事では、前受けの目的、学校の選び方、2027年度の埼玉・千葉・茨城の1月入試の日程、出願の時期、入学金の扱い、落ちたときの考え方まで順番にまとめました。
中学受験の前受けとは?
本命より前に、1月に入試がある学校を受けること
東京と神奈川の私立中学の入試は、2月1日に始まります。一方、埼玉は1月10日ごろ、千葉は1月20日ごろ、茨城はさらに早く11月から1月にかけて入試があります。
この「本命より前にある入試」を受けることを、前受け(1月校・お試し受験)と呼びます。
前受けの目的は2つ
前受けには、はっきりした目的が2つあります。
- 合格を1つ持って2月を迎える:「どこにも受からないかもしれない」という不安が消え、本命の入試を落ち着いて受けられます
- 本番の空気を一度経験する:会場の雰囲気、時間配分、休み時間の過ごし方を、本命の前に一度経験できます
前受けは「受かれば進学する学校」とは限りません。ただし、万一2月の入試が全部うまくいかなかったときに「進学してもよい」と思える学校を1つは入れておくと、全落ちの不安がなくなります。
全落ちを避けるための併願の考え方は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい:中学受験で全落ち全敗をしないために親がやるべきことまとめ
前受けの学校はどう選ぶ?

選び方の3つの軸
前受けの学校は、次の3つで選びます。
- 合格の見込み:本命より少し易しい学校を1〜2校。「確実に受かる学校」と「本命と同じくらいの学校」を分けて考える
- 入学金の扱い:合格後、入学金の支払いを2月の本命の発表まで待てるか(延納制度があるか)
- 通える距離:万一進学することになったときに通える学校か
この3つのうち、意外と見落とされるのが入学金です。前受けの学校に合格したあと、入学金の締め切りが2月1日より前にある学校だと、「本命の結果が出る前に払うか、合格を手放すか」を決めなければならなくなります。
あわせて読みたい:中学受験の入学金はいつまでに払う?返金されるか・「捨て入学金」の考え方
「確実に受かる学校」を1校は入れる
前受けでよくある失敗は、「本命と同じくらいの学校」ばかり受けて、1月に合格が1つも取れないことです。
1月に不合格が続くと、子どもは「自分は受からないのでは」という気持ちのまま2月を迎えます。1校目は、模試の判定で安全圏と出ている学校にするのが基本です。
何校受ける?
前受けは1〜3校が一般的です。多く受けても、1月に時間と体力を使いすぎてしまいます。
- 1校:安全圏の学校で合格を取る
- 2校:安全圏+本命と同じくらいの学校
- 3校以上:本命の過去問の時間がなくなるので、理由がある場合だけ
併願全体の組み方は、こちらで地域別のパターンを紹介しています。
あわせて読みたい:中学受験の併願校選び方は?2023年入試、男子、女子、地域別にパターン紹介!
2027年度の1月入試の日程(埼玉・千葉・茨城)
ここからは、各校の2027年度の募集要項をもとに、1月入試の日程をまとめます(10月下旬に確認したもの。変更は各校の公式サイトで確かめてください)。
同じ学校でも、回によって2科・4科・1科(算数だけなど)・適性検査型と試験の形が違います。学校ごとの記事に、回ごとの違いと落ちたときの次の手をまとめています。
埼玉:1月10日から始まる
埼玉の私立中学は、2027年度は1月10日に入試が集中します。出願は12月1日に始まる学校が多いです。
| 学校 | 一般の試験日 | 出願開始 |
|---|---|---|
| 栄東中学校 | 1/10・1/11・1/12・1/16 | 12/1 |
| 開智中学校 | 1/10午前・1/11午前・1/11午後・1/12午前・1/15午前・2/4午前 | 12/1 |
| 浦和実業学園中学校 | 1/10午前・1/10午後・1/11午前・1/12午前・1/12午後・1/15午前・1/19午前・1/24午前 | 12/1 |
| 獨協埼玉中学校 | 1/10午後・1/11・1/12・1/17 | 12/1 |
| 埼玉栄中学校 | 1/10午前・1/10午後・1/11午前・1/11午後・1/13午前 | 12/1 |
| 西武学園文理中学校 | 1/10午前・1/10午後・1/12午前・1/12午後・1/16午前・1/16午後・1/23午前・1/30午前 | 要項で確認 |
| 大妻嵐山中学校 | 1/10午前・1/10午後・1/11午前・1/11午後・1/23午前 | 12/1 |
| 城西川越中学校 | 1/10午前・1/10午後・1/11午前・1/11午後・1/16午前・2/5午前 | 12/12 |
| 狭山ヶ丘高校付属中学校 | 1/10・1/12・1/15・2/5 | 12/1 |
| 聖望学園中学校 | 1/10・1/11・1/13・1/16・2/3 | 12/1 |
| 武南中学校 | 1/10午前・1/10午後・1/12・1/17・1/24 | 12/10 |
