「豆電球の明るさの問題で、直列と並列がごちゃごちゃになる」「回路図が少し複雑になると、どこに電流が流れているのか分からない」
電気回路は、中学受験の理科でよく出題される単元です。乾電池や豆電球のつなぎ方によって、豆電球の明るさや乾電池の長持ちの仕方が変わる、という問題が中心です。目に見えない電流を考えるので、苦手意識を持つ子が多い単元でもあります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、回路図の読み方、乾電池と豆電球の直列・並列つなぎによる明るさのちがい、ショート回路の見分け方と、家での教え方をまとめました。
電気回路の基本
乾電池の+極から出た電流は、導線を通って豆電球などを流れ、-極にもどります。この電流の通り道が、輪のように1つながりになっているものを「回路」といいます。回路がどこかで切れていると、電流は流れず、豆電球はつきません。
回路を表すときは、記号を使った「回路図」をかきます。
- 乾電池:長い線と短い線を並べた記号。長い線が+極、短い線が-極
- 豆電球:円の中に×をかいた記号
- 導線:まっすぐな線
電流は乾電池の+極から出て、回路を1周して-極にもどります。
明るさの考え方:電流の大きさで比べる
中学受験の電気回路の問題では、「乾電池1個に豆電球1個をつないだときに流れる電流」を「1」として、ほかの回路の電流を比べる考え方がよく使われます。豆電球に流れる電流が大きいほど、豆電球は明るくなります。

| つなぎ方 | 豆電球1個に流れる電流 | 明るさ |
|---|---|---|
| 基本(乾電池1個・豆電球1個) | 1 | ふつう |
| 乾電池2個の直列つなぎ | 2 | 明るい |
| 乾電池2個の並列つなぎ | 1 | 基本と同じ |
| 豆電球2個の直列つなぎ | 0.5ずつ | 暗い |
| 豆電球2個の並列つなぎ | 1ずつ | 基本と同じ |
この表の数は、中学受験の問題で使われる考え方にもとづく目安です。実際の豆電球では、明るさが電流にぴったり比例するわけではありませんが、「明るい・同じ・暗い」の関係は、この考え方で比べられます。
乾電池のつなぎ方
直列つなぎ
乾電池の+極と別の乾電池の-極をつないで、1列に並べるつなぎ方を「直列つなぎ」といいます。乾電池2個を直列につなぐと、豆電球に流れる電流は2倍になり、明るくなります。そのかわり、乾電池は早く使い切ってしまいます。
並列つなぎ
乾電池の+極どうし、-極どうしをつなぐつなぎ方を「並列つなぎ」といいます。乾電池2個を並列につないでも、豆電球の明るさは乾電池1個のときと同じです。そのかわり、2個の乾電池で電流を分け合うので、乾電池1個のときより長持ちします。
乾電池の直列は「明るいが長持ちしない」、並列は「明るさは同じで長持ちする」。
豆電球のつなぎ方
直列つなぎ
豆電球2個を1列につなぐと、電流は流れにくくなり、それぞれの豆電球に流れる電流は0.5になります。豆電球は暗くなります。また、どちらか1個を外すと、回路が切れて、もう1個も消えます。
並列つなぎ
豆電球2個を枝分かれさせてつなぐと、それぞれの豆電球には、基本と同じ1の電流が流れ、明るさも同じです。乾電池から出る電流は、1+1=2になるので、乾電池は早く使い切ります。1個を外しても、もう1個はついたままです。
家の電灯やコンセントにつないだ電気製品が、1つを消してもほかが消えないのは、並列つなぎになっているからです。
例題で確かめよう
例題1:乾電池2個を直列につなぎ、豆電球2個を直列につないだ回路があります。豆電球1個に流れる電流は、基本の回路の何倍ですか。
乾電池の直列で電流は2倍、豆電球の直列で0.5倍になるので、2×0.5=1倍です。基本と同じ明るさです。
例題2:乾電池1個に、豆電球3個を並列につないだ回路があります。豆電球1個の明るさと、乾電池から流れ出る電流はどうなりますか。
並列つなぎなので、それぞれの豆電球には基本と同じ1の電流が流れ、明るさは基本と同じです。乾電池から流れ出る電流は、1×3=3です。
ショート回路に注意
豆電球などを通らずに、乾電池の+極と-極が導線だけで直接つながってしまう回路を「ショート回路」といいます。ショート回路では、大きな電流が流れて導線や乾電池が熱くなり、たいへん危険です。
