多くの家庭が直面する中学受験の選択肢として、塾に通わずに受験する塾なし中学受験するのも一つの選択肢です。
大手の進学塾に通わせると、総額200万程度は最低でも覚悟しておかないといけないのですが、模試を受けるだけであれば、20万~30万程度で中学受験を乗り切れる可能性がありす。
しかし、塾なしでの中学受験は、一体どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?この記事では、塾を利用せずに中学受験に臨む場合の利点と欠点を詳しく解説していきます。
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塾を使わず中学受験するメリットとは

中学受験を控えている家庭で悩まれることの一つに、塾を使うか否かの問題があります。
多くの家庭では塾への通学が一般的ですが、塾を利用せずに受験に臨むメリットも少なくありません。
以下に、塾を使わずに中学受験をするメリットをいくつか挙げてみます。
塾の通塾費用削減!
塾に通うことは高額な費用がかかることが多く、それが家計に大きな負担となることがあります。
すっごいざっくりとした金額として、4年生50万、5年生70万、6年生100万、これに追加して各講習費用や学校別対策授業、なんてかかってきます。これだけの金額が節約できるのは、相当に大きなメリットです
塾を利用しないことで、その費用を節約し、他の教育資材や異なる経験(例えば、学習系の旅行や体験学習など)に充てることが可能です。
また自宅から徒歩で通う場合は良いのですが、多くの子供は電車やバスなど通塾の交通費がかかります。また、電車で通わせるとなると万が一のことを考えて、携帯などの契約も行う家庭が多いです。
こういったことをしていると、どんどん費用がかさみがちになります。塾なし中学受験はこういった金銭面の不安がかなりなくなる、相当におススメの方法です
子供に併せたフレキシブルな学習スケジュール
自宅学習の場合、子供自身のペースで学習を進めることができます。
学校の宿題や他の活動とのバランスを取りやすく、子供が学習に集中しやすい時間を選んで学習できるため、効率が上がることもあります。
特に多いことなんですが、大手塾の場合、基本的には全員同じカリキュラム、教育進度で授業が進みます
例えば、算数で言えば図形は得意なんだけど速度が苦手、とか子供によって得意不得意の単元があります
こういった子供の特徴に合わせて、苦手単元の克服、得意単元の強化、といった子供のレベルに合わせてフレキシブルに自由度が高いのは、大きなメリットです
親子のコミュニケーションの増加
一緒に学習する時間が増えることで、子供とのコミュニケーションが増え、親子関係がより密接になります。
これは子供の精神的な安定にも繋がり、学習へのモチベーションアップにもつながる可能性があります。
特に中学受験は、ほとんどの子供にとっては、周りの子のほうが賢くて自分が成績が上がらず、挫折感を味わい続けるしんどい作業になることが多いです。そういった時の心の支えになるのは、親に対する絶対的な信頼関係です
塾なし中学受験を行うとなると、子供と親が完全にパートナーとなって二人三脚で勉強を進めていくことになります
こういったプロセスを経ることで、親子間の会話が増えて、子供が追い込まれることが少なくなります
塾を使わず中学受験するデメリットは?

中学受験を自宅学習のみでする、すなわち塾を使わないで受験に挑戦する際には、いくつかデメリットが存在します。
以下で、その主な点を探ります。
中学受験情報の不足や親の調査の手間
塾に通う生徒は、日々の授業や塾からのフィードバックを通じて試験に関する最新の情報や傾向をキャッチできます。対して自宅学習の場合、試験の最新情報や出題傾向を自力で探り出す必要があり、それには相応の時間と労力が必要です。
基本的には親がすべての情報を取集する必要があり、これがかなり手間です。
実際にやってもらうと分かるのですが、各学校で公開している情報には大きな差があり、そういったものを比較して学校選定を選ぶ必要があります
また、例えば入試説明会などでは、実際にどういった単元の問題を入試問題として出題するか?傾向は?部分点を少しでも取るための回答方法は?なんて入試に役立つ情報を様々な形でリークしてくれる学校が多いです。
ただ塾内でこういった情報を集めようとすると、お父さんとお母さん、の両親が二人が総出で頑張っても、10個の学校について調べるのだけでも相当に大変です
その点、塾であれば直接学校から傾向などを聞いていることが多く、また学校の歴代の傾向なども分かっているので、こういったポイントを調べる必要があるのは、塾なし中学受験の大きなデメリットです
モチベーションの維持や仲間意識
塾では他の生徒との競争が自然と生まれ、これが学習の動機付けになります。一人で学習を進めるとき、特に困難な課題に直面した場合、モチベーションを維持するのが難しくなることがあります。
もちろん塾なし中学受験でも勉強の進度を図るために、各大手の進学塾が開催している公開模試を受験することは可能です
ただ、毎日の授業や小テストで日々競争しているのと、テストの偏差値だけで自分のレベルを確認するのでは、やる気の出具合が異なります。
また、同じ塾に通って同じ授業を受けているかどうか?ってことで、仲間意識が生まれるのも塾通いの大きなメリットです。
同じスクールバッグを持っている塾生を見て安心する、仲間意識が持てる、なんてのは、大手塾ならではです。こういった仲間が出来ないのが、塾なし中学受験のデメリットになります。
塾なし中学受験成功戦略①:6年生から塾をやめる

