「説明文は長くて、どこが大事なのか分からないまま読み終わってしまう」「筆者の主張を答える問題で、具体例の部分を書いてしまう」
説明文は、中学受験の国語で、物語文と並んでほぼ必ず出題される文章です。筆者の主張、段落の役割、具体例と主張の関係などが問われます。説明文には、決まった組み立てがあります。組み立てを意識して読むと、長い文章でも要点がつかめるようになります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、説明文の読み方の基本と、よく出る問題の解き方をまとめました。例文は、この記事のために作ったものです。
説明文の組み立て

多くの説明文は、次の3つの部分でできています。
| 部分 | 内容 |
|---|---|
| 序論 | 話題を示し、問題を投げかける(問題提起) |
| 本論 | 具体例や理由を挙げて、くわしく説明する |
| 結論 | 筆者の考え(主張)をまとめる |
説明文は「序論・本論・結論」。筆者の主張は、結論(最後)に書かれることが多く、序論でも示されることがあります。
形式段落と意味段落
- 形式段落:1字下げで始まる、ひとまとまりの段落
- 意味段落:内容のつながりで、いくつかの形式段落をまとめた大きな段落
意味段落に分けるときは、話題が変わるところや、「では」「このように」などの言葉に注目します。
問題提起と答え
序論には、「〜だろうか」「〜なぜだろう」という問いかけ(問題提起)がよく出てきます。この問いに対する答えが、本論や結論に書かれています。
例題1:次の文章の問題提起と、その答えを答えましょう。「なぜ、日本人は昔から季節の変化を大切にしてきたのだろうか。その理由の一つは、日本の自然が四季によって大きく姿を変えることにある。(中略)つまり、季節を感じ取る心は、日本の自然とともに育ってきたものなのである。」
問題提起は「なぜ、日本人は昔から季節の変化を大切にしてきたのだろうか」です。答えは「日本の自然が四季によって大きく姿を変えるから」で、結論では「季節を感じ取る心は、日本の自然とともに育ってきた」とまとめられています。
問題提起を見つけたら、その答えをさがしながら読みます。問いと答えをセットにすると、主張が見えてきます。
具体例と主張を区別する
説明文では、筆者の主張を分かりやすくするために、具体例がよく使われます。
- 具体例:「たとえば」「〜という例がある」などで始まることが多い。身近な出来事やデータ
- 主張:具体例から分かることを、まとめて述べた部分
例題2:次の文で、具体例と主張を分けましょう。「たとえば、駅の階段の横にスロープがあれば、車いすの人だけでなく、大きな荷物を持った人やベビーカーを押す人も助かる。だれにとっても使いやすい工夫は、社会全体を住みやすくするのである。」
具体例は、駅のスロープの話です。主張は「だれにとっても使いやすい工夫は、社会全体を住みやすくする」です。
主張を答える問題で、具体例の部分を書かないようにします。「たとえば」の後は具体例です。
対比を読み取る
説明文では、2つのものをくらべて、筆者の考えをはっきりさせることがよくあります。
- 昔と今
- 日本と外国
- 自然と人工
- 一般的な考えと、筆者の考え
「一方」「それに対して」「〜ではなく」などの言葉が、対比の合図になります。対比されている2つを表にして整理すると、筆者がどちらを大切だと考えているかが分かります。
主張が書かれやすい場所と言葉
| 場所・言葉 | 理由 |
|---|---|
| 最初と最後の段落 | 序論で示し、結論でまとめることが多い |
| 「つまり」「このように」の後 | それまでの内容をまとめている |
| 「〜べきだ」「〜ではないだろうか」 | 筆者の考えを強く示す文末 |
| 何度もくり返される言葉 | 筆者が大切だと考えているキーワード |
要旨のまとめ方
要旨とは、文章全体で筆者がいちばん伝えたいことを、短くまとめたものです。
- 結論の段落から、筆者の主張の文を見つける
- 何度も出てくるキーワードを入れる
- 具体例は入れず、指定の字数でまとめる
段落の役割を答える問題
「この段落は文章全体の中でどのような役割をしていますか」という問題もよく出ます。主な役割は次の通りです。
- 話題を示す、問題を投げかける
- 前の段落の内容について、具体例を挙げる
- 前の段落と反対の考えや、ちがう例を示す
- それまでの内容をまとめ、筆者の考えを述べる
段落の初めの言葉(「たとえば」「しかし」「このように」など)が、役割を見分ける手がかりになります。
よくあるまちがいと対策
- 具体例を主張だと思って答える:「たとえば」の後は具体例
- 最初から最後まで同じ速さで読む:問題提起と結論に線を引いて重点的に読む
- 対比の両方を混ぜて答える:表にして、筆者がどちらを支持しているか確かめる
- 要旨に具体例を入れる:主張とキーワードだけでまとめる
家庭での教え方のコツ
段落ごとに一文でまとめる
説明文を読んだら、形式段落ごとに「この段落は何を言っているか」を一文でまとめてみましょう。組み立てが自然と見えてきます。
新聞のコラムを読む
新聞のコラムや、子ども向けの解説記事は、短い説明文として練習に向いています。「筆者が言いたいことは何?」と親子で話し合ってみてください。
合図の言葉に印をつける
「なぜ」「たとえば」「しかし」「つまり」「このように」に印をつけながら読む習慣をつけると、問題提起・具体例・主張の位置が分かるようになります。
説明文のよくある質問
何年生から練習すればいいですか?
中学受験向けの教材では、4年生ごろから読解の練習が始まり、学年が上がるにつれて、抽象的な内容の文章も出てきます。
むずかしい言葉が多くて読めません。
説明文には、「具体」「抽象」「主観」「客観」など、くり返し出てくる言葉があります。類義語と対義語で、説明文によく出る言葉の意味を確認しておきましょう。
物語文とは読み方がちがいますか?
物語文は登場人物の気持ち、説明文は筆者の考えを読み取ります。物語文の読み方もあわせて読むと、ちがいがはっきりします。
練習問題にチャレンジ
問題1:説明文の3つの部分を、順番に答えましょう。
問題2:「〜だろうか」と、読み手に問いかける部分を何といいますか。
問題3:「たとえば」の後に書かれていることが多いのは、具体例と主張のどちらですか。
問題4:文章全体で筆者がいちばん伝えたいことを、短くまとめたものを何といいますか。
答え
問題1:序論、本論、結論です。
問題2:問題提起です。
問題3:具体例です。
問題4:要旨です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:説明文は「組み立て」を意識して読む
説明文は、序論・本論・結論の組み立てで書かれていることが多く、筆者の主張は結論や序論に書かれやすくなっています。問題提起と答えをセットにし、具体例と主張を区別し、対比を表で整理しながら読みましょう。合図の言葉に印をつけると、長い文章でも要点がつかめます。