「記述問題になると、何を書けばいいか分からず、空らんのまま出してしまう」「書いたのに、ほとんど点がもらえない」
記述問題は、中学受験の国語で、多くの学校が出題する問題です。選択肢問題とちがい、自分で答えを組み立てる必要があるので、苦手意識をもつ子どもが多い問題でもあります。けれども、記述問題には決まった「型」と「手順」があります。それを身につければ、部分点を積み重ねて、確実に得点できるようになります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、記述問題の書き方の型と手順をまとめました。例文は、この記事のために作ったものです。
聞かれ方に合わせた文末
記述問題で最初に確かめるのは、「何を聞かれているか」です。聞かれ方によって、答えの文末が決まります。
| 聞かれ方 | 答えの文末 |
|---|---|
| なぜですか(理由) | 〜から。〜ため。 |
| どんな気持ちですか | 〜という気持ち。 |
| どういうことですか(内容説明) | 〜ということ。 |
| どのような様子ですか | 〜様子。 |
| 何がちがいますか(比較) | Aは〜だが、Bは〜という点。 |
記述問題は、まず文末を決めます。「なぜ」には「から」、「気持ち」には「という気持ち」で答えます。
文末が聞かれ方と合っていないと、内容が正しくても減点されることがあります。
記述問題を解く4つの手順

- 設問を分解する:何を聞かれているか、文末は何か、字数は何字か
- 本文から材料を集める:答えに使える部分に線を引く
- 文を組み立てる:材料をつなげて、自分の言葉で整える
- 見直す:文末、字数、誤字、主語と述語のつながり
記述は「書きながら考える」のではなく、「材料を集めてから書く」。手順2までで答えの8割が決まります。
本文から材料を集める
記述問題の答えの材料は、ほとんどが本文の中にあります。
- 傍線部の前後を読む
- 指示語があれば、指している内容をつかむ
- 「なぜなら」「〜から」「つまり」などの言葉の近くを探す
- 同じ内容を言いかえた部分が、離れた場所にないかを探す
例題1:次の文章を読んで、「ゆいは、ノートをぎゅっとにぎりしめた」のはなぜか、答えましょう。「発表の順番が近づいてきた。ゆいは、昨日の練習で言葉につまったことを思い出していた。ゆいは、ノートをぎゅっとにぎりしめた。」
材料は「発表の順番が近づいてきた」「昨日の練習で言葉につまったことを思い出していた」の2つです。
答えの例:「発表の順番が近づき、昨日の練習で言葉につまったことを思い出して、また失敗しないかと不安になったから。」
材料をつなげ、文末を「から」にしています。「緊張したから」のように一言で終えるより、何がきっかけでどんな気持ちになったのかまで書くと、得点しやすくなります。「不安」という気持ちは、行動と状況から読み取って言葉にしています。
字数の目安
- 「〇字以内」:指定字数の8割以上を目安に書く
- 「〇字以上〇字以内」:その範囲に必ず入れる
- 字数の指定がない:解答らんの大きさに合わせて書く
句読点やかぎかっこも、1字として数えるのが一般的です。問題の指示があれば、それにしたがいます。
部分点をとる書き方
記述問題は、答えに入れるべき要素ごとに点数がつけられることが多くあります。
- 要素を1つでも多く入れる
- 完全な文が書けなくても、分かる要素だけでも書く
- 空らんのままにしない
空らんは0点。分かる部分だけでも書くと、部分点がもらえることがあります。
言いかえ問題の考え方
「どういうことですか」と聞かれる問題は、傍線部の言葉を、分かりやすく言いかえる問題です。
例題2:「この町は、時間がゆっくり流れている」とは、どういうことですか。前に「この町では、人々が急がず、立ち話を楽しみながら毎日を過ごしている」とあります。
答えの例:「この町では、人々が急がずに、ゆとりをもって毎日を過ごしているということ。」
たとえの表現(時間が流れる)を、本文の具体的な内容を使って、ふつうの言葉に直しています。
見直しのポイント
- 文末は、聞かれ方と合っているか
- 字数は、指定の範囲に入っているか
- 主語と述語が、正しくつながっているか
- 漢字や送りがなに、まちがいはないか
- 本文にないことを、自分の想像で書いていないか
よくあるまちがいと対策
- 自分の感想や想像を書く:本文の言葉を材料にする
- 文末が聞かれ方と合わない:最初に文末を決めてから書く
- 本文をそのまま長く写す:必要な部分だけをつなげ、言葉を整える
- 空らんで出す:分かる要素だけでも書いて部分点をねらう
家庭での教え方のコツ
「なぜ?」に「〜から」で答える会話
ふだんの会話で「どうしてそう思ったの?」と聞き、「〜だから」と理由を答える練習をしてみましょう。記述の型が自然と身につきます。
書いた答えを一緒に本文と照らす
子どもが書いた答えのどの部分が、本文のどこから来たのかを一緒に確かめてください。本文を根拠にする習慣がつきます。
模範解答とくらべて要素を数える
問題集の解答例を見て、入れるべき要素がいくつあるかを数え、自分の答えに入っていたかを確かめましょう。部分点の感覚がつかめます。
記述問題のよくある質問
何年生から練習すればいいですか?
中学受験向けの教材では、4年生ごろから短い記述問題が出てきます。最初は20〜30字程度の短い記述から始め、学年が上がるにつれて長い記述に取り組みましょう。
物語文と説明文で書き方は変わりますか?
基本の手順は同じです。物語文では気持ちと理由、説明文では筆者の考えや内容説明がよく問われます。物語文の読み方と説明文の読み方もあわせて確認しましょう。
指示語の問題とも関係がありますか?
はい、記述の材料を集めるときに、指示語の内容をつかむ力が必要になります。接続語と指示語で確認しておきましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:「なぜですか」と聞かれたとき、答えの文末は何にしますか。
問題2:「どういうことですか」と聞かれたとき、答えの文末は何にしますか。
問題3:「50字以内」の記述問題では、何字くらいを目安に書きますか。
問題4:記述問題を解く4つの手順を答えましょう。
答え
問題1:「〜から。」「〜ため。」です。
問題2:「〜ということ。」です。
問題3:指定字数の8割以上、40字以上を目安にします。
問題4:設問を分解する、本文から材料を集める、文を組み立てる、見直す、の4つです。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:記述は「文末」と「材料」で決まる
記述問題は、まず聞かれ方に合わせて文末を決め、本文から答えの材料を集めてから書きます。材料をつなげて自分の言葉で整え、最後に文末・字数・誤字を見直しましょう。空らんにせず、分かる要素だけでも書くことが、部分点を積み重ねるコツです。