「新6年生になったけど、入試までの1年で何をどの順番でやればいいの?」
2月になると、塾の学年が上がり、急に「受験生」らしくなります。授業の時間が増え、模試や説明会の案内も届き始めます。親の方も、何から手をつければいいのか迷いますよね。
最初に結論を言っておきます。新6年生の1年は、「春〜初夏:土台を固める」「夏休み:総復習」「秋:過去問と志望校」「直前期:本番の準備」の4つに分けて考えると、迷いません。2月にやることは、この1年の予定表を作ることと、苦手の棚卸しの2つです。
この記事では、新6年生の2月がスタートになる理由、入試までの1年の流れ、時期ごとにやること、模試・志望校・過去問の時期、親の1年の段取りまで、順番にまとめました。
新6年生の2月が「スタート」になる理由
塾の新学年は2月に始まる
中学受験の大手塾の多くは、2月に新しい学年が始まります。5年生の2月から「新6年生」のカリキュラムに入り、入試までの約1年が受験学年になります。
新6年生の1年は、2月から翌年の入試までです。カレンダーの4月ではなく、2月を1年の始まりと考えましょう。
入試は翌年の1月・2月
首都圏の中学入試は、埼玉・千葉の多くの学校が1月、東京・神奈川の多くの学校が2月1日から始まります。2月から数えると、入試まではおよそ1年です。
1年は長いようで、模試・説明会・講習・出願と予定が次々に入ります。最初に1年の地図を作っておくことが、あわてないためのいちばんの方法です。
5年生の1月までに、やっておきたいこと
新6年生のスタートは、5年生の冬休みと1月の過ごし方で決まります。2月を待たずに、次のことをすませておくと、新学年に落ち着いて入れます。
- 5年生の単元で、まちがいが多かったものを書き出しておく
- 冬休みに、割合・比・速さなどの重い単元を戻しておく
- 塾の新学年の時間割・費用・教材を確かめておく
- 家族の1年の予定(旅行・行事)を書き出しておく
5年生の冬休みの過ごし方は、別の記事で詳しくまとめています。冬休みは、6年生の内容を先に進めるより、5年生の苦手を戻すことを優先しましょう。
入試までの1年の流れ
4つの時期に分ける
新6年生の1年は、大きく4つの時期に分けられます。
| 時期 | 主な目的 | やること |
|---|---|---|
| 2月〜初夏 | 土台を固める | 新しい単元の学習、苦手の単元を戻す、学校を見に行く |
| 夏休み | 総復習 | 5年生までの範囲と、6年生前半の単元を通して見直す |
| 9月〜12月 | 過去問と志望校 | 過去問を始める、模試で位置を確かめる、志望校と併願校を決める |
| 直前期〜入試 | 本番の準備 | 過去問の解き直し、生活を入試に合わせる、出願と持ち物 |
塾によって進み方はちがいますが、多くの塾がこの流れで1年を組んでいます。塾なしの家庭も、この4つの時期を目安に計画を立てると進めやすくなります。
「いつまでに何を終えるか」を時期ごとに決めておくと、途中で遅れても、どこで取り返すかが分かります。
2月〜初夏:新しい単元を進めながら、苦手を戻す

2月にやること①:1年の予定表を作る
2月にまずやるのは、入試までの予定を1枚にまとめることです。
- 塾の授業・講習(春期・夏期・冬期)の時期
- 模試の日程
- 志望校の説明会・文化祭・学校見学の時期
- 出願の時期と入試の日
- 家族の行事や旅行
すべての日付が決まっていなくてもかまいません。「何月ごろに何があるか」が見えるだけで、親の気持ちがかなり楽になります。
2月の最初の1か月は「新しい生活に慣れる」
新6年生の2月は、授業の日数や宿題の量が変わり、子どもも親も新しい生活に慣れるまで時間がかかります。最初の1か月は、成績より次のことを見てあげてください。
- 塾の宿題を、決めた曜日に終えられているか
- 寝る時刻が、おそくなりすぎていないか
- 週に1回、まちがい直しの時間がとれているか
うまく回らないところは、3月の春期講習の前に直しておきます。春休みは、新しい単元のつまずきを早めに戻せる、6年生で最初のまとまった休みです。
2月にやること②:苦手の棚卸し
5年生までのテストを見直し、まちがいが多かった単元を書き出します。