例題3:豆電球2個を並列につないだ回路で、片方の豆電球の両はしを、導線でつないでしまいました。豆電球はどうなりますか。
導線は豆電球よりずっと電流が流れやすいので、電流はほとんど導線のほうを流れます。並列につないだ2個の豆電球は、どちらも消えてしまいます。そして、乾電池が導線で直接つながった状態になるので、ショート回路になります。
回路図を見たら、「豆電球を通らずに、+極から-極まで行ける道がないか」を必ず確かめましょう。
よくあるまちがいと対策
- 乾電池の直列と並列を取りちがえる:+極と-極が交互につながっているのが直列、同じ極どうしがつながっているのが並列
- 豆電球の並列で、明るさが半分になると考える:並列の豆電球は、それぞれ基本と同じ明るさ
- 回路図の形が変わると、つなぎ方が分からなくなる:電流の流れを指でたどり、枝分かれがあるかを確かめる
- ショート回路を見落とす:豆電球を通らない道がないか、最後に確認する
家庭での教え方のコツ
実際に豆電球をつけてみる
豆電球、ソケット、乾電池ボックス、導線は、ホームセンターや通販で手に入ります。直列・並列のつなぎ方を実際に試して、明るさや、1個外したときのようすを観察すると、表を覚えるより何倍も理解が深まります。ただし、ショート回路は熱くなって危険なので、実験では絶対に作らないようにしましょう。
回路を「水の流れ」にたとえる
電流を水の流れ、乾電池をポンプ、豆電球を水車にたとえると、イメージしやすくなります。ポンプを2台直列にすると水の勢いが強くなる、水車を1列に2つ並べると流れにくくなる、と説明すると、子どもも納得しやすいようです。
回路図を書き直す練習
入試の回路図は、わざと形を変えてかかれていることがあります。複雑な回路図を、乾電池を左、豆電球を右に置いた形に書き直す練習をすると、直列か並列かを見ぬく力がつきます。
電気回路のよくある質問
電気回路は何年生で学びますか?
小学校の理科では、3年生で回路の基本、4年生で乾電池の直列・並列つなぎ、5年生で電磁石、6年生で発電と電気の利用を学びます。中学受験向けの教材では、4〜5年生ごろに豆電球の明るさの問題を学び、6年生で応用問題に取り組むことが多い単元です。
発光ダイオード(LED)の問題も出ますか?
出題されることがあります。発光ダイオードは、豆電球とちがって、電流を流す向きが決まっていて、逆向きにつなぐと光りません。また、豆電球より少ない電気で光ることも、よく問われるポイントです。
電磁石との関係はありますか?
電磁石の強さも、流れる電流の大きさで変わります。乾電池を直列にすると電流が大きくなり、電磁石は強くなります。電気回路の考え方は、電磁石の単元でもそのまま使えます。
電気回路の家での進め方
塾なしで進める場合は、次の順番がおすすめです。
- 回路と回路図の記号を覚える
- 乾電池の直列・並列つなぎ
- 豆電球の直列・並列つなぎ
- 乾電池と豆電球を組み合わせた問題(例題1・2)
- ショート回路の見分け方(例題3)
1日2〜3問、回路図に電流の流れを指でたどってから考える習慣をつけましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:乾電池2個を直列につなぎ、豆電球1個をつないだ回路では、豆電球に流れる電流は基本の回路の何倍ですか。
問題2:乾電池1個に、豆電球2個を直列につないだ回路では、豆電球1個に流れる電流は基本の回路の何倍ですか。
問題3:乾電池2個を並列につなぎ、豆電球1個をつないだ回路と、基本の回路では、乾電池が長持ちするのはどちらですか。
答え
問題1:乾電池の直列で2倍です。
問題2:豆電球の直列で0.5倍です。
問題3:乾電池2個を並列につないだ回路です。明るさは同じですが、2個で電流を分け合うので長持ちします。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:電気回路は「基本を1」として比べる
電気回路は、乾電池1個・豆電球1個の基本の回路を「1」として、つなぎ方による電流の大きさを比べる単元です。乾電池の直列は明るく、並列は長持ち。豆電球の直列は暗く、並列は同じ明るさ。回路図を指でたどり、ショート回路がないかを確かめる習慣をつけましょう。
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