「ミドリムシは動くのに、どうして緑色なの?」「食物連鎖で、ある生き物が減るとほかの生き物の数がどう変わるのか説明できない」
水中の小さな生き物と食物連鎖は、中学受験の理科の生物分野で、よく出題される単元です。けんび鏡で見た生き物の名前、緑色の生き物と動く生き物の区別、食物連鎖の順番、生き物の数が変化したときのようすなどが問われます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、水中の小さな生き物の特ちょう、食物連鎖と数のつりあいを整理し、家での覚え方をまとめました。
水中の小さな生き物
池や川の水をけんび鏡で観察すると、たくさんの小さな生き物が見つかります。水中をただよって生活する小さな生き物を、まとめてプランクトンといいます。
| 生き物 | 色 | 動くか | 特ちょう |
|---|---|---|---|
| ミジンコ | 緑色ではない | 動く | からだが1〜2mmほどで、肉眼でも見える。こん虫と同じ節足動物のなかま |
| ゾウリムシ | 緑色ではない | 動く | ぞうりのような形。細かい毛(せん毛)で泳ぐ |
| ミドリムシ | 緑色 | 動く | 1本の長い毛(べん毛)で泳ぎ、光合成もする |
| ミカヅキモ | 緑色 | ほとんど動かない | 三日月の形 |
| アオミドロ | 緑色 | 動かない | 糸のように長くつながっている |
| ボルボックス | 緑色 | 動く | 小さなつぶが集まった、球の形 |
緑色の生き物は、日光を受けて自分で養分をつくる(光合成)。ミドリムシは、緑色で動くこともできる生き物です。
2つのグループに分ける
- 緑色で、光合成をして養分をつくる:ミカヅキモ、アオミドロ、ボルボックス、ミドリムシ(植物プランクトンとよばれる)
- 緑色ではなく、ほかの生き物を食べる:ミジンコ、ゾウリムシ(動物プランクトンとよばれる)
ミドリムシは、光合成をするのに動くこともできるので、入試でよく取り上げられます。
食物連鎖

生き物どうしの「食べる・食べられる」の関係が、くさりのようにつながっていることを、食物連鎖といいます。水中では、次のようにつながっています。
植物プランクトン(ミカヅキモなど)→ 動物プランクトン(ミジンコなど)→ 小さな魚(メダカなど)→ 大きな魚
食物連鎖の出発点は、いつも光合成をする植物(植物プランクトン)です。植物が日光を使ってつくった養分が、食べる・食べられるの関係を通じて、ほかの生き物に受けわたされていきます。
食物連鎖の出発点は、光合成をする植物。陸上でも水中でも同じです。
数のつりあい
食物連鎖では、食べられる生き物ほど数(量)が多く、食べる生き物ほど数が少なくなります。図に表すと、ピラミッドの形になります。
数が変化したとき
ある生き物の数が変化すると、ほかの生き物の数も変化しますが、長い時間がたつと、ふつうはもとのつりあいにもどります。
例題1:水中で、何かの原因で小さな魚が急にふえました。その直後、動物プランクトンと大きな魚の数は、どうなると考えられますか。
小さな魚に食べられる動物プランクトンは減ります。小さな魚を食べる大きな魚は、食べ物がふえるので、ふえると考えられます。
その後、大きな魚がふえると小さな魚が食べられて減り、動物プランクトンがふえ、やがてもとのつりあいにもどっていきます。
数の変化は「食べられるものは減る、食べるものはふえる」から考えます。
分解者のはたらき
生き物の死がいやふんは、そのままにはならず、土や水の中の小さな生き物(菌類や細菌など)によって分解されます。分解されてできたものは、植物の養分になります。このように、自然の中では、物質がめぐっています。
- 生産者:光合成で養分をつくる植物
- 消費者:ほかの生き物を食べる動物
- 分解者:死がいやふんを分解する菌類・細菌など
メダカの食べ物
メダカは、水中の小さな生き物を食べて育ちます。メダカを飼っている水そうの水には、ミジンコなどの小さな生き物がいることがあり、それもメダカのえさになります。メダカのたんじょうについては、生命のたんじょうで解説しています。
よくあるまちがいと対策
- ミジンコを緑色の植物プランクトンと答える:ミジンコは緑色ではなく、ほかの生き物を食べる
- ミドリムシを「動くから動物プランクトン」とだけ答える:緑色で光合成もする
- 食物連鎖の出発点を、小さな生き物すべてと考える:出発点は光合成をする植物
- 数の変化を一方向だけで答える:食べるもの・食べられるものの両方を考える
家庭での覚え方のコツ
池や水そうの水を観察する
近くの池の水や、メダカを飼っている水そうの水を、虫めがねや家庭用けんび鏡で見てみましょう。動く小さな生き物が見つかると、教科書の写真が身近なものになります。けんび鏡の使い方は、けんび鏡の使い方で確認してください。
写真カードで覚える
生き物の写真や絵をカードにして、うらに名前と特ちょう(緑色か、動くか)を書きましょう。形と名前を結びつける練習になります。
身近な食物連鎖を考える
「草→バッタ→カエル→ヘビ」のように、陸上の食物連鎖も親子で考えてみてください。水中と陸上を比べると、どちらも植物から始まることが分かります。
水中の小さな生き物のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、5年生で水中の小さな生き物、6年生で食物連鎖など生き物どうしのつながりを学びます。中学受験向けの教材では、5〜6年生ごろに学ぶことが多い単元です。
大きさの順番も覚える必要がありますか?
ミジンコは肉眼でも見えるくらい大きく、ほかの多くは、けんび鏡でないとよく見えない大きさです。まずは、緑色かどうか・動くかどうかの区別を確実にしましょう。
環境問題とつながりますか?
はい、池や湖に栄養分が多く流れこむと、植物プランクトンが大量にふえて、赤潮やアオコが発生することがあります。公害と環境問題とあわせて学ぶと理解が深まります。
練習問題にチャレンジ
問題1:細かい毛で泳ぎ、ぞうりのような形をした生き物は何ですか。
問題2:緑色で光合成をし、べん毛で泳ぐこともできる生き物は何ですか。
問題3:食物連鎖の出発点になるのは、どのような生き物ですか。
問題4:水中で大きな魚が急に減ると、その直後、小さな魚の数はどうなると考えられますか。
答え
問題1:ゾウリムシです。
問題2:ミドリムシです。
問題3:光合成をして養分をつくる植物(植物プランクトン)です。
問題4:食べられる数が減るので、ふえると考えられます。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:水中の生き物は「緑色か・動くか」、食物連鎖は「植物から」
水中の小さな生き物は、緑色で光合成をするものと、ほかの生き物を食べるものに分けて覚えましょう。食物連鎖は光合成をする植物から始まり、食べられるものほど数が多くなります。数が変化したときは、食べるもの・食べられるものの両方を考えます。