「平行四辺形は線対称だと思っていた」「正五角形が点対称かどうか、聞かれると迷ってしまう」
線対称と点対称は、中学受験の算数の平面図形で、図形の性質として出題される単元です。いろいろな図形が線対称か点対称かを答える問題、対称の軸の数を答える問題、対称な図形をかく問題などが出ます。図形の性質の理解は、面積や角度の問題を解くときにも役立ちます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、線対称と点対称の意味と性質、よく出る図形の一覧、見分け方を整理し、家での教え方をまとめました。
線対称と点対称の意味

- 線対称:1本の直線を折り目にして折ったとき、両側がぴったり重なる図形。折り目の直線を「対称の軸」という
- 点対称:1つの点を中心にして180度回転させたとき、元の図形にぴったり重なる図形。その点を「対称の中心」という
線対称は「折ると重なる」、点対称は「180度回すと重なる」。
線対称な図形の性質
線対称な図形で、対称の軸で折ったときに重なる点を「対応する点」といいます。
- 対応する点を結ぶ直線は、対称の軸と垂直に交わる
- 対称の軸から、対応する2つの点までのきょりは等しい
この性質を使うと、線対称な図形の残り半分をかくことができます。
点対称な図形の性質
点対称な図形で、180度回転させたときに重なる点を「対応する点」といいます。
- 対応する点を結ぶ直線は、必ず対称の中心を通る
- 対称の中心から、対応する2つの点までのきょりは等しい
平行四辺形では、2本の対角線が交わる点が対称の中心です。
点対称な図形では、対応する点を結ぶ直線が、すべて対称の中心を通ります。
よく出る図形の一覧
| 図形 | 線対称 | 対称の軸の数 | 点対称 |
|---|---|---|---|
| 二等辺三角形 | 〇 | 1本 | × |
| 正三角形 | 〇 | 3本 | × |
| 平行四辺形 | × | 0本 | 〇 |
| ひし形 | 〇 | 2本 | 〇 |
| 長方形 | 〇 | 2本 | 〇 |
| 正方形 | 〇 | 4本 | 〇 |
| 正五角形 | 〇 | 5本 | × |
| 正六角形 | 〇 | 6本 | 〇 |
| 円 | 〇 | 数えきれない | 〇 |
正多角形の対称の軸の数は、辺の数と同じ。辺の数が偶数の正多角形は、点対称でもあります。
平行四辺形は、点対称ですが、線対称ではありません。対角線で折っても、ぴったり重なりません。入試でよくねらわれるポイントです。
例題1:正八角形の対称の軸は何本ですか。また、正八角形は点対称ですか。
正多角形の対称の軸の数は辺の数と同じなので、8本です。辺の数が偶数なので、点対称でもあります。
アルファベットや漢字の問題
文字の形が線対称か点対称かを問う問題も出ます。
- 線対称だけ:A、T、M など(たての軸)、B、C、E など(横の軸)
- 点対称だけ:N、S、Z
- 線対称でも点対称でもある:H、I、O、X
漢字では、「山」「田」「中」「王」などが線対称です。「田」「中」は点対称でもあります。
例題2:次のアルファベットのうち、点対称なものをすべて選びましょう。(A、H、N、T、X)
180度回して同じ形になるのは、H、N、Xです。
対称な図形のかき方
線対称な図形の残り半分をかく
- 元の図形の各頂点から、対称の軸に垂直な線を引く
- 軸の反対側に、同じきょりのところに対応する点をとる
- 対応する点を順に結ぶ
点対称な図形の残り半分をかく
- 元の図形の各頂点と、対称の中心を結ぶ直線を引く
- その直線を中心の反対側にのばし、同じきょりのところに対応する点をとる
- 対応する点を順に結ぶ
方眼紙を使うと、きょりを正確にとることができます。
対称の性質を使う問題
対称の性質を知っていると、面積や角度の問題が楽に解けることがあります。例えば、点対称な図形を対称の中心を通る直線で切ると、図形の面積はちょうど半分に分かれます。長方形や平行四辺形の面積を2等分する直線は、必ず対称の中心(対角線の交点)を通ります。
対称な図形の角や辺の問題
対称の性質を使うと、図形の角の大きさや辺の長さが分かります。
例題3:線対称な図形で、対称の軸の片側にある角が50度のとき、軸で折って重なる反対側の角は何度ですか。
折ると重なるので、対応する角の大きさは等しく、50度です。
例題4:点対称な四角形ABCDで、対称の中心をOとします。AOが4cmのとき、ACの長さは何cmですか。
点対称な図形では、対称の中心から対応する点までのきょりが等しいので、CO=4cmです。AC=4+4=8cmです。
対称な図形では、対応する辺の長さや角の大きさは等しくなります。
よくあるまちがいと対策
- 平行四辺形を線対称と答える:平行四辺形は点対称だけ
- 正三角形や正五角形を点対称と答える:辺の数が奇数の正多角形は点対称ではない
- 長方形の対称の軸を4本と答える:対角線では折っても重ならないので2本
- 点対称を「90度回すと重なる」と考える:点対称は180度
家庭での教え方のコツ
紙を折って切る
紙を半分に折ってはさみで形を切り、開いてみましょう。必ず線対称な図形になります。2回折って切ると、対称の軸が2本ある図形ができます。
図形を回してみる
トレーシングペーパーに図形を写し、中心にえんぴつの先を当てて180度回してみてください。元の図形と重なるかどうかで、点対称かどうかを確かめられます。
身のまわりで探す
マークや国旗、トランプ、家紋など、身のまわりのデザインから、線対称や点対称な形を探してみましょう。対称の軸の数を数える練習にもなります。
線対称と点対称のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の算数では、6年生で線対称と点対称を学びます。中学受験向けの教材でも、5〜6年生ごろに図形の性質として学ぶことが多い単元です。
四角形の性質とあわせて覚えたほうがいいですか?
はい、平行四辺形・ひし形・長方形・正方形の対角線の性質と、対称の性質はつながっています。表にまとめて、いっしょに覚えると効果的です。角の性質は角度の求め方で確認しましょう。
図形の移動とどう関係しますか?
線対称は「対称移動(うら返し)」、点対称は「180度の回転移動」と同じ考え方です。図形の移動とあわせて学ぶと理解が深まります。
練習問題にチャレンジ
問題1:正六角形の対称の軸は何本ですか。
問題2:点対称であるが、線対称ではない四角形は何ですか。
問題3:正五角形は点対称ですか。
問題4:長方形の面積を2等分する直線は、必ずどこを通りますか。
答え
問題1:6本です。
問題2:平行四辺形です。
問題3:点対称ではありません(辺の数が奇数のため)。
問題4:対称の中心(2本の対角線の交点)を通ります。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:対称は「折る」と「180度回す」
線対称は対称の軸で折ると重なる図形、点対称は対称の中心のまわりに180度回すと重なる図形です。正多角形の軸の数は辺の数と同じで、辺の数が偶数なら点対称でもあります。平行四辺形は点対称だけ、というよく出るポイントも確実に覚えましょう。