| 開智未来中学校 | 1/10午前・1/10午後・1/11午前・1/11午後・1/12午後・1/14午前・1/15・2/4 | 12/1 |
| 西武台新座中学校 | 1/10午前・1/10午後・1/11午前・1/11午後・1/14午前・1/14午後・2/6午前 | 12/1 |
| 東京農業大学第三高校附属中学校 | 1/10午前・1/10午後・1/11午前・1/25午前 | 12/6 |
| 埼玉平成中学校 | 1/10・1/11・1/13・1/16・2/6 | 12/1 |
| 青山学院大学系属浦和ルーテル学院中学校 | 1/11 | 12/1 |
| 立教新座中学校 | 1/25・2/3 | 12/18 |
このほか、本庄東高校附属・本庄第一・東京成徳大学深谷・秀明・自由の森学園なども1月に入試があります。全校の日程は一覧にまとめています。
あわせて読みたい:2027年度 中学受験の入試日程一覧|東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城の私立中学164校の試験日と出願の受付開始日
千葉:1月20日から始まる
千葉の私立中学は、2027年度は1月20日から一般入試が始まります。多くの学校で、その前の12月1日に推薦・第一志望の入試があります。
| 学校 | 一般の試験日 | 先行の入試 | 出願開始 |
|---|---|---|---|
| 東邦大学付属東邦中学校 | 1/21・2/3 | 12/1 推薦 | 12/3 |
| 成田高校付属中学校 | 1/20 | 12/1 第一志望 | 12/18 |
| 日出学園中学校 | 1/20・1/23 | 12/1 推薦 | 12/3 |
| 東海大学付属浦安高校中等部 | 1/20・1/24 | 12/1 推薦(第一志望) | 12/1 |
| 西武台千葉中学校 | 1/20・1/24・2/4 | 12/6 第一志望 | 12/14 |
| 千葉明徳中学校 | 1/20・1/21・1/24・1/28・2/4 | 12/1 第一志望・プレゼンテーション | 12/1 |
| 和洋国府台女子中学校 | 1/20・1/24・2/5 | 12/1 推薦 | 12/2 |
| 二松学舎大学附属柏中学校 | 1/20・1/21・1/25・2/5 | 12/1 第一志望 | 12/10 |
| 流通経済大学付属柏中学校 | 1/22・1/26・2/4 | 12/1 第一志望 | 12/10 |
| 暁星国際中学校 | 1/20・1/21・1/23・2/4・2/17 | 12/1 推薦 | 1/6 |
| 志学館中等部 | 1/20・1/30・2/6 | 12/1 推薦 | 1/6 |
| 翔凜中学校 | 1/23・2/7 | 12/1 (自己)推薦 | 11/2 |
千葉の「推薦」「第一志望」入試は、合格したら入学することが前提の入試です。前受けとして使うのは、1月20日以降の一般入試の方です。
茨城:11月から1月にかけて
茨城の私立中学は、2027年度は11月に入試を始める学校があり、1月にも回があります。東京からは、つくばエクスプレスや常磐線で通える学校が前受けに使われます。
| 学校 | 試験日 | 出願開始 |
|---|---|---|
| 土浦日本大学中等教育学校 | 1/6・1/28(このほか10〜12月に特色入試) | 12/7 |
| 常総学院中学校 | 12/5・1/7・1/27(11/28 推薦・専願) | 11/1 |
| 東洋大学附属牛久中学校 | 11/22午前・11/22午後・1/5・1/23午後・2/11(12/5 専願) | 11/1 |
| 水戸英宏中学校 | 11/14・11/21・1/23・2/13 | 10/28 |
| 清真学園中学校 | 11/29・1/30 | 11/1 |
| 開智望中等教育学校 | 11/28午前・12/12午前 | 10/26 |
茨城の学校は、出願が10月下旬〜11月上旬に始まります。12月に気づいてからでは間に合わない回があるので、前受けに使うなら早めに要項を確かめてください。
地方の学校が首都圏で行う入試もある
このほか、地方の私立中学が東京や横浜などに試験会場を設けて、1月に入試を行うことがあります。寮のある学校が多く、「合格を1つ持つ」目的で受ける家庭もあります。
学校名や会場、日程は年度で変わるので、塾の資料か各校の公式サイトで確かめてください。この記事では、公式の募集要項で確認できた首都圏の学校だけを載せています。
前受けの出願はいつ?12月上旬に集中する
出願は12月1日に始まる学校が多い
上の表のとおり、埼玉・千葉の多くの学校は12月1日に出願が始まります。本命の2月校の出願(1月10日ごろから)より1か月早いです。
- 11月中:前受けの学校を決め、Web出願の事前登録を済ませる
- 12月1日〜:前受けの出願・受験料の支払い
- 12月中旬〜:受験票の印刷、会場までの道のりの確認
- 1月上旬〜:本命校の出願
前受けと本命の出願が重なるので、出願のスケジュール表を1枚にしておくと取り違えません。
