「3人で分ける問題で、だれを基準にすればいいか分からない」「○倍より20少ない、という条件になると、線分図がかけない」
分配算は、中学受験の算数の文章題で、和差算と並んで基本となる単元です。全体の量を、「何倍」や「何円多い」といった条件で分けるときに、それぞれの量を求めます。お金の分け方、年齢、長さなど、いろいろな問題で使われます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、分配算の基本の考え方、線分図のかき方、よく出るパターンの解き方をまとめました。
分配算の基本の考え方
分配算は、次の手順で解きます。
- いちばん少ない量(基準になる量)を「1」とする
- ほかの量を、「1の何倍」と「何円多い(少ない)」で表す
- 合計から「多い・少ない」の部分を調整して、「1がいくつ分」かにそろえる
- わり算で「1にあたる量」を求める
分配算は「いちばん少ない量を1」にして、合計を「1がいくつ分」にそろえます。
3人で分ける基本の問題

例題1:1000円を、A・B・Cの3人で分けます。AはBより200円多く、CはBの2倍になるようにします。それぞれ何円になりますか。
いちばん少ないBを1とします。Aは「1+200円」、Cは「2」です。合計は、1+1+2=4つ分と200円です。
4つ分にあたるのは、1000-200=800円です。1にあたる量は、800÷4=200円で、これがBです。Aは200+200=400円、Cは200×2=400円です。
確かめると、200+400+400=1000円で、合っています。
「○多い」が続く問題
例題2:2200円を、A・B・Cの3人で分けます。AはBより300円多く、BはCより200円多くなるようにします。それぞれ何円になりますか。
いちばん少ないのはCです。Cを1とすると、Bは「1+200円」、Aは「1+200円+300円」=「1+500円」です。
合計は、1が3つと、200+500=700円です。3つ分にあたるのは、2200-700=1500円で、1にあたる量は1500÷3=500円です。
Cは500円、Bは700円、Aは1000円です。
「AはBより」「BはCより」とつながるときは、いちばん少ない人から順に、線分図を積み上げてかきます。
「○倍より○多い・少ない」問題
例題3:900円を、AとBの2人で分けます。AがBの3倍より100円多くなるようにします。それぞれ何円になりますか。
Bを1とすると、Aは「3+100円」です。合計は、1+3=4つ分と100円です。4つ分にあたるのは900-100=800円で、1にあたる量は800÷4=200円です。Bは200円、Aは200×3+100=700円です。
例題4:父と子の年齢の合計は48才です。父の年齢は、子の年齢の4倍より2才少ないそうです。それぞれ何才ですか。
子を1とすると、父は「4-2才」です。合計は、1+4=5つ分から2才少ない量です。5つ分にあたるのは、48+2=50才で、1にあたる量は50÷5=10才です。子は10才、父は10×4-2=38才です。
「少ない」ときは、合計に足して「1がいくつ分」にそろえます。「多い」なら引き、「少ない」なら足す、と覚えます。
線分図のかき方のコツ
- 基準になる量(1)を、いちばん上に短い線でかく
- ほかの量は、1の何倍かの長さでかき、多い分は線をのばし、少ない分は点線で消す
- 線分図のはしをそろえて、多い・少ないの部分が目で見て分かるようにする
- 右側に、合計を大かっこでまとめて書く
線分図をていねいにかくと、「足すのか、引くのか」で迷うことがなくなります。
いちばん少ない量が分からないとき
条件によっては、だれがいちばん少ないかがすぐに分からないこともあります。そのときは、条件を1つずつ線分図にかいてから、いちばん短い線を1にします。
例題5:1200円を、A・B・Cで分けます。AはCより100円少なく、BはAの2倍です。それぞれ何円になりますか。
AはCより少なく、BはAの2倍なので、いちばん少ないのはAです。Aを1とすると、Bは2、Cは「1+100円」です。合計は4つ分と100円なので、1にあたる量は(1200-100)÷4=275円です。Aは275円、Bは550円、Cは375円です。
基準にする人が分からないときは、条件を全部線分図にしてから決めます。
よくあるまちがいと対策
- 基準を、いちばん多い量にしてしまう:いちばん少ない量を1にすると、引き算が少なくなる
- 「少ない」ときに、合計から引いてしまう:少ない分は足してそろえる
- 1にあたる量を求めたあと、答えをそのまま全員分にしてしまう:それぞれの量を計算し直す
- 確かめ算をしない:合計が問題の数と合うか確かめる
家庭での教え方のコツ
おかしを分けてみる
おかしやおはじきを使って、「お兄ちゃんは弟より3個多く」のように、実際に分けてみましょう。「先に多い分をよけてから、同じ数ずつ分ける」という手順が、手で分かります。
線分図を親子でかく
問題文を1文ずつ読みながら、線分図に書きこんでいく練習をしてください。親が読み上げ、子どもがかく、という分担も効果的です。
和差算とつなげる
2人で分けて「Aが○多い」だけの問題は、和差算そのものです。和差算に「何倍」が加わったものが分配算、と考えると、学習がつながります。
分配算のよくある質問
何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、4〜5年生ごろに学ぶことが多い単元です。和差算を学んだあとに取り組むと、スムーズに理解できます。
和差算とのちがいは何ですか?
和差算は「和と差」だけの問題、分配算は「何倍」の条件もふくむ問題です。基本の考え方は和差算の線分図と同じなので、先に確認しておきましょう。
比を使って解くこともできますか?
はい、「何倍」の関係は比で表すこともできます。比の基本に慣れてくると、比例配分として速く解ける問題もあります。
練習問題にチャレンジ
問題1:50個のあめを、AとBで分けます。AがBより8個多くなるようにすると、それぞれ何個になりますか。
問題2:900円を、A・B・Cで分けます。AはBの2倍、CはBより100円多くなるようにすると、それぞれ何円になりますか。
問題3:140cmのひもを、AとBの2本に切ります。AがBの3倍より20cm短くなるようにすると、それぞれ何cmになりますか。
問題4:1500円を、A・B・Cで分けます。AはBより100円多く、BはCより100円多くなるようにすると、それぞれ何円になりますか。
答え
問題1:Bは(50-8)÷2=21個、Aは29個です。
問題2:Bは(900-100)÷4=200円、Aは400円、Cは300円です。
問題3:Bは(140+20)÷4=40cm、Aは40×3-20=100cmです。
問題4:Cは(1500-300)÷3=400円、Bは500円、Aは600円です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:分配算は「少ない量を1」にそろえる
分配算は、いちばん少ない量を1とし、ほかの量を「何倍」と「何多い・少ない」で表して、合計を「1がいくつ分」にそろえて解きます。多い分は合計から引き、少ない分は合計に足します。線分図をていねいにかき、確かめ算をする習慣をつけましょう。