「12月になったのに、過去問の点が上がらない。あと何をやればいいの?」
入試まで2か月を切ると、親の方が落ち着かなくなります。新しい問題集を買いたくなったり、塾の冬期講習を全部取りたくなったり、逆に「もう手遅れでは」と弱気になったりしますよね。
最初に結論を言っておきます。直前期は、新しいことを足す時期ではありません。「直す単元をしぼる」「過去問を本番の形で解く」「生活を入試の日に合わせる」の3つを、この順番で進めれば十分です。
この記事では、入試の8週前から入試の週までの流れ、12月と1月にやること・やめること、過去問で点が取れないときの立て直し方、正月特訓や1月に学校を休むかの考え方まで、順番にまとめました。
中学受験の直前期とは?いつからいつまで
「入試の8週前」から数える
直前期の始まりは、カレンダーの月ではなく、第一志望の最初の試験日から数えます。
- 埼玉や千葉の1月入試が本命なら、11月下旬から
- 東京・神奈川の2月1日が本命なら、12月上旬から
どちらも「入試の8週前」が目安です。8週あれば、弱点を直す期間と、本番の形に慣れる期間を両方とれます。
直前期にやることは、週ごとに変わります。「毎日同じことをくり返す」のではなく、「今週のテーマ」を決めて進めると、親子とも迷いません。
8週間の大まかな流れ
| 時期 | その週のテーマ |
|---|---|
| 入試8週前 | 弱点の棚卸し(直す単元をしぼる) |
| 入試7週前 | 算数の弱点を直す |
| 入試6週前 | 理科・社会の総点検 |
| 入試5週前 | 過去問2回目と時間配分 |
| 入試4週前 | 国語の型を固める。出願 |
| 入試3週前 | 本番の時刻で解く |
| 入試2週前 | 新しい問題はやめる |
| 入試1週前 | 当日のために整える |
| 入試の週 | いつもどおりの力を出す |
この表の流れを、1週間ごとのチェック表にした教材も用意しています。記事の後半で紹介します。
12月にやること:直す単元をしぼり、過去問を本番の形で解く

最初にやるのは「直す単元の棚卸し」
直前期で最初にやるのは、新しい問題を解くことではなく、まちがえた問題を単元名で書き出すことです。
- 過去問を1年分、4教科そろえて解く
- まちがえた問題を「単元名」で書き出す(例:速さ、水溶液、三権分立)
- 算数5つ・理科3つ・社会3つ・国語2つくらいまでにしぼる
全部直そうとすると、どれも終わりません。「この単元を直せば点が上がる」ものだけに絞るのが、直前期のいちばん大事な判断です。
直す単元は、「まちがえた回数が多い」より「出題されやすくて、直せば確実に取れる」ものを優先します。難問は捨ててかまいません。
過去問は「本番と同じ時間割」で解く日を作る
12月に入ったら、週に1回は「本番の時刻・本番の順番・本番の時間」で過去問を解く日を作ります。
- 第一志望の試験開始時刻に、1科目目を始める
- 休み時間も本番どおりにとる
- 答案は親が採点し、点数と「直す単元」を記録する
点数より大事なのは、時間切れがどの教科で起きているかです。時間切れは、知識不足ではなく「解く順番」で直せることが多いからです。
過去問の始める時期や年数の目安は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい:中学受験の過去問はいつから?6年生の11月から、本命校は5年分を目安に!
理科・社会は「暗記のやり直し」ではなく「総点検」
理科と社会は、直前期に点が伸びやすい教科です。ただし、テキストを最初から読み直す時間はありません。
- 一問一答や要点カードを、1日1分野ずつ見る
- 答えられなかったものだけに印をつけ、翌日はそれだけ見る
- 印が消えたら、次の分野へ
「見た」ではなく「言えた」で確かめるのがコツです。親が問題を読み、子どもが口で答える形が、短い時間で回せます。
1月にやること:新しい問題をやめ、生活を入試に合わせる
入試2週前から「新しい問題」はやめる
入試の2週前になったら、解いたことのない問題集や、初めて解く年度の過去問には手を出しません。
直前の新しい失点は、点につながらないうえに自信を削ります。2週前からやることは、次の2つだけです。
- 解いたことのある過去問を、時間を計ってもう一度解く
- まちがえた問題だけをまとめたノートと、要点カードを読み返す
「できる問題だけを解く日」を1日作るのも効果があります。「自分は解ける」という感覚で入試を迎えるためです。
新しい問題をやめるのは、子どもではなく親が決めて止める役です。子どもは不安になると、新しいものに手を伸ばしたくなります。
起きる時刻を入試に合わせる
入試は朝に始まります。頭がいちばん働く時間を、試験の時間に合わせておく必要があります。
- 入試3週前から、試験開始の3時間前には起きる
- 夜は、ふだんより30分早く寝る
- 休日も同じ時刻に起きる
生活の切り替えは、1週間では間に合いません。3週前から少しずつずらすのがおすすめです。
1月の学校はどうする?