- 算数:割合・比・速さなど、5年生で習った重い単元
- 国語:漢字と、読解の型
- 理科・社会:5年生までに習った範囲で、覚えきれていない分野
6年生の前半は、新しい単元の学習と並行して、苦手の単元を少しずつ戻していく時期です。1週間に1単元など、無理のない量で進めましょう。
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新6年生の1週間の組み立て
6年生になると、塾の授業の日数や時間が増えることが多くなります。1週間の流れを先に決めておくと、宿題に追われる毎日を防げます。
| 曜日の種類 | やること(例) |
|---|---|
| 塾のある日 | 朝に計算と漢字。帰ってからは、その日の授業でまちがえた問題だけ |
| 塾のない日 | 塾の宿題と、苦手の単元を1つ |
| 週末 | 1週間のまちがい直しと、次の週の予定を決める |
| テストの前の日 | 新しい問題はやらず、まちがい直しのノートを見る |
宿題は「全部やる」より「まちがえた問題を直す」を優先します。終わらない宿題は、どれを残すかを塾の先生に相談しましょう。
睡眠の時間を削って勉強の時間を足すのは、おすすめしません。寝る時刻を先に決めて、その中で予定を組みます。
春から初夏:学校を見に行く
志望校を決めるには、実際に学校を見るのがいちばんです。6年生の秋は模試や過去問で忙しくなるので、春から夏のうちに、気になる学校を見ておくのがおすすめです。
- 学校説明会で、教育方針や入試の考え方を聞く
- 文化祭で、生徒の様子を見る
- 通学の道のりを、実際に歩いてみる
教科ごとの1年の進め方
算数:前半で重い単元を固め、秋からは入試の形に
算数は、6年生の前半で新しい単元を学びながら、5年生までの割合・比・速さ・図形を使いこなせるようにします。夏休みからは、単元を混ぜた問題(入試の形の問題)に慣れていきます。
- 2月〜夏:新しい単元と、5年生までの苦手の戻し
- 夏休み:単元ごとの総復習
- 秋から:過去問と、志望校に出やすい単元の演習
国語:読む型と、記述の書き方
国語は、急に点が上がりにくい教科です。1年を通して、読む型と記述の書き方を、少しずつ積み上げます。
- 物語文:登場人物の気持ちの変化と、そのきっかけ
- 説明文:筆者の主張と、その理由
- 記述:設問の条件(字数・使う言葉・文末)を守って書く
あわせて読みたい:塾なし中学受験の家庭向け勉強法:国語の記述問題を教えます!聞かれ方に合わせた文末と、本文から材料を集める手順
理科・社会:夏までに全体を見て、秋からは時事も
理科と社会は、夏休みまでに全分野をひと通り見直し、秋からは入試の形の問題と時事問題に広げます。
- 理科:計算が出る単元(てこ・電流・水溶液など)は、問題を解いて確かめる
- 社会:地理・歴史・公民を、夏までに一度通して見直す
- 秋から:その年のニュースと、つながる単元を結びつけて覚える
あわせて読みたい:中学入試の時事問題対策の勉強法は?いつから始めるか・学年別の進め方と、ニュースを単元に結びつける覚え方
理科・社会は、6年生の後半で点が伸びやすい教科です。前半は算数と国語に時間を多めにかけ、理科・社会は「忘れないように回す」くらいでかまいません。
模試の受け方:春から始まり、秋は毎月のように
6年生の模試は秋に増える
6年生の模試は、春から始まり、秋から12月にかけて回数が増えます。たとえば四谷大塚の合不合判定テストは、6年生の春と夏に1回ずつあり、秋から12月はほぼ毎月行われます。
模試の結果は、1回だけで一喜一憂しないようにします。2〜3回の流れで見て、「どの単元で落としたか」を次の勉強に生かします。
模試で見るのは偏差値より「直す単元」
模試の結果が返ってきたら、偏差値だけでなく、まちがえた問題を単元ごとに見直します。
- まちがえた問題を、単元名で書き出す
- 「正答率が高いのにまちがえた問題」から直す
- 直した単元を、次の模試で確かめる
偏差値の見方や、模試ごとのちがいはこちらにまとめています。
あわせて読みたい:中学受験の偏差値を塾や模試別に紹介!偏差値40は決してダメじゃない!
