「凸レンズの像の問題になると、大きくなるのか小さくなるのか分からない」「音の高さと音の大きさのちがいを、うまく説明できない」
光と音は、中学受験の理科の物理分野で、よく出題される単元です。光の反射や屈折、凸レンズでできる像、音の伝わり方や高さ・大きさなど、身近な現象を理由とともに説明する力が問われます。かみなりまでのきょりを求めるような計算問題も出ます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、光の3つの性質、凸レンズ、音の性質を整理し、家での覚え方をまとめました。
光の3つの性質
光には、次の3つの性質があります。
- 直進:光はまっすぐに進む(かげができるのはこのため)
- 反射:鏡などに当たると、はね返る
- 屈折:空気から水、水から空気など、ちがう物質の境目をななめに進むと、折れ曲がる
光は「直進・反射・屈折」。この3つの性質で、身のまわりの多くの現象が説明できます。
光の反射

鏡に当たった光は、「入射角=反射角」となるようにはね返ります。入射角は、鏡に垂直な線と、入ってくる光がつくる角です。
鏡にうつる像
鏡にうつって見える物(像)は、鏡をはさんで、物と対称な位置にあるように見えます。鏡から物までのきょりと、鏡から像までのきょりは同じです。
鏡の像は「鏡をはさんで対称の位置」。全身をうつすのに必要な鏡のたての長さは、身長の半分です。
日光を鏡ではね返す
鏡ではね返した日光を重ねると、重ねた枚数が多いほど、明るく、あたたかくなります。
光の屈折
光が空気から水やガラスへななめに進むとき、境目で折れ曲がります。空気から水に入るときは、境目に垂直な線に近づくように曲がります。
水の中のものが浮き上がって見えたり、コップに入れたストローが折れて見えたりするのは、光の屈折のためです。
凸レンズ
虫めがねのような、まん中がふくらんだレンズを凸レンズといいます。凸レンズは、光を屈折させて1点に集めます。この点を「焦点」、レンズの中心から焦点までのきょりを「焦点きょり」といいます。
凸レンズでできる像は、物を置く位置によって変わります。
| 物を置く位置 | スクリーンにうつる像 |
|---|---|
| 焦点きょりの2倍より遠い | 実物より小さい、上下左右が逆の像 |
| 焦点きょりの2倍の位置 | 実物と同じ大きさ、上下左右が逆の像 |
| 焦点きょりの2倍と焦点の間 | 実物より大きい、上下左右が逆の像 |
| 焦点より近い | スクリーンにはうつらない(レンズをのぞくと、大きく同じ向きに見える) |
物が焦点に近づくほど、像は大きく、レンズから遠くにできます。焦点より内側では、虫めがねのように大きく見えます。
例題1:焦点きょり10cmの凸レンズから20cmのところに物を置きました。スクリーンにうつる像は、どのような像ですか。
20cmは焦点きょりの2倍なので、実物と同じ大きさで、上下左右が逆の像がうつります。
音の性質
音の伝わり方
音は、物がふるえる(振動する)ことで生まれ、そのふるえがまわりの空気や水、物を伝わって耳にとどきます。
- 空気・水・金属などの中を伝わる
- 空気のない真空の中では伝わらない
- 空気中を伝わる速さは、秒速約340m(光の速さは秒速約30万kmで、音よりはるかに速い)
- 水中や金属の中では、空気中より速く伝わる
音の大きさと高さ
- 音の大きさ:ふるえ方(ふれはば)が大きいほど、大きな音になる
- 音の高さ:1秒間にふるえる回数が多いほど、高い音になる
弦(げん)の場合、次のようにすると高い音が出ます。
- 弦を短くする
- 弦を細くする
- 弦を強くはる
大きさは「ふれはば」、高さは「ふるえる回数」。弦は「短く・細く・強くはる」と高い音になります。
音の速さの計算
例題2:かみなりが光ってから、3秒後に音が聞こえました。かみなりまでのきょりは約何mですか。音の速さは秒速340mとします。
光はほぼ一瞬でとどくので、音が3秒かかったと考えます。340×3=1020mです。約1020mです。
例題3:山に向かって大きな声を出したら、4秒後にこだまが聞こえました。山までのきょりは何mですか。音の速さは秒速340mとします。
こだまは、山まで行って返ってきた音です。音が進んだきょりは340×4=1360mで、往復なので、山までは1360÷2=680mです。
光の進み方とかげ
光は直進するので、光をさえぎるものがあると、その後ろにかげができます。光源(電球など)とものとのきょりを変えると、かげの大きさが変わります。
- ものを光源に近づける:かげは大きくなる
- ものを光源から遠ざける(スクリーンに近づける):かげは小さくなる
また、光が通りぬける物(ガラスや水など)と、通りぬけない物(木や金属など)があります。
例題4:電球とかべの間に立って、自分のかげをかべにうつしました。電球に近づくと、かげの大きさはどうなりますか。
かげは大きくなります。
よくあるまちがいと対策
- 入射角を鏡の面からの角度で考える:入射角は「鏡に垂直な線」からの角度
- こだまの問題で、往復を2でわり忘れる:図に行きと帰りの矢印をかく
- 音の大きさと高さを混ぜる:「大きさ=ふれはば、高さ=回数」
- 凸レンズの像の向きをまちがえる:スクリーンにうつる像は上下左右が逆
家庭での覚え方のコツ
手鏡で反射を確かめる
手鏡で日光をはね返し、かべに光を当ててみましょう(人の目に当てないように注意)。鏡の角度を変えると光の向きが変わり、入射角と反射角の関係が実感できます。
コップの水で屈折を見る
水を入れたコップにストローやはしを入れ、横から見てみてください。折れて見えるようすから、屈折を目で確かめられます。
輪ゴムで音の高さを調べる
輪ゴムを箱にかけて指ではじき、引っぱり方を変えて音の高さを比べてみましょう。強くはると高い音になることが、自分の耳で分かります。
光と音のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、3年生で光の性質(日光の反射や集め方)と音の性質を学びます。凸レンズの像や屈折は、中学受験では応用として、5〜6年生ごろに学ぶことが多い内容です。
凸レンズの作図も必要ですか?
上位校では、光の道すじを作図する問題が出ることもあります。まずは表の内容を確実にしてから、参考書の作図問題に進みましょう。
計算問題は多いですか?
音の速さの計算(かみなり・こだま)はよく出ます。速さの考え方がそのまま使えるので、速さの基本とあわせて練習すると効果的です。
練習問題にチャレンジ
問題1:鏡に入射角40°で光が当たりました。反射角は何度ですか。
問題2:弦をはじいたとき、より高い音を出すには、弦の長さをどうすればよいですか。
問題3:かみなりが光ってから5秒後に音が聞こえました。かみなりまでのきょりは何mですか。音の速さは秒速340mとします。
問題4:焦点きょり10cmの凸レンズから30cmのところに物を置くと、スクリーンにうつる像の大きさは、実物と比べてどうなりますか。
答え
問題1:40°です(入射角=反射角)。
問題2:短くします。
問題3:340×5=1700mです。
問題4:焦点きょりの2倍(20cm)より遠いので、実物より小さくなります。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:光は「3つの性質」、音は「ふるえ」で考える
光は直進・反射・屈折の3つの性質で、身のまわりの現象を説明できます。凸レンズの像は、物と焦点の位置関係で大きさが変わります。音は物のふるえで生まれ、大きさはふれはば、高さはふるえる回数で決まります。かみなりやこだまの計算は、速さの考え方で解きましょう。