「湿度の計算で、どの数をどの数でわればいいのか分からなくなる」「露点という言葉は知っているけれど、雲ができることとつながらない」
湿度と雲のでき方は、中学受験の理科で、天気の分野の計算問題としてよく出る単元です。空気がふくむことのできる水蒸気の量と温度の関係を使って、湿度や水滴の量を求めます。雲・霧・露ができるしくみも、同じ考え方で説明できます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、湿度の計算と、雲ができるしくみをまとめました。
飽和水蒸気量とは
空気1m³がふくむことのできる水蒸気の最大の量を、飽和水蒸気量といいます。飽和水蒸気量は、気温が高いほど大きくなります。

| 気温 | 0℃ | 10℃ | 15℃ | 20℃ | 25℃ | 30℃ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 飽和水蒸気量(g/m³) | 4.8 | 9.4 | 12.8 | 17.3 | 23.1 | 30.4 |
教材によって、小数点以下の値が少しちがうことがあります。問題では、問題文にある表の数を使いましょう。
気温が高いほど、空気はたくさんの水蒸気をふくむことができます。
湿度の求め方
湿度は、空気が、その気温でふくむことのできる水蒸気のうち、何%をふくんでいるかを表します。
湿度(%)=空気1m³中の水蒸気量÷その気温の飽和水蒸気量×100
例題1:気温20℃の空気1m³に、水蒸気が8.65gふくまれています。湿度は何%ですか。
20℃の飽和水蒸気量は17.3gです。8.65÷17.3×100=50%です。
例題2:気温15℃で、湿度が50%の空気があります。この空気1m³には、水蒸気が何gふくまれていますか。
15℃の飽和水蒸気量は12.8gです。12.8×0.5=6.4gです。
湿度は「ふくんでいる量÷ふくめる最大の量」。わる数は、その気温の飽和水蒸気量です。
露点と水滴の量
空気を冷やしていくと、ある温度で、ふくんでいる水蒸気の量と飽和水蒸気量が等しくなります(湿度100%)。この温度を露点といいます。露点より低くなると、ふくみきれなくなった水蒸気が水滴になります。
例題3:気温30℃で、空気1m³に水蒸気が17.3gふくまれています。この空気の露点は何℃ですか。また、10℃まで冷やすと、空気1m³あたり何gの水滴が出てきますか。
飽和水蒸気量が17.3gになるのは20℃なので、露点は20℃です。10℃の飽和水蒸気量は9.4gなので、出てくる水滴は17.3-9.4=7.9gです。
なお、気温30℃のときの湿度は、17.3÷30.4×100=約57%です。
露点は「ふくんでいる水蒸気の量が、飽和水蒸気量と同じになる温度」。冷やして出る水滴は、その差です。
乾湿計の読み方
湿度は、乾湿計を使って調べます。乾湿計には、ふつうの温度計(乾球)と、球の部分を湿った布で包んだ温度計(湿球)があります。
- 湿球は、水が蒸発するときに熱をうばうので、乾球より温度が低くなる
- 空気が乾いているほど水がよく蒸発するので、乾球と湿球の温度の差が大きくなる
- 乾球の温度と、2つの差から、湿度表を使って湿度を読み取る
乾球と湿球の差が大きいほど、湿度は低い(乾いている)。
雲のでき方
雲は、空気が上にのぼって冷やされ、ふくみきれなくなった水蒸気が水や氷のつぶになったものです。
- 地面があたためられたり、山にぶつかったりして、空気が上にのぼる(上昇気流)
- 上空ほど気圧が低いので、空気がふくらんで温度が下がる
- 露点より低くなると、水蒸気が小さな水や氷のつぶになる
- このつぶが集まって見えるのが雲
霧と露
- 霧:地面近くの空気が冷やされて、水滴ができ、うかんでいるもの。雲と同じものが、地面近くにできたと考えられる
- 露:夜に冷えた草の葉などにふれた空気が冷やされ、葉の表面に水滴がついたもの
冷たい飲み物を入れたコップの外側に水滴がつくのも、露と同じしくみです。
晴れた日の気温と湿度
晴れた日には、気温が上がる昼すぎに湿度が下がり、気温が下がる朝方に湿度が上がることが多くなります。空気にふくまれる水蒸気の量があまり変わらなくても、気温が上がると飽和水蒸気量が大きくなるので、湿度は下がるのです。
晴れた日は、気温と湿度が反対の動きをすることが多くなります。
よくあるまちがいと対策
- 湿度の計算で、わる数とわられる数を逆にする:わる数は飽和水蒸気量
- 露点を、湿度0%の温度と考える:露点は湿度100%になる温度
- 水滴の量を、露点の飽和水蒸気量で答える:ふくんでいた量と、冷やした温度の飽和水蒸気量の差
- 乾湿計の差が大きいほど湿っていると考える:差が大きいほど乾いている
家庭での覚え方のコツ
コップの水滴を観察する
冷たい水を入れたコップの外側に水滴がつくようすを、親子で観察しましょう。空気中の水蒸気が冷やされて水になることが目で分かります。
「コップの大きさ」でたとえる
飽和水蒸気量を「空気というコップの大きさ」、水蒸気の量を「入っている水の量」とたとえて説明してみてください。冷やすとコップが小さくなり、あふれた分が水滴になる、とイメージできます。
天気予報の湿度を見る
天気予報やエアコンの表示で湿度を見て、雨の日と晴れの日でどうちがうかを話し合うと、身近に感じられます。
湿度と雲のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、4年生で水のすがたの変化や、水が水蒸気になって空気中にふくまれることを学びます。湿度の計算は、中学受験向けの教材で5〜6年生ごろに学ぶことが多い内容です。
天気の単元とどうつながりますか?
雲の種類や天気の移り変わりは、天気の変化で解説しています。雲ができるしくみとあわせて学ぶと、天気の分野全体が整理できます。
水のすがたの変化とも関係がありますか?
はい、水蒸気が水になる変化は、水の三態で学ぶ内容です。湯気と水蒸気のちがいも、あわせて確認しましょう。
練習問題にチャレンジ
(飽和水蒸気量は、0℃で4.8g、10℃で9.4g、15℃で12.8g、20℃で17.3g、25℃で23.1gとします。)
問題1:気温15℃で、空気1m³に水蒸気が6.4gふくまれています。湿度は何%ですか。
問題2:気温20℃で、湿度が50%の空気1m³には、水蒸気が何gふくまれていますか。
問題3:気温25℃で、空気1m³に水蒸気が9.4gふくまれています。露点は何℃ですか。
問題4:問題3の空気を0℃まで冷やすと、空気1m³あたり何gの水滴が出てきますか。
答え
問題1:6.4÷12.8×100=50%です。
問題2:17.3×0.5=8.65gです。
問題3:飽和水蒸気量が9.4gになる10℃です。
問題4:9.4-4.8=4.6gです。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
中級の問題と「要点まとめ」がついたセット(10単元・A4で62ページ)は、noteで販売しています。この単元は「理科・計算パック」に入っています。
まとめ:湿度は「飽和水蒸気量」が主役
湿度は、ふくんでいる水蒸気の量を、その気温の飽和水蒸気量でわって求めます。空気が冷えて露点より低くなると、水蒸気が水滴になり、上空では雲、地面近くでは霧や露になります。飽和水蒸気量の表を使いこなせるように、計算と現象をセットで覚えましょう。