「ふりこの1往復の時間は、おもりを重くすると長くなると思っていた」「くぎにひっかかるふりこの問題で、どう計算すればいいか分からない」
ふりこは、中学受験の理科の物理分野で、よく出題される単元です。1往復する時間を決める条件を実験の表から読み取る問題や、長さと時間の関係を使う計算問題、おもりが物にぶつかる問題などが出ます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、ふりこの1往復する時間を決める条件、実験の比べ方、よく出る応用問題を整理し、家での覚え方をまとめました。
ふりこの基本
糸の先におもりをつけて、ゆらすようにしたものを「ふりこ」といいます。
- 支点:糸をとめている点
- ふりこの長さ:支点から、おもりの中心(重心)までの長さ
- ふれはば:おもりをはなした位置と、いちばん低い位置とのずれ
- 1往復する時間:おもりがはなした位置から動いて、また元の位置にもどってくるまでの時間(周期)
1往復する時間を決める条件

ふりこの1往復する時間は、ふりこの長さだけで決まります。
| 条件 | 1往復する時間 |
|---|---|
| ふりこの長さを長くする | 長くなる |
| おもりの重さを重くする | 変わらない |
| ふれはばを大きくする | 変わらない(ふれはばが小さいとき) |
ふりこの1往復する時間は「長さ」だけで決まります。重さやふれはばでは変わりません。
長さと1往復する時間の関係
ふりこの長さと1往復する時間には、次のような関係があります。
| ふりこの長さ | 25cm | 50cm | 100cm | 225cm |
|---|---|---|---|---|
| 1往復する時間 | 約1.0秒 | 約1.4秒 | 約2.0秒 | 約3.0秒 |
長さが4倍になると時間は2倍、長さが9倍になると時間は3倍になります。つまり、「同じ数を2回かけた数」倍の長さで、時間がその数倍になります。
長さ4倍で時間2倍、長さ9倍で時間3倍。長さを2倍にしても、時間は2倍にはなりません。
例題1:長さ25cmのふりこの1往復する時間が1.0秒のとき、1往復する時間が2.0秒になるふりこの長さは何cmですか。
時間を2倍にするには、長さを2×2=4倍にします。25×4=100cmです。
条件をそろえた実験
ふりこの実験では、調べたい条件だけを変え、それ以外の条件はそろえて比べます。
| ふりこ | 長さ | おもりの重さ | ふれはば | 1往復する時間 |
|---|---|---|---|---|
| ア | 50cm | 20g | 10° | 約1.4秒 |
| イ | 50cm | 40g | 10° | 約1.4秒 |
| ウ | 100cm | 20g | 10° | 約2.0秒 |
| エ | 50cm | 20g | 20° | 約1.4秒 |
例題2:上の表で、おもりの重さと1往復する時間の関係を調べるには、どれとどれを比べればよいですか。
重さだけがちがうアとイを比べます。時間が同じなので、おもりの重さでは1往復する時間は変わらないことが分かります。
時間を正確にはかる工夫
1往復の時間は短いので、そのままはかると誤差が大きくなります。そこで、10往復する時間をはかって10でわり、さらに何回かはかって平均を出します。
おもりのつなぎ方に注意
おもりを2個にするとき、糸の先に縦につなげると、おもり全体の中心が下がり、ふりこの長さが長くなります。重さの影響だけを調べるときは、おもりを同じ位置に横に並べるようにつるします。
おもりを縦につなぐと「長さ」が変わってしまいます。重さを調べるときは同じ位置につるします。
くぎにかかるふりこ
支点の真下にくぎを打つと、おもりが真ん中を過ぎたところで糸がくぎにかかり、短いふりことしてふれます。
例題3:長さ100cm(1往復2.0秒)のふりこで、支点の真下75cmのところにくぎを打ちました。このふりこが1往復する時間は何秒ですか。ただし、長さ25cmのふりこは1往復1.0秒とします。
片側は長さ100cmのふりことして半往復(1.0秒)、反対側はくぎから先の長さ25cmのふりことして半往復(0.5秒)します。合わせて1.0+0.5=1.5秒です。
おもりの速さと衝突
ふりこのおもりは、いちばん低い位置で最も速くなります。また、おもりは、はなした高さと同じ高さまで上がります。
おもりを木片などにぶつける実験では、次のことが分かります。
- はなす高さを高くすると、おもりの速さが速くなり、木片は遠くまで動く
- おもりを重くすると、木片は遠くまで動く
1往復する時間には重さは関係ありませんが、物を動かすはたらきには、重さも速さも関係します。区別して覚えましょう。
よくあるまちがいと対策
- おもりを重くすると1往復の時間が長くなると答える:時間は長さだけで決まる
- 長さを2倍にすると時間も2倍と考える:時間を2倍にするには長さ4倍
- ふりこの長さを、支点から糸のはしまでと考える:支点から、おもりの中心まで
- くぎの問題で、両側を同じ長さのふりことして計算する:半往復ずつ別々に考える
家庭での覚え方のコツ
5円玉と糸でふりこを作る
5円玉や小さなおもりを糸につるして、ふりこを作ってみましょう。糸の長さを変えたり、5円玉の枚数を変えたりして、10往復の時間をはかって比べると、「長さだけで決まる」ことが自分で確かめられます。
ブランコで考える
公園のブランコは、大きなふりこです。大人と子どもが乗っても、ゆれる速さ(1往復の時間)はほとんど変わらないことを、親子で話してみてください。
表の読み取りを練習する
ふりこの問題は、実験の表を読み取る形がほとんどです。「どの条件がちがう?」「時間は変わった?」と、1列ずつ確認する練習をしましょう。
ふりこのよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、5年生でふりこの運動を学びます。中学受験向けの教材では、5〜6年生ごろに学び、てこやばねと並ぶ物理分野の重要単元です。
計算問題はどのくらい出ますか?
長さと時間の関係(4倍で2倍、9倍で3倍)や、くぎにかかるふりこの計算はよく出ます。まずは表の数字を覚え、比で考えられるようにしましょう。
ほかの物理の単元とどうつながりますか?
「条件をそろえて比べる」実験の考え方は、電磁石など、ほかの単元でも使います。てこのつり合いやばねののびもあわせて確認しましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:ふりこの1往復する時間を長くするには、どうすればよいですか。
問題2:長さ50cmのふりこのおもりを、20gから60gに変えると、1往復する時間はどうなりますか。
問題3:長さ25cmで1往復1.0秒のふりこを、1往復3.0秒にするには、長さを何cmにすればよいですか。
問題4:長さ225cm(1往復3.0秒)のふりこで、支点の真下125cmのところにくぎを打ちました。1往復する時間は何秒ですか。ただし、長さ100cmのふりこは1往復2.0秒とします。
答え
問題1:ふりこの長さを長くします。
問題2:変わりません。
問題3:時間を3倍にするには長さを3×3=9倍にします。25×9=225cmです。
問題4:片側は225cmのふりこで半往復1.5秒、反対側はくぎから先の100cmのふりこで半往復1.0秒です。合わせて2.5秒です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:ふりこは「長さだけで決まる」
ふりこの1往復する時間は、ふりこの長さだけで決まり、おもりの重さやふれはばでは変わりません。長さが4倍で時間は2倍、9倍で3倍です。実験では条件をそろえて比べ、くぎにかかるふりこは半往復ずつ分けて考えましょう。