「金閣と銀閣、どちらが北山文化でどちらが東山文化か分からなくなる」「元禄文化と化政文化の人物がごちゃごちゃになる」
文化史は、中学受験の社会の歴史で、毎年のように出題される分野です。建物や仏像、絵画などの写真を見て時代を答える問題や、作品と作者を結びつける問題がよく出ます。政治の流れとくらべて、覚えることが多く感じられる分野ですが、時代ごとに表にまとめると整理しやすくなります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、時代ごとの文化を一覧表にまとめ、覚え方のコツを紹介します。
文化史の全体像

| 文化 | 時代 | 特色 | 代表的なもの |
|---|---|---|---|
| 飛鳥文化 | 飛鳥時代 | 日本で最初の仏教文化 | 法隆寺 |
| 天平文化 | 奈良時代 | 唐の影響を受けた国際的な文化 | 東大寺の大仏、正倉院、万葉集 |
| 国風文化 | 平安時代 | 日本の風土に合った貴族の文化 | かな文字、源氏物語、枕草子、平等院鳳凰堂 |
| 鎌倉文化 | 鎌倉時代 | 武士の気風に合った力強い文化 | 東大寺南大門の金剛力士像、平家物語 |
| 北山文化 | 室町時代(前半) | 貴族と武士の文化がまざる | 金閣、能 |
| 東山文化 | 室町時代(後半) | 落ち着いた、簡素な文化 | 銀閣、書院造、水墨画 |
| 桃山文化 | 安土桃山時代 | 豪華で雄大な文化 | 天守閣のある城、ふすま絵、茶の湯 |
| 元禄文化 | 江戸時代(前半) | 上方(京都・大阪)の町人が中心 | 浮世草子、人形浄瑠璃、俳諧 |
| 化政文化 | 江戸時代(後半) | 江戸の町人が中心 | 浮世絵(風景画)、こっけい本 |
文化は「時代の中心にいた人」で特色が決まります。貴族(国風)、武士(鎌倉)、町人(元禄・化政)と覚えます。
飛鳥・奈良・平安時代の文化
飛鳥文化
聖徳太子が仏教を広めようとしたころの文化です。法隆寺は、現存する世界最古の木造建築といわれます。
天平文化
聖武天皇のころの、唐の影響を強く受けた国際的な文化です。東大寺の大仏、正倉院の宝物、日本最古の和歌集である万葉集が代表です。正倉院には、シルクロードを通って伝わった品々も納められています。
国風文化
遣唐使が停止されたあと、日本の風土や生活に合った文化が発達しました。かな文字が生まれ、紫式部の源氏物語、清少納言の枕草子が書かれました。藤原頼通が建てた平等院鳳凰堂、貴族の屋敷のつくりである寝殿造も、この文化です。
鎌倉・室町時代の文化
鎌倉文化
武士の気風に合った、力強く写実的な文化です。運慶・快慶らがつくった東大寺南大門の金剛力士像、琵琶法師が語り伝えた平家物語が代表です。
北山文化と東山文化
| 北山文化 | 東山文化 | |
|---|---|---|
| 将軍 | 足利義満 | 足利義政 |
| 建物 | 金閣(鹿苑寺) | 銀閣(慈照寺) |
| その他 | 能(観阿弥・世阿弥) | 書院造、水墨画(雪舟) |
金閣は「義満・北山」、銀閣は「義政・東山」。「金→銀」の順に、時代も「満→政」と進みます。
書院造は、たたみ・ふすま・障子・床の間などがあり、今の和室のもとになったつくりです。
安土桃山時代の文化
織田信長・豊臣秀吉のころの、豪華で雄大な文化です。天守閣をもつ大きな城(姫路城など)がつくられ、狩野永徳らがふすまや屏風に豪華な絵をえがきました。千利休は、茶の湯(わび茶)を完成させました。
江戸時代の文化
| 元禄文化 | 化政文化 | |
|---|---|---|
| 中心 | 上方(京都・大阪)の町人 | 江戸の町人 |
| 文学 | 井原西鶴(浮世草子)、近松門左衛門(人形浄瑠璃の脚本)、松尾芭蕉(俳諧) | 十返舎一九(こっけい本)、小林一茶(俳諧) |
| 絵画 | 菱川師宣(浮世絵「見返り美人図」) | 葛飾北斎・歌川広重(風景画の浮世絵) |
元禄は「上方」、化政は「江戸」。浮世絵は、元禄の菱川師宣に始まり、化政の北斎・広重で風景画が人気になりました。
江戸時代の学問
- 国学:本居宣長が古事記伝を書き、日本古来の考え方を研究した
- 蘭学:杉田玄白らがオランダ語の医学書を翻訳して、解体新書を出版した
- 伊能忠敬が、全国を測量して正確な日本地図をつくった
写真資料の問題の解き方
例題1:たたみ・ふすま・障子・床の間がある部屋の写真が示されました。このつくりを何といいますか。また、どの文化のものですか。
書院造で、室町時代の東山文化です。
写真の問題では、建物の形(屋根・天守閣・池など)や、えがかれているもの(町人・風景・仏)に注目すると、時代を判断しやすくなります。
よくあるまちがいと対策
- 金閣と銀閣の将軍を逆にする:金閣は義満、銀閣は義政
- 元禄と化政の中心地を逆にする:元禄は上方、化政は江戸
- 平等院鳳凰堂を奈良時代とする:平安時代の国風文化
- 解体新書と古事記伝を混ぜる:解体新書は蘭学(杉田玄白)、古事記伝は国学(本居宣長)
家庭での覚え方のコツ
写真カードを作る
建物や作品の写真を印刷してカードにし、裏に文化名と時代を書いて、クイズ形式で覚えましょう。写真問題への対策になります。
10円玉を見る
10円玉には平等院鳳凰堂がえがかれています。身近なお金を見ながら、どの時代の建物かを話し合ってみてください。
政治の流れと並べる
文化だけを覚えるのではなく、その時代の政治(だれが中心だったか)と並べて表にすると、特色の理由が分かり、忘れにくくなります。
文化史のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の社会では、6年生で歴史を学び、各時代の文化にもふれます。中学受験向けの教材では、5〜6年生の歴史の学習の中で、時代ごとに学ぶことが多い内容です。
時代ごとの政治はどこで確認できますか?
飛鳥・奈良・平安時代、鎌倉・室町時代、江戸時代で、政治の流れと文化をあわせて解説しています。
世界遺産と関係がありますか?
はい、法隆寺・東大寺・金閣・銀閣・姫路城などは世界遺産にもふくまれています。日本の世界遺産もあわせて確認しましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:足利義満が建てた建物と、そのころの文化の名前を答えましょう。
問題2:かな文字が生まれ、源氏物語が書かれたころの文化を何といいますか。
問題3:江戸の町人を中心に栄え、葛飾北斎や歌川広重が活やくした文化を何といいますか。
問題4:東大寺南大門の金剛力士像をつくった人物を1人答えましょう。
答え
問題1:金閣(鹿苑寺)で、北山文化です。
問題2:国風文化です。
問題3:化政文化です。
問題4:運慶(または快慶)です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:文化史は「中心にいた人」と「代表作」をセットで
文化史は、時代ごとに「だれが中心だったか」と「代表的な建物・作品・人物」をセットで覚えましょう。貴族の国風文化、武士の鎌倉文化、上方の町人の元禄文化、江戸の町人の化政文化と、中心となった人が変わると、文化の特色も変わります。
歴史のほかの単元は、歴史の勉強法、飛鳥・奈良・平安時代、江戸時代で解説しています。