1月に学校を休ませるかどうかは、家庭ごとに考え方が分かれます。感染症の予防と、生活リズムを崩さないことの、両方を見て決めてください。
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最後の1週間は「整える」だけ
最後の1週間にやるのは、勉強を足すことではなく、本番でいつもの力を出すための準備です。
- 1日1教科ずつ、要点カードや自分のまとめノートを読み返す
- 持ち物は数日前にそろえ、前の晩は確認だけにする
- 試験会場までの道のりを、1度は親子で歩いておく
- 前日は早めに寝て、当日の朝はいつもどおりの朝ごはん
当日の持ち物と朝の過ごし方は、こちらにチェックリストがあります。
あわせて読みたい:中学受験当日の持ち物チェックリスト!親の付き添い・服装・朝の過ごし方まで
直前期に「やめること」のリスト
直前期は、やることより「やめること」を決める方が効きます。
- 新しい問題集・参考書を買う
- 解いたことのない年度の過去問を、入試2週前以降に始める
- 全教科・全単元を見直そうとする
- 模試の偏差値を見て、志望校をころころ変える
- 塾の宿題を全部やらせる(直す単元に関係ない宿題は、親が間引く)
- 夜ふかしして勉強時間を足す
- 「今日はここまでできなかった」を子どもに言う
特に多いのが、「全部やろうとして、どれも終わらない」ことです。直前期の勉強は、やらないことを決めて、残ったものを確実にが原則です。
過去問で点が取れないときの立て直し方
合格点に届かないのは「12月では普通」
12月の時点で、第一志望の過去問が合格最低点に届かない子は少なくありません。過去問は「今の実力を測る」ものではなく、「何を直せば届くか」を見つけるためのものです。
点が取れないときは、まずどの教科の、どの単元で落としているかを見ます。
- 算数の大問1・2(計算・一行問題)で落としている → 計算のやり直しが最優先。ここは直せば確実に戻る
- 理科・社会の知識問題で落としている → 要点カードの読み返しで伸びる
- 国語の記述で落としている → 「設問の条件」を満たしているかの確認。型を固める
- 時間切れで最後まで届かない → 解く順番を決め直す。難問を飛ばす練習
「成績が下がった」ように見えるとき
直前期に模試や過去問の点が下がると、親は動揺します。ただ、直前期の点数は、問題の相性や体調で大きく動きます。
- 1回の下がりで判断しない。2〜3回の流れで見る
- 下がった回の「直す単元」だけを拾い、やることに加える
- 志望校は、12月の模試の結果まででいったん決めたら、原則として動かさない
子どもには、点数の話より「どこを直せばいいか分かったね」という言い方で伝えます。塾のクラスが落ちたときの声かけと、考え方は同じです。
あわせて読みたい:塾のクラス落ちで動揺する子どもへの声かけ、感情より先に整理すべきこと
やる気が落ちたとき
直前期は、子どもの気持ちが上下します。「勉強しない日」があっても、1日なら取り返せます。
- 「できる問題だけを解く日」を作り、解けた感覚を戻す
- 親が勉強の中身を全部決めず、「今日は算数と理科、どっちからやる?」と選ばせる
- 寝る前に、その日にできたことを1つだけ言葉にする
冬期講習と正月特訓は行くべき?