塾無し中学受験を成功させるための戦略の一つ目として、6年生からは塾をやめて塾なし中学受験に切り替えるって手段があります。
あんまり知られてない内容なのですが、じつはほとんどの単元は、4年生、5年生、6年生、と何度も同じことを難易度をちょっとずつ変えながら授業をしています
なので、例えば4年生、5年生、と2年間も塾に通って授業を受けていれば、ほとんどの単元は授業済なので、塾に通う必要はありません!
あとは、習った範囲について、ひたすら問題を解いて苦手をなくしていく作業なので、実は塾に通う必要はありません。
むしろ塾に通うことで自分の得意な単元にも時間を割くことになり、苦手を克服しないままになってしまうので、弊害も起こります
そういったことを考えると、大体の単元は大手塾で授業を受けて、6年生からは苦手単元の克服に全力で家庭で取り組む、なんてプランが塾なし中学受験の成功戦略の一つとして考えられます
これはそこまで無理が無いですし、要所要所で大手塾の志望校特訓だけ通う、とかアレンジをすることで、100万円近くの授業料削減につながるので、ぜひとも試してみてください
塾なし中学受験成功戦略②:最初から塾に頼らず市販教材で勉強する

2つ目の作戦として、本当に全く塾には頼らない、本気の塾なし中学受験があります。この戦略を最後までやり遂げようとすると、親のフォローが最大に必要なので、もしやるのであれば、親は少なくとも5年生6年生の2年間は、まったく飲み会にも行かず、全力で子供のフォローを行う、ぐらいの覚悟をもって、取り組んでください
大前提として、すべての単元は子供は習ったことがないことなので、親が教えていく必要があります。
教科書を与えておいて、勝手に読んで勝手に勉強して理解してくれ、なんて子供に要求するのは絶対にNGです。
基本的には早稲田アカデミーとか四谷大塚、日能研、といった大手塾であれば、基本的な範囲の教科書を市販で販売してくれています。また、塾通いしない子供向けに、そういった中学受験の教科書もいくつかの出版社から販売されています。
なので、そういった市販教材を購入する、親が教える。youtubeの教育チャンネルで勉強する。通信教育などを活用する
といった、いくつかの戦略を取る必要があります
どちらにせよ、親の負担がめちゃくちゃ大きいので、お金の節約を決めるのであれば、相当に頑張ってくださいね
塾なし中学受験の体験談を成功例や失敗例含めて紹介
成功体験談:佐藤家の場合
佐藤家の長女、愛子さんは、地元の名門私立中学への受験を塾に通わずに挑みました。
彼女の両親は、教育への熱心さと子供への信頼がその背景にあります。
特に母親の絵里さんは、かつて小学校教師であった経験を生かし、愛子さんの学習計画を緻密に立てました。
ちょうど下の兄弟の妊娠や出産などもアリ、専業主婦だったことも、塾なし中学受験を選択するのに大きかったですね。
また、インターネットで最新の入試情報や問題集、指導書を選び、質の高い学習材料を提供します。
具体的なカリキュラムは、週末には過去問を解く時間を多く取り、平日は基礎知識の強化に努めました。
この体系的な自宅学習と、定期的に行われた模試によって、愛子さんは入試に向けて着実に力をつけ、見事第一志望校に合格しました。
基本的には母親との二人三脚ですべてを乗り切った形になりますが、相当にしんどかったので、下の子供は、最初は塾に行かせようかと考えています。
失敗体験談:田中家の場合
次に、田中家の次男、健太くんの事例です。
健太くんもまた、親の判断で塾には通わず、家庭での自習で中学受験に臨むことになりました。
しかし、彼の場合、計画性に欠ける学習スタイルが影響し、十分な対策が取れていなかったことが合格を妨げました。
健太くんの母、美紀さんは仕事が忙しく、学習管理が難しかったこと、また健太くん自身も学習意欲が一定ではなく、具体的な目標設定に失敗したことが大きな原因です。
彼は得意科目の数学では高得点を取ることができましたが、国語や理科で苦戦し、結果的には第一志望校には及ばず、第三志望の中学に進学することになりました。
塾なし中学受験を選んだのは良いのですが、共働き家庭では、どうしても子供の勉強フォローは全力では出来ず、子供の自主性に任せることになってしまい、こういった不満足な結果になってしまいました。
分かってはいたことなのですが、想像していた大変さの3倍以上はメンタルがやられます。もし選択しようとするなら、相談相手がいないツラさも覚悟しておいてください
まとめ:塾なし中学受験は、親のサポート必須!
いかがでしたか?
塾なし中学受験について、ここでは簡単にまとめてきました
大手進学塾の説明会などに行くと、塾の通塾費用や夏期講習などのハードさを聞いて、腰が引けてしまい、安直に塾無し通学受験、家庭学習を考えてしまう家庭が多いようです。
その選択が間違いというわけではないのですが、本当に親が全力で子供の中学受験を最優先事項としてサポートする覚悟がありますか?ってことを、今一度考えてください
中学受験は親と子供の取り組み方次第で、良い経験になる家庭もあれば地獄のような3年間、下手したら中学校高校、とそのあとの人生に影を落とす結果になる可能性もあります。
もちろん合格不合格、という結果もそうなのですが、それ以上に子供の性格に影響を与える可能性があります。
塾なし中学受験を乗り切るには親の覚悟が必要なので、もし選択する場合はそこまで踏まえて乗り出してくださいね