「生産者・消費者・分解者のちがいが、例を出されると分からなくなる」「外来生物がなぜ問題になるのか、説明できない」
生き物と環境は、中学受験の理科で、生物分野と環境問題をつなぐ単元として出題されます。食べる・食べられるの関係だけでなく、生き物の死がいがどうなるのか、外来生物や絶滅危惧種の問題など、ニュースと結びつく内容も多く問われます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、生き物と環境のつながりを整理し、覚え方をまとめました。
生産者・消費者・分解者

| 役割 | はたらき | 例 |
|---|---|---|
| 生産者 | 光合成で、自分で養分(でんぷんなど)をつくる | 植物、植物プランクトン |
| 消費者 | ほかの生き物を食べて、養分を取り入れる | 草食動物、肉食動物 |
| 分解者 | 死がいやふん、かれた葉などを分解し、植物が使える養分や二酸化炭素にもどす | 菌類(キノコ・カビ)、細菌類、ミミズ |
生産者は「自分で養分をつくる」、消費者は「食べる」、分解者は「死がいなどを分解してもどす」。
分解者がいなければ、森や海には死がいやかれ葉がたまり続けてしまいます。分解者は、生き物のつながりの中で、とても大切な役わりをしています。海の中でも、植物プランクトンが生産者、動物プランクトンや魚が消費者、海底などの細菌類が分解者としてはたらいています。
食物連鎖と数のつりあい
生き物どうしの「食べる・食べられる」の関係を食物連鎖といいます。実際には、1つの生き物が何種類もの生き物を食べるので、関係はあみの目のように複雑になっています(食物網)。
食べられる生き物ほど数が多く、食べる生き物ほど数が少ないのがふつうです。ある生き物の数が一時的にふえたりへったりしても、長い目で見ると、数はつりあいが保たれるようになっています。
酸素と二酸化炭素の循環
- 植物は、光合成で二酸化炭素を取り入れ、酸素を出す
- 動物も植物も、呼吸で酸素を取り入れ、二酸化炭素を出す
- 分解者も、死がいなどを分解するときに呼吸をして、二酸化炭素を出す
このように、酸素や二酸化炭素は、生き物の間を循環しています。
例題1:キノコやカビは、生産者・消費者・分解者のどれにあたりますか。
分解者です。日光で養分をつくることはなく、死がいやかれ葉などから養分を取り入れ、分解しています。
外来生物
もともとその地域にいなかったのに、人の活動によってほかの地域から持ちこまれた生き物を、外来生物といいます。もともといた生き物は、在来生物(在来種)といいます。
| 外来生物の例 | 問題になっていること |
|---|---|
| オオクチバス(ブラックバス) | 在来の魚やエビなどを食べる |
| アメリカザリガニ | 水草を切ったり、在来の生き物を食べたりする |
| アライグマ | 農作物をあらしたり、在来の生き物を食べたりする |
| セイタカアワダチソウ | 在来の植物の生える場所をうばう |
外来生物の中には、天敵がいないためにふえすぎて、在来の生き物の数をへらしたり、農業に被害をあたえたりするものがあります。日本では、特に影響が大きいものを「特定外来生物」に指定し、飼うことや運ぶことなどを法律で規制しています。
外来生物の問題は「天敵がいなくてふえすぎる」「在来の生き物をへらす」。生き物のつりあいがくずれます。
絶滅のおそれのある生き物
開発による住む場所の減少、乱獲、環境の変化などによって、数がへり、絶滅のおそれがある生き物がいます。
- トキ:日本の野生のものは一度いなくなったが、人工的に繁殖させて、野生にもどす取り組みが行われている
- コウノトリ:同じように、人工繁殖と野生にもどす取り組みが行われている
絶滅のおそれのある生き物をまとめた一覧を、レッドリストといいます。レッドリストは、国や都道府県などがそれぞれ作っています。
生物多様性と里山
さまざまな種類の生き物がいて、たがいにつながり合っていることを、生物多様性といいます。
人の住む集落と、そのまわりの雑木林・田畑・ため池・草地などをまとめて、里山といいます。里山では、人が木を切ったり草をかったりして手入れをすることで、多くの生き物がすめる環境が保たれてきました。手入れをする人がへり、里山があれていることも課題になっています。
例題2:外来生物を野外に放してはいけないのはなぜですか。
天敵がいないとふえすぎて、在来の生き物を食べたり、住む場所をうばったりして、生き物のつりあいをくずすおそれがあるからです。
よくあるまちがいと対策
- キノコを植物(生産者)と考える:キノコは菌類で、分解者
- 分解者を細菌類だけと考える:ミミズやダンゴムシなどの土の中の動物も分解にかかわる
- 外来生物を「外国から来た生き物」だけと考える:国内のほかの地域から持ちこまれた生き物もふくむ
- 植物は呼吸をしないと考える:植物も昼も夜も呼吸をしている
家庭での覚え方のコツ
落ち葉の下を観察する
公園の落ち葉の下をそっとめくってみましょう。ダンゴムシやミミズ、カビなどの分解者が見つかります。落ち葉が土にもどるようすが実感できます。
ニュースの外来生物を調べる
外来生物のニュースを見たら、どこから来たのか、何が問題なのかを親子で調べてみてください。理科と社会の両方の学習になります。
つながりの図を自分でかく
生産者・消費者・分解者と、酸素・二酸化炭素の流れを矢印でつないだ図を、何も見ずにかけるか試してみましょう。
生き物と環境のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、6年生で生物と環境のかかわりを学びます。中学受験向けの教材では、6年生ごろに、食物連鎖や環境問題とあわせて学ぶことが多い内容です。
食物連鎖の単元とどうつながりますか?
食べる・食べられるの関係や、水中の小さな生き物については、水中の小さな生き物と食物連鎖で解説しています。
環境問題の単元とも関係がありますか?
はい、地球温暖化や公害など、環境問題全体は公害と環境問題で学びます。あわせて整理しましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:光合成で自分で養分をつくる生き物を、何といいますか。
問題2:死がいやふんを分解して、植物が使える養分にもどす生き物を何といいますか。
問題3:人の活動によって、ほかの地域から持ちこまれた生き物を何といいますか。
問題4:絶滅のおそれのある生き物をまとめた一覧を何といいますか。
答え
問題1:生産者です。
問題2:分解者です。
問題3:外来生物です。
問題4:レッドリストです。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:生き物は「つながり」と「つりあい」
生き物は、生産者・消費者・分解者としてつながり、酸素や二酸化炭素、養分は生き物の間を循環しています。外来生物や開発によって、そのつりあいがくずれると、絶滅のおそれのある生き物が生まれます。生き物のつながりを図にして、環境を守る取り組みとあわせて覚えましょう。
関連する単元は、水中の小さな生き物と食物連鎖、植物のはたらき、公害と環境問題で解説しています。