「ひし形と平行四辺形のちがいを聞かれると、うまく説明できない」「正方形は長方形のなかまなのか、ひし形のなかまなのか分からない」
三角形と四角形の性質は、中学受験の算数で、図形問題すべての土台になる単元です。図形の名前を答える問題だけでなく、角度・面積・対角線の問題でも、性質を知っていることが前提になります。性質があいまいなまま応用問題に進むと、条件を見落としてしまいます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、三角形と四角形の性質を整理し、よく出る問題の解き方をまとめました。
三角形の種類と性質
| 種類 | 辺 | 角 |
|---|---|---|
| 正三角形 | 3つの辺の長さが等しい | 3つの角がどれも60度 |
| 二等辺三角形 | 2つの辺の長さが等しい | 2つの底角が等しい |
| 直角三角形 | ― | 1つの角が90度 |
| 直角二等辺三角形 | 直角をはさむ2辺が等しい | 90度・45度・45度 |
三角形の3つの角の和は、どんな三角形でも180度です。
二等辺三角形は「2辺が等しい」と「2つの底角が等しい」がセット。どちらか一方が分かれば、もう一方も使えます。
例題1:二等辺三角形の頂角(等しい2辺にはさまれた角)が40度のとき、底角は何度ですか。
2つの底角の和は180-40=140度です。底角は140÷2=70度です。
四角形の種類と性質

| 種類 | 特ちょう |
|---|---|
| 台形 | 向かい合う1組の辺が平行 |
| 平行四辺形 | 向かい合う2組の辺が平行。向かい合う辺の長さと、向かい合う角の大きさが等しい |
| ひし形 | 4つの辺の長さが等しい |
| 長方形 | 4つの角がすべて直角 |
| 正方形 | 4つの辺が等しく、4つの角がすべて直角 |
ひし形と長方形は、どちらも平行四辺形の特別な形です。正方形は、ひし形の性質と長方形の性質を両方もっています。
正方形は「ひし形でもあり、長方形でもある」。どちらの性質も使えます。
例題2:平行四辺形の1つの角が70度のとき、ほかの3つの角はそれぞれ何度ですか。
向かい合う角は等しいので、1つは70度です。となり合う角の和は180度なので、残りの2つは180-70=110度です。答えは70度・110度・110度です。
対角線の性質
| 四角形 | 対角線が真ん中で交わる | 垂直に交わる | 長さが等しい |
|---|---|---|---|
| 平行四辺形 | 〇 | ― | ― |
| ひし形 | 〇 | 〇 | ― |
| 長方形 | 〇 | ― | 〇 |
| 正方形 | 〇 | 〇 | 〇 |
ひし形の対角線は「垂直」、長方形の対角線は「同じ長さ」。正方形はその両方です。
例題3:対角線の長さが6cmと8cmのひし形の面積を求めましょう。
ひし形の対角線は垂直に交わるので、面積は対角線×対角線÷2で求められます。6×8÷2=24cm²です。
三角形の外角
三角形の1つの辺をのばしてできる角を、外角といいます。外角は、となりにない2つの内角の和に等しくなります。
例題4:三角形の2つの角が50度と60度です。残りの角のとなりにできる外角は何度ですか。
外角は、となりにない2つの内角の和なので、50+60=110度です。残りの内角は70度で、180-70=110度とも確かめられます。
外角=となりにない2つの内角の和。角度の問題で、計算を1回へらせます。
多角形の角
四角形の4つの角の和は360度です。多角形の角の和は、対角線で三角形に分けると求められます。
| 多角形 | 三角形の数 | 角の和 |
|---|---|---|
| 四角形 | 2 | 360度 |
| 五角形 | 3 | 540度 |
| 六角形 | 4 | 720度 |
正六角形の1つの角は、720÷6=120度です。正六角形は、中心から頂点に線を引くと、6つの正三角形に分けられます。
例題5:正五角形の1つの角は何度ですか。
角の和は540度なので、1つの角は540÷5=108度です。
図形の名前を答える問題
例題6:対角線が垂直に交わり、長さも等しい四角形は何ですか。
対角線が垂直に交わるのはひし形と正方形、長さが等しいのは長方形と正方形です。両方にあてはまるのは正方形です。
性質を組み合わせる問題は、表を見ながら「両方に〇がつくもの」を探します。
三角形ができる条件
3本の棒で三角形を作るとき、どんな長さでも作れるわけではありません。
- いちばん長い辺が、ほかの2辺の和より短いときだけ、三角形ができる
例題7:3cm・4cm・8cmの棒で、三角形を作ることはできますか。
いちばん長い8cmが、ほかの2辺の和3+4=7cmより長いので、三角形はできません。3cm・4cm・6cmなら、6cmが3+4=7cmより短いので、三角形ができます。
よくあるまちがいと対策
- 正方形をひし形のなかまと認めない:正方形は4つの辺が等しいので、ひし形の性質ももつ
- 平行四辺形の対角線も長さが等しいと考える:長さが等しいのは長方形と正方形
- 二等辺三角形の頂角と底角を混ぜる:等しい2辺にはさまれた角が頂角
- 多角形の角の和を覚えていない:三角形に分けて、180度×三角形の数で求める
家庭での教え方のコツ
ストローで四角形を作る
同じ長さのストロー4本をモールでつなぐと、ひし形ができます。押して形を変えると、正方形にもなります。辺の長さは変わらず、角だけが変わることが体験できます。
身のまわりの図形を探す
窓、本、タイル、道路標識など、身のまわりの三角形や四角形を探して、名前を言ってみましょう。図形の名前と性質が、日常と結びつきます。
表を自分で作る
対角線の性質の表を、何も見ずに書けるか試してみてください。書けなかったところだけを覚え直すと効率的です。
三角形と四角形のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の算数では、3年生で二等辺三角形と正三角形、4年生で平行四辺形・ひし形・台形を学びます。中学受験では、4〜6年生の図形の問題でくり返し使います。
角度の問題とどうつながりますか?
二等辺三角形の底角や、平行四辺形の角の性質は、角度の問題でよく使います。角度の基本もあわせて練習しましょう。
面積の公式とも関係がありますか?
はい、ひし形の面積が対角線×対角線÷2で求められるのは、対角線が垂直に交わるからです。図形の面積で公式の成り立ちを確認しましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:二等辺三角形の底角が35度のとき、頂角は何度ですか。
問題2:4つの辺の長さが等しく、4つの角が直角でない四角形は何ですか。
問題3:三角形の2つの内角が45度と75度のとき、残りの角のとなりの外角は何度ですか。
問題4:正六角形の1つの角は何度ですか。
答え
問題1:180-35×2=110度です。
問題2:ひし形です。
問題3:45+75=120度です。
問題4:720÷6=120度です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:図形は「辺・角・対角線」で整理する
三角形と四角形は、辺の長さ、角の大きさ、対角線の性質の3つの観点で整理すると覚えやすくなります。正方形がひし形と長方形の両方の性質をもつこと、外角がとなりにない2つの内角の和になることも、角度や面積の問題で役立ちます。