塾なし中学受験の家庭向け勉強法:比を教えます!比の性質・比例配分・連比・逆比の解き方

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「割合はなんとか分かったのに、比になるとまた分からなくなる」「①や②の丸数字が出てくると、何を表しているのか混乱する」

比は、中学受験の算数で最も大事な道具の一つです。速さ、図形、食塩水、仕事算など、5〜6年生で学ぶ多くの単元が「比で考えると速く、正確に解ける」ようになっています。逆に、比があやふやだと、そのあとの単元すべてで遠回りの解き方しかできなくなります。

この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、比の基本、比を簡単にする方法、比例配分、比の文章題、連比、逆比までを、順番にまとめました。割合の考え方をひと通り学んだあとに読むと、つながりがよく分かります。

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目次

比とは?割合とのちがい

比は、2つ以上の量の関係を「3:2」のように表したものです。「兄と弟の持っているお金の比は3:2」と言えば、兄が3つ分のとき、弟は2つ分持っている、という意味です。

割合は「もとにする量を1とする」考え方でした。比は、もとにする量を決めずに、「それぞれがいくつ分か」を並べて表します。

たとえば、兄が900円、弟が600円持っているとき、

  • 割合で表すと:弟をもとにすると、兄は弟の1.5倍
  • 比で表すと:兄:弟=900:600=3:2

どちらも同じ関係を表していますが、比を使うと、整数だけで関係を表せるので、計算がすっきりします。

比は「それぞれが何個分か」を表したもの。①(丸1つ)の大きさが分かれば、全部の量が分かります。

比の性質と、比を簡単にする方法

比には、次の大事な性質があります。

  • 比の両方に同じ数をかけても、比は変わらない(3:2=6:4)
  • 比の両方を同じ数で割っても、比は変わらない(6:4=3:2)

この性質を使って、比をできるだけ小さい整数で表すことを「比を簡単にする」といいます。

整数の比

18:24は、両方を6で割って3:4です。両方の数の最大公約数で割ると、一回で簡単にできます。

小数の比

0.6:0.9は、まず両方を10倍して6:9にし、3で割って2:3です。

分数の比

2分の1:3分の1は、両方に分母の最小公倍数の6をかけて、3:2です。

分数の比は、まちがえやすいところです。「分母どうしの比」にしてしまい、2:3と答える子がよくいます。2分の1と3分の1では、2分の1の方が大きいので、比も左が大きくなるはずです。答えを出したら、「どっちが大きい?」と確かめる習慣をつけてください。

比の値

比の値は、「A:B」のとき、A÷Bで表される数です。3:4の比の値は、3÷4=0.75(4分の3)です。比の値が等しい比は、等しい比です。比の値は割合と同じ考え方なので、割合の学習とつなげて確認しておくと理解が深まります。

比例配分:合計を比で分ける

例題1:兄と弟の持っているお金の比は3:2で、2人合わせて1500円です。兄と弟はそれぞれ何円持っていますか。

比の線分図。兄は丸3つ、弟は丸2つで、合わせて1500円

兄を③、弟を②と考えると、合わせて③+②=⑤が1500円にあたります。

  • ①にあたる量:1500÷5=300円
  • 兄:300×3=900円
  • 弟:300×2=600円

確かめると、900+600=1500円、900:600=3:2で合っています。

このように、合計を決まった比に分けることを「比例配分」といいます。ポイントは、いきなり兄の金額を出そうとせず、まず①の大きさを求めることです。

比の問題は、まず「①がいくつか」を求める。これが基本の流れです。

比の文章題:差がかかわる問題

例題2:兄と弟の持っているお金の比は5:3です。兄が弟に200円あげると、2人の持っているお金は同じになりました。はじめに兄は何円持っていましたか。

兄を⑤、弟を③とします。2人の合計⑧は、お金をあげたりもらったりしても変わりません。同じになったとき、2人はそれぞれ⑧÷2=④ずつです。

兄は⑤から④になったので、①を弟にあげたことになります。その①が200円です。

  • ①=200円
  • 兄のはじめのお金:200×5=1000円
  • 弟のはじめのお金:200×3=600円

確かめると、兄は1000-200=800円、弟は600+200=800円で同じになります。

この問題では、「合計が変わらない」ことに気づけるかがポイントです。和差算で学んだ「あげると同じになる」問題と同じ場面ですが、比を使うと、①の大きさから一気に答えが出せます。

連比:3つの量の比をまとめる

例題3:A:B=2:3、B:C=4:5のとき、A:B:Cを最も簡単な整数の比で表しなさい。

2つの比に共通しているのはBです。でも、1つ目の比ではBが3、2つ目の比ではBが4で、そろっていません。そこで、Bを3と4の最小公倍数の12にそろえます。

  • A:B=2:3 → 両方を4倍して8:12
  • B:C=4:5 → 両方を3倍して12:15

Bが12でそろったので、A:B:C=8:12:15です。

このように、3つ以上の量をまとめた比を「連比」といいます。共通する量を最小公倍数でそろえるのがコツです。家で教えるときは、表をかいて、Bの列に「3」と「4」を書き、それを12にそろえる様子を見せると分かりやすくなります。

