「面積を求める問題なのに、長さが分からなくて手が止まる」「相似比が2:3なのに、面積比も2:3と答えてしまう」
面積比は、中学受験の算数の平面図形で、とてもよく出題される単元です。長さや高さが分からなくても、「比」を使うことで、図形の面積を求められるのが特ちょうです。相似や比の考え方と組み合わせて出題されることも多く、上位校では欠かせない単元です。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、面積比の3つの基本と、よく出る台形の問題を整理し、家での教え方をまとめました。
面積比の3つの基本
面積比の問題は、次の3つの基本で、ほとんど解けます。
- 高さが同じ三角形の面積比=底辺の比
- 相似な図形の面積比=相似比×相似比
- 1つの角を共有する三角形の面積比=その角をはさむ2辺の積の比
面積比は「底辺の比」「相似比×相似比」「2辺の積の比」の3つが基本です。
基本1:高さが同じ三角形

三角形の面積は「底辺×高さ÷2」です。高さが同じなら、面積は底辺の長さに比例します。
上の図で、三角形ABDと三角形ADCは、どちらも頂点Aから辺BCへの高さが同じです。そのため、BD:DC=2:3なら、面積比も2:3になります。
例題1:三角形ABCの面積は60cm²です。辺BC上に、BD:DC=2:3となる点Dをとりました。三角形ABDの面積を求めましょう。
面積比は2:3なので、三角形ABDは全体の5分の2です。60×2÷5=24cm²です。
高さが同じ三角形は、底辺の比がそのまま面積比になります。
基本2:相似な図形
相似な図形では、長さの比(相似比)がa:bのとき、面積比はa×a:b×bになります。面積は「たて×横」のように長さを2回かけるので、比も2回かけることになります。
例題2:相似な2つの三角形があり、相似比は2:3です。小さい三角形の面積が20cm²のとき、大きい三角形の面積を求めましょう。
面積比は、2×2:3×3=4:9です。小さい三角形の4にあたるのが20cm²なので、1にあたるのは5cm²です。大きい三角形は、5×9=45cm²です。
相似比が2:3なら、面積比は4:9。そのまま2:3としないように注意します。
基本3:1つの角を共有する三角形
2つの三角形が1つの角を共有しているとき、面積比は、その角をはさむ2辺の長さの積の比になります。
例題3:三角形ABCの辺AB上に点D、辺AC上に点Eがあり、AD:AB=1:2、AE:AC=2:3です。三角形ABCの面積が36cm²のとき、三角形ADEの面積を求めましょう。
三角形ADEと三角形ABCは、角Aを共有しています。面積は、三角形ABCの「2分の1×3分の2=3分の1」です。36÷3=12cm²です。
この考え方は、基本1を2回使うことでも確かめられます。DとCを結ぶと、三角形ADCは三角形ABCの2分の1で18cm²、三角形ADEは三角形ADCの3分の2で12cm²になります。
台形の対角線でできる4つの三角形
台形の2本の対角線を引くと、4つの三角形ができます。上の辺と下の辺が平行なので、上下の三角形は相似(ちょうちょ型)になります。
例題4:台形ABCDで、ADとBCは平行です。AD=4cm、BC=6cmで、対角線の交わる点をOとします。三角形AODの面積が8cm²のとき、台形全体の面積を求めましょう。
三角形AODと三角形COBは相似で、相似比はAD:BC=4:6=2:3です。面積比は4:9なので、三角形COBは8÷4×9=18cm²です。
また、AO:OC=2:3なので、高さが同じ三角形AODと三角形CODの面積比も2:3です。三角形CODは8÷2×3=12cm²です。同じように、三角形AOBも12cm²です。
台形全体は、8+12+18+12=50cm²です。
台形の4つの三角形は、上下の辺の比がa:bなら、面積比が a×a:a×b:b×b:a×b になります。
よくあるまちがいと対策
- 相似比をそのまま面積比にする:面積比は相似比を2回かける
- 高さが同じでない三角形で、底辺の比を使う:頂点が共通か、平行線にはさまれているかを確かめる
- 面積比から、すぐに面積を出そうとして混乱する:「比の1にあたる面積」を先に求める
- 台形の左右の三角形の面積がちがうと考える:左右の三角形の面積は等しい
家庭での教え方のコツ
方眼紙で三角形をかく
方眼紙に、高さが同じで底辺の長さがちがう三角形をかき、マス目を数えて面積を比べてみましょう。「底辺が2倍なら面積も2倍」が目で見て分かります。
相似な正方形を並べる
1辺1cmの正方形と1辺2cmの正方形をかいて比べると、長さは2倍でも面積は4倍になることが分かります。相似比と面積比のちがいを、体験で理解できます。
図に比を書きこむ
面積比の問題では、図に辺の比や面積の比を、丸囲みの数字のように書きこむ習慣をつけましょう。何が分かっていて、何を求めればよいかがはっきりします。
面積比のよくある質問
何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、5〜6年生ごろに、比と相似を学んだあとで取り組むことが多い単元です。小学校の算数では、6年生で比と拡大図・縮図を学びます。
相似の単元とどちらを先に学べばいいですか?
相似を先に学ぶのがおすすめです。相似の考え方で、ピラミッド型とちょうちょ型を確認してから、面積比に進みましょう。
比が苦手な場合はどうすればいいですか?
面積比は、比の計算がそのまま使われる単元です。比の基本と使い方で、比例配分や連比を先に確認しておきましょう。
面積比の家での進め方
- 高さが同じ三角形の面積比(例題1)
- 相似な図形の面積比(例題2)
- 1つの角を共有する三角形(例題3)
- 台形の対角線でできる4つの三角形(例題4)
練習問題にチャレンジ
問題1:三角形ABCの面積は48cm²です。辺BC上にBD:DC=3:1となる点Dをとりました。三角形ABDの面積を求めましょう。
問題2:相似比が3:5の2つの図形の、面積比を求めましょう。
問題3:三角形ABCで、AD:AB=2:3、AE:AC=3:4です(DはAB上、EはAC上)。三角形ABCの面積が60cm²のとき、三角形ADEの面積を求めましょう。
問題4:台形ABCDで、ADとBCは平行、AD=3cm、BC=6cmです。対角線の交点をOとし、三角形AODの面積が4cm²のとき、台形全体の面積を求めましょう。
答え
問題1:48×3÷4=36cm²です。
問題2:3×3:5×5=9:25です。
問題3:60×3分の2×4分の3=30cm²です。
問題4:上下の辺の比は1:2なので、4つの三角形の面積比は1:2:4:2です。4、8、16、8を合わせて36cm²です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:面積比は「3つの基本」で解く
面積比は、高さが同じなら底辺の比、相似なら相似比を2回かけた比、角を共有するなら2辺の積の比、という3つの基本で解けます。図に比を書きこみ、「比の1にあたる面積」を求めてから答えを出しましょう。
図形のほかの単元は、相似、図形の面積の求め方、比の基本で解説しています。算数全体の立て直しは中学受験の算数が苦手な原因と立て直し方も参考にしてください。