「中部地方の北陸・中央高地・東海で、それぞれ何がさかんなのか混ざってしまう」「京浜工業地帯と京葉工業地域のちがいが分からない」
関東地方と中部地方は、中学受験の社会の地理で、工業・農業・都市の問題としてよく出題される地域です。特に中部地方は、北陸・中央高地・東海の3つの地域で、気候も産業も大きくちがうので、地域ごとに分けて覚えることが大切です。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、関東地方と中部地方の特色を整理し、覚え方をまとめました。なお、生産量の順位や割合は年によって変わることがあります。最新の数字は資料集で確認してください。
関東地方の自然
- 関東平野:日本でいちばん広い平野
- 利根川:流域面積が日本でいちばん大きい川
- 関東ローム:火山灰が積もってできた赤土の層。台地に広がる
関東地方の農業
関東地方では、大都市の近くで野菜や花などを作る近郊農業がさかんです。大消費地に近いので、新鮮なうちに、輸送費をおさえて出荷できます。
- 千葉県・茨城県:野菜の生産がさかん
- 群馬県の嬬恋村:夏でもすずしい高原で、キャベツなどを作る高原野菜
近郊農業は「大都市の近く」で「新鮮なうちに出荷」できるのが強みです。
関東地方の工業

| 工業地帯・地域 | 場所 | 特色 |
|---|---|---|
| 京浜工業地帯 | 東京都・神奈川県 | 機械工業のほか、出版・印刷業がさかん |
| 京葉工業地域 | 千葉県の東京湾岸 | 石油化学・鉄鋼などの重化学工業 |
| 北関東工業地域 | 群馬県・栃木県・茨城県 | 高速道路ぞいに工場が進出。自動車・電気機械など |
東京への集中
東京には、国会や中央官庁、大企業の本社、大学などが集まっています。
- 周辺の県から東京へ通勤・通学する人が多く、東京の都心部は、夜間人口より昼間人口がずっと多い
- 人口や機能が東京に集中しすぎることが課題になっている
- 政治・経済・文化の中心として、多くの情報や人が集まっている
- 都市部では、気温が周辺より高くなるヒートアイランド現象も起こっている
例題1:東京都の都心部で、昼間人口が夜間人口より多いのはなぜですか。
周辺の県などから、多くの人が通勤や通学のために東京の都心部に来るからです。
中部地方は3つの地域に分ける
| 地域 | 気候 | 主な産業 |
|---|---|---|
| 北陸 | 冬に雪が多い(日本海側の気候) | 米づくり、地場産業・伝統産業 |
| 中央高地 | 夏と冬の気温差が大きく、雨が少ない | 高原野菜、果物、精密機械・電子部品 |
| 東海 | 冬も比較的あたたかい(太平洋側の気候) | 自動車などの工業、茶・みかん、電照菊 |
中部地方は「北陸・中央高地・東海」。気候のちがいが、産業のちがいにつながっています。
北陸
- 冬は雪が多く、田で米しか作れない水田単作の地域が多い。越後平野(信濃川)などで米づくりがさかん
- 冬の副業から発達した地場産業・伝統産業:輪島塗(石川県)、めがねフレーム(福井県鯖江市)、金属洋食器(新潟県燕市)など
- 富山県の黒部川などでは、豊かな水を生かした水力発電
- 富山県の売薬(置き薬)も、古くから知られる産業
中央高地
- 飛驒山脈・木曽山脈・赤石山脈は、日本アルプスとよばれる
- 夏でもすずしい高原で、レタス・キャベツなどの高原野菜を作る。長野県の野辺山原が有名
- 甲府盆地(山梨県)では、扇状地を生かしたぶどう・ももの栽培がさかん
- 諏訪湖のまわりでは、時計やカメラなどの精密機械工業が発達し、のちに電子部品の工業もさかんになった
東海
- 中京工業地帯:愛知県を中心に、自動車工業がさかん。豊田市が有名
- 東海工業地域:静岡県の浜松市でオートバイや楽器、富士市で製紙・パルプ
- 静岡県の牧ノ原では茶、日当たりのよい斜面ではみかん
- 愛知県の渥美半島では、夜に電灯で照らして開花を調整する電照菊
- 濃尾平野の木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)の下流には、堤防で囲まれた輪中がある
例題2:渥美半島で、菊に夜も電灯を当てるのはなぜですか。
菊は日照時間が短くなると花をさかせる性質があるので、電灯で照らして開花をおくらせ、出荷の時期を調整するためです。
関東・中部地方の世界遺産と観光
関東地方と中部地方には、世界遺産に登録された場所があります。
- 日光の社寺(栃木県):江戸幕府を開いた徳川家康をまつる日光東照宮など
- 富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県):明治時代に、生糸の生産のためにつくられた官営工場
- 白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県・富山県):雪が多い地域に合わせた、急な屋根の家
- 富士山(山梨県・静岡県):信仰の対象と芸術の源泉として登録
世界遺産は、その地域の歴史や自然とあわせて覚えると、歴史や気候の問題にも生かせます。
よくあるまちがいと対策
- 京浜と京葉を混ぜる:京葉は千葉県の東京湾岸で、石油化学・鉄鋼
- 中部地方をひとまとめに覚える:北陸・中央高地・東海に分ける
- 高原野菜を冬に作ると考える:夏のすずしい気候を生かして作る
- 電照菊の目的を「早くさかせる」と考える:開花をおくらせて時期を調整する
家庭での覚え方のコツ
地図に3色でぬり分ける
中部地方の白地図を、北陸・中央高地・東海の3色でぬり分け、それぞれの産業を書きこみましょう。地域のちがいがひと目で分かります。
身近な製品の産地を調べる
家にあるめがね、スプーン、楽器などの産地を調べてみてください。地場産業が身近なものになります。
通勤・通学の話をする
家族の通勤や通学の経路を例に、昼間人口と夜間人口の話をしてみましょう。都市の特色が実感できます。
関東・中部地方のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の社会では、5年生で日本の国土や産業を学びます。中学受験向けの教材では、5年生ごろに地方別の地理として学ぶことが多い内容です。
工業の単元とどうつながりますか?
工業地帯・工業地域の全体像は、日本の工業で解説しています。地方別の学習とあわせて整理しましょう。
交通とも関係がありますか?
はい、北関東工業地域が高速道路ぞいに発達したように、交通と工業は深く関係しています。運輸と交通もあわせて確認しましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:大都市の近くで野菜などを作り、新鮮なうちに出荷する農業を何といいますか。
問題2:千葉県の東京湾岸に広がる、石油化学や鉄鋼がさかんな工業地域を何といいますか。
問題3:福井県鯖江市で生産がさかんな製品は何ですか。
問題4:中京工業地帯で、特に生産がさかんな工業製品は何ですか。
答え
問題1:近郊農業です。
問題2:京葉工業地域です。
問題3:めがねフレームです。
問題4:自動車です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:関東は「都市と工業」、中部は「3つの地域」
関東地方は、関東平野と利根川、近郊農業、京浜・京葉・北関東の工業、東京への集中をセットで覚えましょう。中部地方は、北陸・中央高地・東海の3つに分け、気候と産業を結びつけて整理することが大切です。
地理のほかの単元は、北海道地方・東北地方、日本の工業、日本の農業で解説しています。