「上弦の月と下弦の月が、どっちがどっちか分からなくなる」「満月は何時ごろ、どの方角に見えるの?と聞かれて、親も答えられなかった」
月の満ち欠けは、中学受験の理科の天体分野で、もっともよく出題される単元の1つです。月の形の順番だけでなく、「その月が、何時ごろ、どの方角に見えるか」まで問われるのが特ちょうで、丸暗記ではなかなか対応できません。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、月が満ち欠けするしくみ、月の形の順番、見える時刻と方角の考え方と、家での教え方をまとめました。
月が満ち欠けするしくみ
月は、自分では光を出していません。太陽の光を反射して光って見えています。月はいつも半分が太陽に照らされていますが、地球から見ると、月の位置によって、照らされている部分の見え方が変わります。これが月の満ち欠けです。

図は、北極の上から地球と月を見たものです。太陽の光は左から当たっていて、月はいつも左半分(黄色の部分)が照らされています。
- 月が太陽と同じ側にあるとき:照らされた面が地球から見えず、新月
- 月が太陽と反対側にあるとき:照らされた面が全部見えて、満月
- その間の位置:照らされた面の一部が見えて、三日月や半月
月は太陽の光を反射して光る。満ち欠けは、太陽・地球・月の位置関係で決まります。
月の形の順番
月は、地球のまわりを北極の上から見て反時計回りに、約1か月かけて回っています。新月から次の新月までは、約29.5日です。
形は、次の順番で変わります。
- 新月(見えない)
- 三日月(夕方、西の空に細く見える)
- 上弦の月(右半分が光る半月)
- 満月(まるい月)
- 下弦の月(左半分が光る半月)
- ふたたび新月へ
新月から満月までは、右側から光る部分が増えていき、満月から新月までは、右側から欠けていきます(日本など北半球から見た場合)。
上弦と下弦の見分け方
上弦の月と下弦の月は、どちらも半月なので、取りちがえやすいポイントです。
- 上弦の月:新月から約7日後。右半分が光る。夕方、南の空に見える
- 下弦の月:満月から約7日後。左半分が光る。明け方、南の空に見える
「上弦」「下弦」という名前は、月が西にしずむときの弦(半月のまっすぐな部分)の向きが上か下かから来ている、という説明がよく知られています。名前の由来より、「上弦は夕方、下弦は明け方に南に見える」と時刻とセットで覚えるほうが、問題を解くときに役立ちます。
見える時刻と方角
月も、太陽と同じように、東からのぼって南の空を通り、西にしずみます。地球が自転しているからです。
月の形によって、のぼる時刻(月の出)が変わります。これは、月と太陽の位置関係によるものです。
| 月の形 | 東からのぼる | 南の空に見える | 西にしずむ |
|---|---|---|---|
| 新月 | 朝6時ごろ | 正午ごろ | 夕方6時ごろ |
| 上弦の月 | 正午ごろ | 夕方6時ごろ | 真夜中0時ごろ |
| 満月 | 夕方6時ごろ | 真夜中0時ごろ | 朝6時ごろ |
| 下弦の月 | 真夜中0時ごろ | 朝6時ごろ | 正午ごろ |
時刻は、太陽が朝6時にのぼり、夕方6時にしずむとしたときの目安です。
満月は「夕方に東からのぼり、真夜中に南、明け方に西」。満月を基準にすると覚えやすくなります。
時刻の考え方のコツ
表を丸暗記するより、太陽との位置関係で考えると、忘れにくくなります。
- 新月は太陽と同じ方向にあるので、太陽といっしょに動く(だから見えない)
- 満月は太陽と反対の方向にあるので、太陽がしずむころにのぼる
- 上弦の月は、太陽より約6時間おくれて動く
- 下弦の月は、太陽より約6時間先に動く(約18時間おくれる、とも考えられる)
たとえば「夕方、南の空に見える月は?」と聞かれたら、夕方は太陽が西にあるときです。太陽から90°東にずれた月が南にあるので、上弦の月だと分かります。
月の出は毎日おくれる
月は、地球のまわりを約1か月で1周するので、1日に約12°ずつ東へ位置を変えます。そのため、月の出は、1日に約50分ずつおそくなります。
「今日の満月が夕方6時にのぼったとすると、明日は6時50分ごろ」というように考えます。この「約50分」は、よく出題される数字です。
月はいつも同じ面を見せている