ABC
1つ目の比23
2つ目の比45
Bを12にそろえる81215

逆比:反比例の関係を比で表す

例題4:家から駅まで、分速60mで歩くと、分速40mで歩くより5分早く着きます。家から駅までの道のりは何mですか。

同じ道のりを進むとき、速さと時間は反比例します。速さが2倍になれば、時間は半分になる、という関係です。

速さの比は、60:40=3:2です。道のりが同じなので、時間の比は、速さの比を逆にした2:3になります。このように、比の左右を入れかえたものを「逆比」といいます。

  • 時間の比:分速60mのとき②、分速40mのとき③
  • 差の①が5分にあたる
  • 分速60mのときの時間:5×2=10分
  • 道のり:60×10=600m

確かめると、分速40mでは600÷40=15分かかり、10分より5分多いので合っています。

道のりが同じなら、速さの比と時間の比は逆になります(逆比)。

逆比は、速さの問題だけでなく、てこのつり合いや、面積が同じ長方形のたてと横など、いろいろな単元で使います。最初は「速さが速いほど、時間は短い」という当たり前のことを、比で表しているだけだと説明してあげてください。

家庭での教え方のコツ

①を「1つ分のかたまり」として見せる

比の丸数字がピンとこない子には、おはじきやブロックを使うのがおすすめです。兄に3つ、弟に2つ置き、「全部で1500円だから、1つ分はいくら?」と聞いてみてください。目に見える「かたまり」として比を扱えると、①の意味が分かります。

割合との行き来を練習する

「AはBの1.5倍」を「A:B=3:2」に、「A:B=3:4」を「AはBの4分の3」に、というように、割合と比を言いかえる練習をしておくと、問題文がどちらの形で書かれていても対応できます。

何が変わらないかに注目する

例題2の「合計が変わらない」、和差算や年齢算の「差が変わらない」のように、比の文章題では「変わらないもの」を見つけると解ける問題が多くあります。問題を読んだら、「この問題で変わらないものは何?」と聞いてみてください。

図形の比は、基本ができてから

比は、図形(相似や面積比)でも大活躍します。ただし、図形の比は、比そのものの理解に加えて、図形の性質の知識も必要です。この記事の内容が身についてから、図形の比に進むと、つまずきにくくなります。

比は何年生で?家での進め方

比は、小学校の授業では6年生で学ぶ単元です。中学受験向けの教材では、5年生ごろから比を使った解き方が出てくることが多く、学校より早めに学ぶことになります。

塾なしで進める場合は、次の順番がおすすめです。

  1. 比の意味と、比を簡単にする方法(整数・小数・分数)
  2. 比例配分(例題1)
  3. 比の文章題(例題2)
  4. 連比(例題3)
  5. 逆比(例題4)と、速さの問題への応用

それぞれの段階で、1日2〜3問を目安に進めてください。とくに1番目の「比を簡単にする」は、計算練習として毎日少しずつ続けると、そのあとの単元がずっと楽になります。

練習問題にチャレンジ

問題1:2.4:3.6を最も簡単な整数の比にしなさい。

問題2:2400円を、A、B、Cの3人で1:2:3の比に分けます。Cは何円もらえますか。

問題3:A:B=3:4、B:C=6:5のとき、A:B:Cを最も簡単な整数の比で表しなさい。

答え

問題1:両方を10倍して24:36。12で割って2:3です。

問題2:1+2+3=6が2400円にあたるので、①は2400÷6=400円。Cは400×3=1200円です(Aは400円、Bは800円で、合計2400円)。

問題3:Bを4と6の最小公倍数の12にそろえます。A:B=3:4=9:12、B:C=6:5=12:10なので、A:B:C=9:12:10です。

問題3は、Bの数字が「4」と「6」で、最小公倍数が24ではなく12になる点に注意しましょう。かけ算だけでそろえると、もっと大きな数になってしまい、最後に簡単にする手間が増えます。

練習プリント(無料)

この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。

まとめ:比は「①の大きさ」を求める道具

比は、それぞれの量が「何個分か」を表したものです。比を簡単にする、①の大きさを求める、共通する量をそろえる(連比)、逆にする(逆比)。この4つの動きができれば、比の基本は身についています。

比は、速さ・図形・食塩水など、中学受験の算数の多くの単元で使う道具です。家庭では、おはじきなどで「1つ分のかたまり」を実感させ、割合との言いかえを練習しながら、少しずつ使いこなせるようにしていきましょう。

比の前に学ぶ割合は割合の3つの式と帯図、売買損益まで、「あげると同じになる」問題は和差算の解き方、速さの基本は旅人算の解き方で解説しています。

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