「代金の合計しか分からないのに、どうやって個数を決めればいいのか分からない」「答えが1つとは限らない問題で、全部見つけられたか不安になる」
いもづる算は、中学受験の算数で、2種類のものの個数の組み合わせを探す問題です。つるかめ算とちがい、個数の合計が分かっていないので、答えが1つに決まらないこともあります。1つ答えが見つかると、いもづる式に次々と答えが見つかることから、この名前でよばれています。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、いもづる算の考え方と、よく出る問題の解き方をまとめました。
いもづる算とつるかめ算のちがい
| つるかめ算 | いもづる算 | |
|---|---|---|
| 分かっていること | 個数の合計と、代金の合計 | 代金の合計だけ |
| 答え | 1つに決まる | いくつかあることがある |
| 解き方 | 面積図や、全部が一方だったらと考える | 表で組み合わせを探す |
個数の合計が分かっていなければ、いもづる算。表を使って、条件に合う組み合わせを全部探します。
基本の解き方:表で探す

例題1:1個30円のガムと1個70円のあめを、どちらも1個以上買ったところ、代金はちょうど500円でした。ガムとあめを、それぞれ何個買いましたか。考えられる組み合わせをすべて答えましょう。
値段の高いあめの個数を1個ずつふやし、残りの代金がガムの値段30円でわり切れるかを調べます。
| あめの個数 | あめの代金 | 残り | ガムの個数 |
|---|---|---|---|
| 1個 | 70円 | 430円 | わり切れない |
| 2個 | 140円 | 360円 | 12個 |
| 3個 | 210円 | 290円 | わり切れない |
| 4個 | 280円 | 220円 | わり切れない |
| 5個 | 350円 | 150円 | 5個 |
| 6個 | 420円 | 80円 | わり切れない |
| 7個 | 490円 | 10円 | わり切れない |
答えは、ガム12個とあめ2個、ガム5個とあめ5個の2通りです。
値段の高いほうの個数を1つずつふやすと、調べる回数が少なくてすみます。
いもづる式に次の答えを見つける
例題1の2つの答えをくらべると、あめが3個ふえ、ガムが7個へっています。
あめ3個分の代金は70×3=210円、ガム7個分の代金は30×7=210円で、同じです。210円は、30と70の最小公倍数です。
つまり、1つ答えが見つかったら、代金が同じになる分だけ、一方をふやしてもう一方をへらせば、次の答えが見つかります。これが「いもづる式」です。
1つ答えが見つかったら、最小公倍数の分だけ入れかえると、次の答えが見つかります。
一の位に注目して候補をしぼる
例題2:1個45円のガムと1個60円のあめを、どちらも1個以上買ったところ、代金はちょうど525円でした。考えられる組み合わせをすべて答えましょう。
あめの代金60×□は、一の位がいつも0です。代金の合計525円の一の位は5なので、ガムの代金45×□の一の位は5でなければなりません。45に奇数をかけると一の位が5、偶数をかけると0になるので、ガムの個数は奇数です。
ガムを1個・3個・5個…と奇数だけ調べます。
| ガムの個数 | ガムの代金 | 残り | あめの個数 |
|---|---|---|---|
| 1個 | 45円 | 480円 | 8個 |
| 3個 | 135円 | 390円 | わり切れない |
| 5個 | 225円 | 300円 | 5個 |
| 7個 | 315円 | 210円 | わり切れない |
| 9個 | 405円 | 120円 | 2個 |
| 11個 | 495円 | 30円 | わり切れない |
答えは、ガム1個とあめ8個、ガム5個とあめ5個、ガム9個とあめ2個の3通りです。ガムが4個ふえると、あめが3個へっています(どちらも180円分)。
一の位に注目すると、調べる候補を半分にしぼれることがあります。
数を小さくしてから考える
値段がどちらも同じ数でわり切れるときは、式全体をその数でわると、計算が楽になります。例題2なら、45と60と525はどれも15でわり切れるので、「3×ガム+4×あめ=35」として考えることもできます。
全体を同じ数でわって、数を小さくしてから考えると、計算が楽になります。
条件がつく問題
例題3:1本60円のえんぴつと1本90円のボールペンを、どちらも1本以上買って、600円ちょうどにします。えんぴつのほうを多く買うとき、それぞれ何本買えばよいですか。
60と90を30でわると、2×えんぴつ+3×ボールペン=20です。ボールペンを1本ずつふやして調べると、ボールペン2本・えんぴつ7本、ボールペン4本・えんぴつ4本、ボールペン6本・えんぴつ1本の3通りが見つかります。
このうち、えんぴつのほうが多いのは、えんぴつ7本・ボールペン2本です。
よくあるまちがいと対策
- 答えを1つ見つけて終わりにする:表を最後まで作って、全部見つける
- 「どちらも1個以上」の条件を見落とす:0個の組み合わせは答えに入れない
- 値段の安いほうから調べて時間がかかる:値段の高いほうの個数を動かす
- 確かめをしない:見つけた組み合わせで、代金の合計を計算し直す
家庭での教え方のコツ
おもちゃのお金で買い物ごっこ
10円玉や50円玉を使って、「ちょうど○円にするには、どの組み合わせがある?」と親子で探してみましょう。表で整理する意味が実感できます。
表を書く練習を重ねる
いもづる算は、表を書けば必ず答えが見つかります。最初は時間がかかってもよいので、ていねいに表を書く習慣をつけましょう。
入れかえの規則を見つける
答えが2つ以上見つかったら、「何個ふえて、何個へった?」と聞いてみてください。最小公倍数との関係に、子ども自身が気づけると理解が深まります。
いもづる算のよくある質問
何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、つるかめ算を学んだあとの5年生ごろに学ぶことが多い単元です。
つるかめ算と見分けるコツはありますか?
「全部で何個」という個数の合計が問題文にあればつるかめ算、なければいもづる算です。つるかめ算とくらべて練習しましょう。
最小公倍数が分かりません。
いもづる式に答えを見つけるときは、2つの値段の最小公倍数を使います。約数と倍数で求め方を確認しておきましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:1個40円と1個70円のおかしを、どちらも1個以上買って、ちょうど500円にします。考えられる組み合わせをすべて答えましょう。
問題2:3円切手と5円切手を、どちらも1枚以上使って、ちょうど34円にします。考えられる組み合わせをすべて答えましょう。
問題3:問題1で、答えが2つ見つかったとき、40円のおかしと70円のおかしは、それぞれ何個ずつ入れかわっていますか。
問題4:個数の合計が分かっていて、代金の合計も分かっている問題は、何算で解きますか。
答え
問題1:40円が9個と70円が2個、40円が2個と70円が6個の2通りです。
問題2:3円切手8枚と5円切手2枚、3円切手3枚と5円切手5枚の2通りです。
問題3:40円のおかしが7個へり、70円のおかしが4個ふえています(どちらも280円分)。
問題4:つるかめ算です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:いもづる算は「表」と「入れかえ」
いもづる算は、代金の合計だけが分かっているときに、値段の高いほうの個数を1つずつふやして、表で組み合わせを探します。1つ答えが見つかったら、最小公倍数の分だけ入れかえると次の答えが見つかります。条件をよく読み、すべての組み合わせを見つけましょう。