月は、地球のまわりを1周する間に、自分自身も1回転(自転)しています。そのため、地球から見える月の模様は、いつも同じです。ウサギがもちをついているように見える模様が、いつ見ても同じなのはこのためです。
よくあるまちがいと対策
- 上弦と下弦を取りちがえる:「上弦は夕方南、右が光る」とセットで覚える
- 月の形の順番を逆にする:「新月、三日月、上弦、満月、下弦」を声に出して覚える
- 見える時刻を表だけで覚え、忘れる:太陽の位置から考える方法を身につける
- 南半球での見え方の問題で混乱する:まずは北半球(日本)での見え方を確実にする
家庭での教え方のコツ
実際に月を観察する
いちばんの勉強法は、実際の月を見ることです。カレンダーや天気アプリには月の形が出ているものも多いので、「今日は上弦の月だから、夕方に南の空を見てみよう」と親子で確かめてみてください。同じ時刻に数日続けて観察すると、月の位置が東へずれていくことも分かります。
ボールとライトで再現する
部屋を暗くして、ライト(太陽)の光をボール(月)に当て、子どもの頭(地球)のまわりでボールを回してみましょう。ボールの光って見える部分が、三日月から半月、満月へと変わっていくようすが、自分の目で確かめられます。
図に方角と時刻を書きこむ
図の地球のまわりに、「この位置にいる人は夕方」「ここは真夜中」と時刻を書きこむ練習をすると、見える時刻と方角の問題に強くなります。
月の満ち欠けのよくある質問
月の満ち欠けは何年生で学びますか?
小学校の理科では、4年生で月の動き、6年生で月の形の見え方と太陽との位置関係を学びます。中学受験向けの教材では、5年生ごろに天体の単元として学ぶことが多く、太陽や星の動きとあわせて出題されます。
月食・日食も出題されますか?
出題されることがあります。月食は、太陽・地球・月が一直線に並び、月が地球のかげに入る現象で、満月のときに起こります。日食は、月が太陽をかくす現象で、新月のときに起こります。満月と新月の位置関係が分かっていれば、理解しやすい内容です。
三日月はなぜ夕方にしか見えないのですか?
三日月は、太陽から少しだけ東にはなれた位置にあるので、太陽といっしょに昼間の空にありますが、明るい昼間はほとんど見えません。太陽がしずんだあと、まだ西の空に残っている短い時間に見ることができます。
月の満ち欠けの家での進め方
塾なしで進める場合は、次の順番がおすすめです。
- 月が太陽の光を反射して光ること、満ち欠けのしくみ
- 月の形の順番と、上弦・下弦の見分け方
- 満月を基準に、見える時刻と方角を考える
- 月の出が毎日約50分おくれる理由
1日20分ほど、図をかいて時刻と方角を書きこむ練習をしましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:夕方6時ごろ、南の空に見える月は何という月ですか。また、どちら側が光っていますか。
問題2:満月が夕方6時ごろに東の空からのぼりました。次の日、月がのぼるのは何時ごろですか。
問題3:明け方6時ごろ、南の空に見える月は何という月ですか。
問題4:月食が起こるのは、新月と満月のどちらのときですか。
答え
問題1:上弦の月です。右半分が光っています。夕方は太陽が西にあり、そこから90°東にずれた月が南の空に見えます。
問題2:月の出は1日に約50分おそくなるので、6時50分ごろです。
問題3:下弦の月です。左半分が光っています。
問題4:満月のときです。太陽・地球・月の順に一直線に並び、月が地球のかげに入るときに月食が起こります。
答えを出すときは、図をかいて、太陽・地球・月の位置関係を確かめる習慣をつけましょう。表の時刻を思い出せなくても、位置関係から考えれば答えにたどりつけます。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:月は「太陽との位置関係」で考える
月の満ち欠けは、月が太陽の光を反射して光り、太陽・地球・月の位置関係によって見える形が変わることで起こります。形の順番は新月、三日月、上弦、満月、下弦。見える時刻と方角は、満月を基準に、太陽との位置関係から考えれば、丸暗記しなくても答えられます。
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