夏休み:5年生までの範囲を通して見直す
夏休みは、受験学年でいちばん長いまとまった時間です。多くの塾が、夏期講習で総復習を行います。
- 5年生までの範囲と、6年生前半の単元を通して見直す
- 苦手が残っている単元を、ここで集中して戻す
- 生活のリズムを崩さないよう、起きる時刻を決めておく
6年生の夏休みの過ごし方は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい:中学受験生、特に6年生の夏休みの過ごし方は?親が怒らない方法教えます!
9月〜12月:過去問を始め、志望校を決める

過去問は秋から
過去問は、6年生の範囲をひと通り学んでから始めるのが一般的です。秋から始め、第一志望は何年分か解くのが目安になります。始める時期と年数の考え方は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい:中学受験の過去問はいつから?6年生の11月から、本命校は5年分を目安に!
志望校と併願校を決める
秋の模試の結果と過去問の得点を見ながら、志望校と併願校を決めていきます。
- 第一志望:行きたい理由がはっきりしている学校
- 併願校:入試の日程が重ならず、通いたいと思える学校
- 合格を取りに行く学校:入試の早い時期に、確実に合格をもらえる学校
学校を比べるときは、偏差値だけでなく、次の点も見ておきましょう。
- 校風(共学か別学か、自由さ、宗教教育の有無)
- 通学の時間と、乗りかえの回数
- 入試の日程と、試験の科目(2科・4科・適性検査型など)
- 入試問題の形(記述が多いか、選択式が多いか)
- 学費と、入学後にかかる費用
入試問題の形は、子どもとの相性が出やすいところです。秋に過去問を解いてみて、得点が取りやすい学校かどうかも、併願校を選ぶ手がかりになります。
併願の組み方は、こちらで詳しく紹介しています。
あわせて読みたい:中学受験の併願校選び方は?2023年入試、男子、女子、地域別にパターン紹介!
- 志望校は、12月の模試の結果まででいったん決めたら、原則として動かさない方が落ち着いて準備できます。
直前期〜入試:本番の準備
入試の8週前ごろからは、直前期です。新しいことを足すのではなく、過去問の解き直しと、生活を入試の日に合わせることが中心になります。
あわせて読みたい:中学受験の直前期の勉強法は?12月・1月に「やること」と「やめること」、過去問で点が取れないときの立て直し方
出願は、入試より前の12月〜1月に集中します。学校ごとに出願の期間がちがうので、早めに一覧表にしておきましょう。
あわせて読みたい:中学受験の出願スケジュール表の作り方は?Web出願の流れと日程の組み方
6年生でよくある壁と、立て直し方
成績が伸びない時期がある
6年生の前半は、新しい単元と苦手の戻しが重なり、模試の結果がなかなか上がらないことがあります。新しい単元が増える時期は、成績が横ばいでも、力がついていないとは限りません。
- 1回の模試で判断せず、数回の流れで見る
- 「正答率が高いのにまちがえた問題」が減っているかを見る
- 伸びない単元が同じなら、その単元だけ戻す時間をとる
やる気が落ちたとき
1年は長いので、やる気が落ちる時期は必ずあります。
- 「今日はどっちの教科からやる?」と、子どもに選ばせる
- できるようになった問題を、親が言葉にして伝える
- 学校見学や文化祭で、行きたい学校の様子をもう一度見る
親子でぶつかったとき
6年生になると、親の不安が強くなり、言葉がきつくなりがちです。勉強の中身の話は塾の先生にまかせ、家では生活と気持ちを支える役に回ると、ぶつかることが減ります。
塾が合わないと感じたとき
授業についていけない、宿題が多すぎる、クラスが合わない、と感じることもあります。6年生の途中で塾を変えると、教材や進み方が変わる負担があります。まずは塾の先生に相談し、宿題の量を調整してもらう、個別指導で単元をおぎなうなど、今の塾のままできることから考えましょう。
- 塾を変えるかどうかは、子どもの気持ちと、入試までの残りの時間の両方を見て決めます。夏休みより前に決める方が、新しい塾に慣れる時間がとれます。
あわせて読みたい:塾のクラス落ちで動揺する子どもへの声かけ、感情より先に整理すべきこと
親が1年で引き受ける段取り
時期ごとの親の仕事
新6年生の1年は、子どもが勉強に集中できるように、勉強以外のことを親が引き受けると考えると役割がはっきりします。
| 時期 | 親がやること |
|---|---|