あわせて読みたい:中学受験の出願スケジュール表の作り方は?Web出願の流れと日程の組み方
同時出願なら受験料が安くなる学校がある
埼玉・千葉の学校には、複数回を同時に出願すると受験料が1回分で済む学校や、割安になる学校があります。回ごとの受験料と同時出願の扱いは、各校の記事で確かめてください。
前受けの当日に気をつけること

本命の予行として、持ち物と移動を本番どおりに
前受けは、本命の予行です。当日の持ち物、移動、朝の過ごし方は、本命とまったく同じようにやります。
- 受験票・筆記用具・腕時計など、持ち物はリストで前日に確認
- 会場までの道のりは、1度は親子で歩いておく(埼玉は本校以外の会場で行う回もあるので、受験票の会場を確認)
- 朝ごはん、家を出る時刻、休み時間の過ごし方を本番どおりに
- 終わった試験の答え合わせはしない
あわせて読みたい:中学受験当日の持ち物チェックリスト!親の付き添い・服装・朝の過ごし方まで
前受けの結果は、本命の対策に使う
前受けが終わったら、子どもの様子を見ます。
- 時間が足りなかった教科はどれか
- 休み時間に落ち着いていられたか
- 緊張で、ふだん解ける問題を落としていないか
ここで見つかった課題を、本命までの3週間で直します。直前期の勉強の進め方は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい:中学受験の直前期の勉強法は?12月・1月に「やること」と「やめること」、過去問で点が取れないときの立て直し方
前受けに落ちたらどうする?
1校目に落ちても、本命とは別の話
前受けに落ちると、親子とも動揺します。ただ、前受けの学校と本命の学校は、問題の傾向も形式も違います。前受けの結果が、本命の合否をそのまま予想するわけではありません。
落ちた日にやることは、次の3つです。
- 子どもに「お試しの入試だから、本番はこれから」と伝える
- できなかった問題を「単元名」で書き出し、本命までの直す単元に加える
- 1月中に受けられる別の回・別の学校があるか、日程表で確かめる
埼玉・千葉の学校は、上の表のとおり1月中に複数回の入試があります。「合格を1つ持つ」目的なら、同じ学校の次の回や、より安全圏の学校の回を追加できます。
合格したら、入学金の締め切りを確かめる
前受けに合格したら、まず入学金の支払い期限を確かめます。2月の本命の発表まで待てる学校なら、そのまま本命に集中できます。待てない学校なら、「払って合格を確保する」か「払わずに手放す」かを、本命の受験パターンと合わせて決めます。
2月の本命で思うようにいかなかったときの動き方は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい:中学受験で併願校に落ちたら?その日の夜に親がやることと、2月4日以降も受けられる入試・手続きの考え方
よくある質問
- 前受けは必ず受けた方がいいですか?
-
必須ではありません。ただし、本命の前に「合格を1つ持つ」ことと「本番の空気を経験する」ことには大きな意味があります。通える範囲に受けられる学校があるなら、1校は受けることをおすすめします。
- 前受けの学校に進学する気がなくても受けていいですか?
-
一般入試なら、合格後に入学しない選択はできます。ただし、千葉の推薦・第一志望入試のように「合格したら入学する」ことが前提の入試は、前受けには使わないでください。
- 前受けで何校も受けると、本命の勉強の時間が減りませんか?
-
減ります。1月に3校以上受けると、移動と疲れで過去問を解く時間がなくなります。1〜2校にしぼるのが基本です。
- 前受けの合格で入学金を払うべきですか?
-
入学金の締め切りが本命の発表より前なら、「本命に全部落ちたとき、その学校に通うか」で決めます。通うつもりがないなら払わない選択もあります。延納制度がある学校なら、本命の発表まで待てます。
- 茨城の学校は東京から通えますか?
-
学校によります。つくばエクスプレスや常磐線の沿線で、スクールバスがある学校もあります。各校の記事で、最寄り駅と通学の手段を確かめてください。
まとめ:前受けは「合格を1つ持つ」ための準備
- 前受けの目的は、合格を1つ持って2月を迎えることと、本番の空気を経験すること
- 学校は、合格の見込み・入学金の扱い・通える距離の3つで選び、1校は安全圏にする
- 埼玉は1月10日ごろ、千葉は1月20日ごろ、茨城は11月〜1月に入試がある
- 出願は12月1日に始まる学校が多い。11月中に学校を決めて事前登録まで済ませる
- 当日は本命の予行として、持ち物・移動・朝の過ごし方を本番どおりに
- 落ちても本命とは別の話。直す単元を拾い、別の回を追加するか決める
- 合格したら入学金の締め切りを確かめ、本命の発表まで待てるかで動き方を決める
前受けは「受けるかどうか」より「何のために受けるか」を先に決めると、学校も日程も自然に決まります。11月のうちに、親子で目的を1つ決めておいてください。