「かげの向きを聞かれると、太陽と同じ向きを答えてしまう」「夏至と冬至で、日の出の方角がどう変わるのか覚えられない」
太陽の動きは、中学受験の理科の地学分野で、よく出題される単元です。1日の太陽の動きとかげの向き、季節による太陽の通り道の変化、南中高度の計算などが問われます。図を見て考える問題が多く、「頭の中で太陽を動かせるか」がポイントになります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、太陽の1日の動き、かげの向き、季節による変化、南中高度を整理し、家での覚え方をまとめました。
太陽の1日の動き
太陽は、東の地平線からのぼり、南の空を通って、西の地平線にしずみます。
- 朝:東の空
- 正午ごろ:南の空で最も高くなる(これを南中という)
- 夕方:西の空
太陽が動いて見えるのは、地球が西から東へ、1日に1回まわっている(自転している)からです。
太陽は「東からのぼり、南を通って、西にしずむ」。南中は、太陽が真南にきて最も高くなるときです。
かげの向き
かげは、太陽と反対側にできます。
- 朝(太陽が東):かげは西にできる
- 正午ごろ(太陽が南):かげは北にできる
- 夕方(太陽が西):かげは東にできる
かげは、1日の中で「西から北を通って東へ」と動きます。また、太陽が高いほど、かげは短くなります。南中したときに、かげは最も短くなります。
かげは太陽の反対側。1日で「西、北、東」と動き、南中のときに最も短くなります。
季節による太陽の通り道の変化

太陽の通り道は、季節によって変わります。
| 季節 | 日の出の方角 | 南中高度 | 昼の長さ |
|---|---|---|---|
| 夏至のころ(6月ごろ) | 真東より北寄り | 最も高い | 最も長い |
| 春分・秋分のころ(3月・9月ごろ) | 真東 | 夏至と冬至の間 | 昼と夜がほぼ同じ |
| 冬至のころ(12月ごろ) | 真東より南寄り | 最も低い | 最も短い |
日の入りの方角も同じように、夏至のころは真西より北寄り、冬至のころは真西より南寄りになります。
夏は「北寄りから出て、高く、長い」。冬は「南寄りから出て、低く、短い」。春分・秋分は「真東から真西」。
季節によって太陽の通り道が変わるのは、地球が、地じくをかたむけたまま、太陽のまわりを1年で1周(公転)しているからです。
南中高度の求め方
南中高度とは、太陽が南中したときの、地平線から太陽までの角度です。日本のような北半球の地点では、次の式で求められます。
- 春分・秋分:90°-その地点の緯度
- 夏至:90°-その地点の緯度+23.4°
- 冬至:90°-その地点の緯度-23.4°
23.4°は、地球の地じくのかたむきです。
例題1:北緯35°の地点で、春分・夏至・冬至の日の南中高度を求めましょう。
春分は、90-35=55°です。夏至は、55+23.4=78.4°です。冬至は、55-23.4=31.6°です。
南中高度が高い夏は、太陽の光が地面にほぼ真上から当たるので、同じ面積あたりに受ける光の量が多くなり、気温が高くなります。
1日の気温の変化
晴れた日の1日の気温は、太陽の高さと少しずれて変化します。
- 太陽が最も高くなる(南中)のは、正午ごろ
- 地面の温度が最も高くなるのは、午後1時ごろ
- 気温が最も高くなるのは、午後2時ごろ
太陽が地面をあたため、あたためられた地面が空気をあたためるので、順番に時間がずれます。
太陽→地面→空気の順にあたたまるので、気温が最も高くなるのは午後2時ごろです。
地球の自転と公転
太陽の動きは、地球の2つの動きで説明できます。
- 自転:地球が、北極と南極を結ぶ地じくを中心に、西から東へ1日に1回まわる。太陽が東から西へ動いて見える理由
- 公転:地球が、太陽のまわりを1年に1回まわる。季節が生まれる理由
地じくは、公転する面に垂直な方向から約23.4°かたむいています。そのため、6月ごろは北半球が太陽のほうにかたむいて南中高度が高くなり、12月ごろは反対に低くなります。
1日の太陽の動きは「自転」、季節による変化は「公転と地じくのかたむき」で起こります。
南半球ではどうなるか
オーストラリアなど南半球の地点では、太陽は東からのぼり、北の空を通って西にしずみます。また、日本が夏のころ、南半球は冬になります。応用問題で問われることがあるので、北半球との違いを押さえておきましょう。
例題2:北緯35°の地点で、棒のかげが最も短くなるのは、太陽がどの方角にあるときですか。
太陽が真南にあるとき(南中したとき)です。このとき太陽は最も高く、かげは真北にできます。
よくあるまちがいと対策
- かげの向きを太陽と同じ向きにする:かげは太陽の反対側
- 夏至の日の出を「真東」と答える:夏至は真東より北寄り
- 南中高度の式で、23.4°を足すか引くかを逆にする:夏は高いので足す、冬は低いので引く
- 気温が最も高いのを正午と答える:太陽、地面、空気の順で、気温は午後2時ごろ
家庭での覚え方のコツ
かげを記録する
晴れた日に、庭やベランダに棒を立てて、朝・昼・夕方のかげの向きと長さに印をつけてみましょう。かげが西から北、東へと動き、昼に短くなることが自分の目で確かめられます。
季節ごとに日の出の位置を見る
家の窓から見える日の出や日の入りの位置を、季節ごとに比べてみてください。夏と冬で、太陽の出る場所が大きくちがうことが分かります。
方角を体で覚える
南を向いて立つと、左が東、右が西です。図の問題を解くときは、まず「自分がどちらを向いているか」を確認する習慣をつけましょう。
太陽の動きのよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、3年生で太陽とかげの動き、4年生で1日の気温の変化を学びます。季節による通り道の変化や南中高度は、中学受験向けの教材で、5〜6年生ごろに学ぶことが多い内容です。
透明半球の問題も出ますか?
はい、透明半球に太陽の位置を記録した図から、日の出の方角や季節を読み取る問題がよく出ます。まずは、この記事の季節ごとの通り道を確実にしてから取り組みましょう。
月や星の動きとのちがいは?
月や星も、地球の自転のため、太陽と同じように東から西へ動いて見えます。月の満ち欠けや星の動きと星座とあわせて学ぶと、天体分野全体がつながります。
練習問題にチャレンジ
問題1:夕方、かげはどの方角にできますか。
問題2:冬至のころ、太陽はどの方角からのぼりますか。
問題3:北緯36°の地点で、春分の日の南中高度は何度ですか。
問題4:晴れた日に、気温が最も高くなるのは何時ごろですか。
答え
問題1:東にできます(太陽が西にあるため)。
問題2:真東より南寄りからのぼります。
問題3:90-36=54°です。
問題4:午後2時ごろです。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:太陽の動きは「東、南、西」と「季節の変化」
太陽は東からのぼり、南で最も高くなり、西にしずみます。かげは太陽の反対側にでき、南中のときに最も短くなります。季節による変化は、夏は北寄りから出て高く長い道のり、冬は南寄りから出て低く短い道のり、と整理して覚えましょう。