「日食と月食で、太陽・月・地球の並び方がどっちだったか分からなくなる」「金環日食が起こるのはどうしてか、説明できない」
日食と月食は、中学受験の理科の天体分野で、月の満ち欠けとセットで出題される単元です。太陽・月・地球の位置関係、日食や月食が起こるときの月の形、欠け始める方向、皆既日食と金環日食のちがいなどが問われます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、日食と月食のしくみと、よく出るポイントを整理し、家での覚え方をまとめました。
日食と月食の位置関係

| 日食 | 月食 | |
|---|---|---|
| 並び方 | 太陽・月・地球 | 太陽・地球・月 |
| 月の形 | 新月のとき | 満月のとき |
| 起こること | 太陽が月にかくされる | 月が地球のかげに入る |
| 見える時間帯 | 昼間 | 夜 |
日食は「太陽・月・地球」の順で新月、月食は「太陽・地球・月」の順で満月。まん中にあるものが、かくす(かげをつくる)側です。
日食の「日」は太陽のこと、月食の「月」は月のことで、それぞれ「かくされるもの」を表しています。
日食の種類
日食には、次の3つの種類があります。
| 種類 | ようす |
|---|---|
| 皆既日食 | 太陽が月に完全にかくされる。昼間でも空が暗くなり、太陽のまわりにコロナが見える |
| 金環日食 | 月が太陽の中にすっぽり入るが、太陽のふちが輪(リング)のように見える |
| 部分日食 | 太陽の一部だけが月にかくされる |
太陽と月の見かけの大きさ
太陽の直径は月の約400倍ありますが、地球から太陽までのきょりも、地球から月までのきょりの約400倍です。そのため、地球から見ると、太陽と月はほぼ同じ大きさに見えます。
月は、地球のまわりを少しだ円の道すじで回っているので、地球からのきょりが少し変わります。月が地球から遠いときは、月が太陽より少し小さく見えるため、太陽を全部かくしきれず、金環日食になります。
月が近いと皆既日食、遠いと金環日食。太陽と月の見かけの大きさがほぼ同じだから起こる現象です。
月食の種類
- 皆既月食:月の全体が、地球のかげに入る
- 部分月食:月の一部だけが、地球のかげに入る
皆既月食のとき、月は真っ暗にはならず、赤黒い色(赤銅色)に見えます。これは、地球の大気を通りぬけた太陽の光のうち、赤い光が曲げられて、月を照らすためです。
欠け始める方向
日食や月食で、太陽や月がどちら側から欠けるかもよく問われます(日本など北半球で、南の空を見たとき)。
- 日食:太陽は、右側(西側)から欠け始める
- 月食:月は、左側(東側)から欠け始める
月は、地球のまわりを西から東へ回っています。日食では、月が太陽の西側から重なってくるので、太陽は右側から欠けます。月食では、月が地球のかげに東側から入っていくので、月は左側から欠けます。
例題1:月食のとき、月はどちら側から欠け始めますか。南の空を見たときの左右で答えましょう。
左側(東側)から欠け始めます。
毎月起こらない理由
新月と満月は、毎月やってきます。それなのに、日食や月食が毎月起こらないのはなぜでしょうか。
月が地球のまわりを回る道すじ(面)は、地球が太陽のまわりを回る道すじ(面)に対して、約5度かたむいています。そのため、新月や満月のときでも、太陽・月・地球がぴったり一直線に並ぶことは少なく、日食や月食はたまにしか起こりません。
月の通り道が少しかたむいているので、新月や満月のたびに日食・月食が起こるわけではありません。
見える場所のちがい
- 日食:月のかげが地球上の一部にしか落ちないので、見える地域が限られる。皆既日食が見られる地域は特にせまい
- 月食:月が地球のかげに入るので、月が見えている夜の地域なら、どこからでも同じように見える
観察するときの注意
日食を観察するときは、太陽を直接見たり、サングラスや黒い下じきなどで見たりしてはいけません。目をいためるおそれがあります。必ず、日食観察用の専用のめがねを使いましょう。
月の見え方とのつながり
日食と月食は、月の満ち欠けと深く関係しています。
- 日食は、月が太陽と同じ方向にある新月のとき。新月は昼間に空にあるが、太陽の光が当たっていない側が地球を向いているので見えない
- 月食は、月が太陽と反対の方向にある満月のとき。満月は夕方に東からのぼり、真夜中に南の空に見える
例題2:月食が起こるとき、月は夜中ごろ、どの方角の空に見えることが多いですか。
月食は満月のときに起こり、満月は真夜中ごろ南の空に見えるので、南の空です。
日食は昼間(新月)、月食は夜(満月)。月の位置と時刻をセットで考えます。
よくあるまちがいと対策
- 日食と月食の並び方を逆にする:まん中にあるものが「かくす側」
- 日食を満月のときと答える:日食は新月、月食は満月
- 皆既月食で、月が見えなくなると考える:赤黒い色に見える
- 毎月日食が起こると考える:月の通り道がかたむいているので、たまにしか起こらない
家庭での覚え方のコツ
ボールとライトで再現する
電気スタンドを太陽、大きなボールを地球、小さなボールを月にして、日食と月食の並び方を再現してみましょう。月が太陽をかくすようす、地球のかげに月が入るようすが、目で見て分かります。
月の満ち欠けとつなげる
日食は新月、月食は満月のときに起こるので、月の満ち欠けの学習とセットで覚えると効果的です。月の満ち欠けで、月の位置と形の関係を確認しましょう。
ニュースで日食・月食を確かめる
日食や月食が起こる日は、ニュースで取り上げられます。実際に夜空で月食を観察できる機会があれば、親子で見てみてください。
日食と月食のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、6年生で月の形の見え方と太陽の位置関係を学びます。日食・月食は、中学受験向けの教材で、6年生ごろに天体分野の応用として学ぶことが多い内容です。
星の動きとも関係がありますか?
天体の動きは、地球の自転と公転で説明できる点で共通しています。星の動きと星座や太陽の動きとあわせて学ぶと、天体分野全体が整理できます。
計算問題は出ますか?
太陽と月の大きさやきょりの比を使う問題が、ときどき出ます。「直径もきょりも約400倍」という関係を覚えておきましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:日食が起こるのは、太陽・月・地球がどの順に並んだときですか。
問題2:月食が起こるとき、月はどのような形のときですか。
問題3:月が太陽の中にすっぽり入り、太陽のふちが輪のように見える日食を何といいますか。
問題4:新月のたびに日食が起こらないのはなぜですか。
答え
問題1:太陽・月・地球の順です。
問題2:満月のときです。
問題3:金環日食です。
問題4:月の通り道が、地球の公転の通り道に対して少しかたむいていて、3つがぴったり一直線に並ぶことが少ないからです。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:日食・月食は「まん中にあるもの」で覚える
日食は太陽・月・地球の順に並ぶ新月のとき、月食は太陽・地球・月の順に並ぶ満月のときに起こります。太陽と月の見かけの大きさがほぼ同じなので、皆既日食と金環日食が起こります。欠け始める方向や、毎月起こらない理由も、月の動きとセットで覚えましょう。