| 2月 | 1年の予定表を作る。塾の新学年の時間割と費用を確かめる |
| 春〜夏 | 学校説明会・文化祭に行く。模試の結果を記録する |
| 夏休み | 講習と家の勉強の予定を組む。生活リズムを見守る |
| 秋 | 志望校と併願校を決める。受験料・入学金の準備を考える |
| 直前期 | 出願、持ち物、当日の移動を準備する |
お金の予定も1年で見ておく
6年生は、塾の費用に加えて、講習費・模試代・受験料・入学金と、出費が重なります。2月のうちに、1年でどんな費用がいつ出るかを書き出しておきましょう。
あわせて読みたい:中学受験の入学金はいつまでに払う?返金されるか・「捨て入学金」の考え方
1年を通した声かけ
受験学年の1年は、子どもにとっても長い時間です。声かけは、点数より「やったこと」と「できるようになったこと」に向けると、続ける力になります。
- 「この単元、前はまちがえていたのに解けたね」
- 「今週は毎朝、計算を続けられたね」
- 「模試の結果より、直す単元が分かったのがよかったね」
塾なしで新6年生を迎える家庭は
塾に通わずに受験を目指す家庭も、1年の流れは同じです。ちがうのは、予定表と教材を親が用意するところです。
- 模試は、塾に通っていなくても外部生として受けられるものが多い
- 単元の学習は、問題集や通信教育で進める
- 家で教えにくい単元や過去問の対策は、個別指導や家庭教師に頼む方法もある
塾なしの受験の進め方は、こちらにまとめています。
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あわせて読みたい:塾無しで目指す中学受験のおすすめ参考書ランキング、難易度と親の教えやすさで比較
よくある質問
- 中学受験の新6年生は、いつから受験生ですか?
-
大手塾の多くは2月に新学年が始まるため、5年生の2月から新6年生として受験学年に入ります。入試までのおよそ1年が、受験生としての1年になります。
- 新6年生の2月に、まず何をすればいいですか?
-
入試までの1年の予定表を作ることと、5年生までの苦手な単元を書き出すことの2つです。予定表には、塾の講習・模試・説明会・出願の時期を入れておきます。
- 6年生の模試は、いつから受ければいいですか?
-
春から受けるのがおすすめです。秋から12月は回数が増えるので、春と夏のうちに模試の形に慣れておくと、秋の結果を落ち着いて見られます。
- 過去問は、新6年生の2月から始めてもいいですか?
-
6年生の範囲をひと通り学んでからの方が、得点の意味が分かりやすくなります。一般的には秋から始め、それまでは単元の学習と苦手を戻すことを優先します。
- 新6年生は、1日どのくらい勉強すればいいですか?
-
塾の授業と宿題の量で変わるため、決まった時間はありません。時間を増やすより、寝る時刻を先に決めて、その中で「まちがえた問題を直す」時間を必ず入れることを大事にしてください。
- 新6年生から塾に入っても間に合いますか?
-
塾によって、6年生からの入塾を受け入れているかどうかや、授業の進み方がちがいます。5年生までの範囲をどこまで学んでいるかで準備の量が変わるので、入塾を考えている塾に早めに相談してください。
- 志望校はいつまでに決めればいいですか?
-
春から夏に学校を見ておき、秋の模試と過去問の結果を見ながら決めていきます。12月の模試の結果まででいったん決めたら、原則として動かさない方が落ち着いて準備できます。
入試の8週前から入試の週までを、週ごとのチェック表(勉強・生活・過去問の記録・ふりかえり)と要点カードにまとめた「入試直前8週間の総復習プラン」(980円)をnoteで販売しています。毎週日曜の夜に、次の週の表を開いて印をつける形です。
まとめ:新6年生の1年は「地図を作ってから」走り出す
- 大手塾の多くは2月に新学年が始まる。新6年生の1年は2月から翌年の入試まで
- 1年を「土台」「総復習」「過去問と志望校」「直前期」の4つに分ける
- 2月にやるのは、1年の予定表を作ることと、苦手の棚卸し
- 模試は春から受け、偏差値より「直す単元」を見る。学校見学は春〜夏のうちに
- 教科ごとに、前半で土台を固め、秋からは入試の形の問題に広げる
- 成績が横ばいの時期も、1回で判断せず流れで見る
- 親は、予定・お金・出願など勉強以外のことを引き受ける
受験学年の1年は、あっという間に過ぎていきます。2月のうちに1年の地図を作っておけば、途中でつまずいても、親子で落ち着いて立て直せます。