「直す単元」に合うかで決める
塾の冬期講習や正月特訓は、受けること自体に意味があるわけではありません。直前期の勉強は「直す単元にしぼる」のが原則なので、講習の中身がそれに合っているかで決めます。
- 講習の内容が「直す単元」と重なる → 受ける価値がある
- 全単元を広く復習する講習 → 家で過去問を解く方が点につながることが多い
- 講習の宿題で、過去問を解く時間がなくなる → 本末転倒
正月特訓は「生活リズム」と「気持ち」で見る
正月特訓は、年末年始に塾で集中して勉強する講座です。受けるかどうかは、次の2つで考えます。
- 家にいると親戚の集まりなどで勉強の時間が取れない家庭 → 受ける意味がある
- 家で過去問を本番の形で解く時間が取れる家庭 → 無理に受けなくてよい
どちらの場合も、起きる時刻を崩さないことが条件です。朝早くから塾に行く特訓は、生活リズムの切り替えに役立つ面もあります。
個別指導で「直す単元」だけを頼む手もある
塾なしで受験する家庭や、集団塾の講習が直す単元に合わない家庭は、個別指導や家庭教師に「この単元だけ」と頼む方法があります。6年生の2学期以降に過去問対策で使える個別指導・家庭教師は、こちらで比べています。
あわせて読みたい:中学受験6年2学期から過去問で大逆転!家庭教師・個別指導ランキングを料金で比較
冬期講習の時期に個別指導を使うときの、「講習の枠がある塾」と「必要なコマだけ組む塾」の違いは、こちらで比べています。
あわせて読みたい:中学受験の冬期講習、個別指導はどう使う?「講習の枠がある塾」と「必要なコマだけ組む塾」の違いと6社の比べ方
直前期の親の役割は「決める」と「止める」

直前期の親がやることは、勉強を教えることではありません。
- 毎週日曜の夜に、次の週の「やること」を決める
- 新しい問題や、やりすぎを止める
- 過去問の点数と「直す単元」を記録する
- 生活(起きる時刻・食事・睡眠)を入試に合わせる
- 願書・持ち物・日程など、勉強以外のことを全部引き受ける
子どもが勉強に集中できるように、勉強以外の全部を親が持つと考えると、役割がはっきりします。出願の日程管理は、こちらにまとめています。
あわせて読みたい:中学受験の出願スケジュール表の作り方は?Web出願の流れと日程の組み方
週ごとのチェック表と要点カードを1冊にした教材
ここまでの流れを、入試8週前から入試の週までの9週分、1週=「勉強のチェック」「生活・親のチェック」「過去問の記録」「ふりかえり」の形にしたA4の教材を用意しました。
- 毎週日曜の夜に、親子で次の週の1枚を開いて印をつけるだけ
- 後半に、算数6・理科4・社会4・国語2の「見直し16単元の要点カード」(各2ページ)
- 入試2週前の週には「新しい問題はやめる」とはっきり書いてあります
塾に通わずに受験する家庭が、毎週「今週は何をやらせればいいのか」を考えなくて済むように作っています。
入試1週間前から発表日までの過ごし方は、無料のチェック表もあります。
よくある質問
- 直前期に新しい問題集を買ってもいいですか?
-
おすすめしません。直前期は、解いたことのある過去問の解き直しと、まちがえた問題のノートの読み返しで十分です。買うとしても、入試の8週前までに「直す単元」の1冊だけにしてください。
- 過去問は何年分やればいいですか?
-
第一志望は5年分が目安です。ただし直前期は「年数を増やす」より「同じ年度を時間を計ってもう一度解く」方が点につながります。
- 12月の模試で偏差値が下がりました。志望校を変えるべきですか?
-
1回の結果では決めないでください。2〜3回の流れと、過去問の得点率をあわせて見ます。12月までの結果で決めた志望校は、原則として動かさない方が落ち着いて準備できます。
- 正月は勉強を休ませてもいいですか?
-
元日だけなど、休む日を決めて休むのはかまいません。ただし起きる時刻は崩さないでください。生活リズムが戻るのに1週間かかります。
- 直前期に親が教えた方がいいですか?
-
教えるより、「やること・やめることを決める」「記録する」「生活を整える」の3つを引き受ける方が効果があります。分からない問題は、解説を親子で読む程度にとどめ、どうしても必要なら個別指導で単元をしぼって頼む方が早いです。
まとめ:直前期は「しぼる・本番の形で解く・整える」の順番で
- 直前期は入試の8週前から。新しいことを足す時期ではない
- 最初に「直す単元」を、算数5・理科3・社会3・国語2くらいにしぼる
- 過去問は、週1回は本番の時刻・順番・時間で解き、点数より「直す単元」を記録する
- 入試2週前からは新しい問題をやめ、解き直しと要点の読み返しだけにする
- 起きる時刻は3週前から試験に合わせる。最後の1週間は整えるだけ
- 冬期講習・正月特訓は、「直す単元」に合うかと、生活リズムを崩さないかで決める
- 親の役割は「決める」と「止める」。勉強以外の全部を引き受ける
直前期の親は、子どもより先に不安になりがちです。やることを紙に書いて「今週はこれだけ」と決めてしまえば、親子とも落ち着いて入試の日を迎えられます。