「石狩平野・十勝平野・根釧台地で、それぞれ何がさかんなのか混ざってしまう」「やませが、どの季節にどちらからふく風なのか覚えられない」
北海道地方と東北地方は、中学受験の社会の地理で、農業や漁業、気候と結びつけてよく出題される地域です。平野ごとの農業のちがい、冷害とやませ、三陸海岸の漁業、伝統的工芸品などが問われます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、北海道地方と東北地方の特色を整理し、覚え方をまとめました。なお、生産量の順位や割合は年によって変わることがあります。最新の数字は資料集で確認してください。
北海道地方の自然
- 気候:冬の寒さがきびしく、夏もすずしい。梅雨がほとんどない
- 主な平野・台地:石狩平野、十勝平野、根釧台地
- 主な川:石狩川
- 主な山地:日高山脈
- 知床は、世界自然遺産に登録されている
北海道は、都道府県の中で面積がいちばん大きく、広い土地を生かした大規模な農業が行われています。
北海道の農業は「場所」で覚える

| 場所 | さかんな農業 | ポイント |
|---|---|---|
| 石狩平野 | 稲作 | 泥炭地に、ほかの土地の土を入れる「客土」で土地を改良した |
| 十勝平野 | 畑作 | じゃがいも・小麦・てんさい・豆などを、年ごとに順番を変えて作る(輪作) |
| 根釧台地 | 酪農 | すずしく、火山灰地で畑作に向かないため、牧草を育てて乳牛を飼う |
北海道は「石狩=米、十勝=畑作、根釧=酪農」。土地の条件と結びつけて覚えます。
てんさいは、砂糖の原料になる作物です。すずしい北海道で作られています。十勝平野では、広い畑で大型の機械を使い、大規模な農業を行っているのも特ちょうです。
北海道の漁業とくらし
- かつては、北の海に出かける北洋漁業がさかんだったが、各国が排他的経済水域を設けたことなどで縮小した
- 現在は、ほたてやこんぶなどの養殖業・栽培漁業にも力を入れている
- 北海道には、昔からアイヌの人々がくらし、独自の言葉や文化を受けついでいる。北海道の地名には、アイヌ語に由来するものが多い
- 札幌市の「さっぽろ雪まつり」など、雪や寒さを生かした観光もさかん
東北地方の自然
- 奥羽山脈が中央を南北に走り、地方を太平洋側と日本海側に分けている
- 主な川:北上川、最上川
- 主な平野:仙台平野、庄内平野、秋田平野
- 三陸海岸の南部は、入り組んだリアス海岸
- 白神山地は、ブナの原生林が広がる世界自然遺産
やませと冷害
やませは、夏に、東北地方の太平洋側にふく、冷たくしめった北東の風です。やませがふくと、日照時間が少なくなり、気温が上がらないため、稲が十分に育たない冷害が起こることがあります。
やませは「夏」「太平洋側」「冷たくしめった北東の風」。冷害の原因になります。
冷害に強い品種の開発や、田の水を深くして稲を寒さから守るなどの工夫が行われています。やませの影響を受けにくい日本海側の庄内平野や秋田平野は、米どころとして知られています。
東北地方の農業と漁業
- 米:庄内平野・秋田平野・仙台平野などで、米づくりがさかん
- 果物:青森県のりんご、山形県のさくらんぼ・西洋なし、福島県のもも
- 漁業:三陸海岸の沖は、寒流(親潮)と暖流(黒潮)がぶつかる潮目があり、よい漁場になっている
- 養殖:リアス海岸の波がおだやかな湾で、わかめ・かき・ほたてなどの養殖がさかん
例題1:三陸海岸の沖が、よい漁場になっているのはなぜですか。
寒流と暖流がぶつかる潮目があり、魚のえさになるプランクトンが多く、多くの種類の魚が集まるからです。
伝統的工芸品と祭り
| 県 | 伝統的工芸品の例 |
|---|---|
| 岩手県 | 南部鉄器 |
| 山形県 | 天童将棋駒 |
| 福島県 | 会津塗 |
| 青森県 | 津軽塗 |
| 宮城県 | 宮城伝統こけし |
冬に雪が多く農業ができない時期の副業として、伝統的な工芸品づくりが発達した地域が多くあります。
東北三大祭りとよばれるのは、青森ねぶた祭(青森県)、秋田竿燈まつり(秋田県)、仙台七夕まつり(宮城県)です。いずれも夏に行われます。どの祭りも多くの観光客が訪れ、地域の大切な観光資源になっています。
東日本大震災
2011年3月11日の東日本大震災では、地震と津波によって、東北地方の太平洋側を中心に大きな被害が出ました。福島第一原子力発電所の事故も起こりました。復興の取り組みや、防災の考え方とあわせて学びましょう。
北海道の開拓と東北の工業
北海道の開拓
明治時代、政府は北海道に開拓使という役所を置き、本格的な開拓を進めました。開拓と北の守りをかねた屯田兵が各地に送られ、農地が広げられました。その一方で、アイヌの人々の土地や生活は大きく変えられました。
東北地方の工業
東北地方では、高速道路や空港が整備されると、インターチェンジや空港の近くに、電子部品などの工場が進出しました。働く場所がふえ、地域の産業が変わってきています。
よくあるまちがいと対策
- 十勝平野を稲作と答える:十勝は畑作、稲作は石狩平野
- やませを冬の風と考える:やませは夏にふく
- 潮目の暖流と寒流を逆にする:寒流が親潮、暖流が黒潮
- 東北三大祭りの県を混ぜる:ねぶた=青森、竿燈=秋田、七夕=仙台(宮城)
家庭での覚え方のコツ
白地図に書きこむ
白地図に、平野・川・山地と、そこでさかんな農業を書きこみましょう。場所と産業がつながり、記憶に残りやすくなります。
食卓の産地を見る
じゃがいも、りんご、さくらんぼ、ほたてなどを買ったら、産地の表示を親子で確かめてみてください。教科書の地名が身近になります。
祭りの映像を見る
ねぶたや竿燈の映像を見ると、名前と県が結びつきます。旅行の話題として話すのも効果的です。
北海道・東北地方のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の社会では、5年生で日本の国土や産業を学びます。中学受験向けの教材では、5年生ごろに地方別の地理として学ぶことが多い内容です。
農業の単元とどうつながりますか?
稲作や酪農、果物づくりの全体像は、日本の農業で解説しています。地方別の学習とあわせて整理しましょう。
気候の単元とも関係がありますか?
はい、北海道の気候や、日本海側・太平洋側の気候のちがいは、日本の気候と雨温図で学びます。
練習問題にチャレンジ
問題1:根釧台地でさかんな農業は何ですか。
問題2:夏に東北地方の太平洋側にふく、冷たくしめった北東の風を何といいますか。
問題3:岩手県の伝統的工芸品を1つ答えましょう。
問題4:仙台七夕まつりが行われるのは何県ですか。
答え
問題1:酪農です。
問題2:やませです。
問題3:南部鉄器です。
問題4:宮城県です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:北海道は「場所と農業」、東北は「やませと海」
北海道は、石狩平野の稲作、十勝平野の畑作、根釧台地の酪農を、土地の条件とセットで覚えましょう。東北は、やませと冷害、三陸海岸の潮目と養殖、果物の産地、伝統的工芸品と三大祭りがよく出ます。