「空気はおしちぢめられるのに、水はちぢまないのはなぜ?」「温めたときの体積の変わり方が、空気・水・金属でどうちがうのか覚えられない」
空気と水の性質は、中学受験の理科で、物理・化学分野の土台になる単元です。とじこめた空気や水をおしたときの変化、温度による体積の変化などが、身のまわりの現象や実験とともに出題されます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、空気と水をおしたときの性質、温度による体積の変化、よく出る実験と身のまわりの例を整理し、家での覚え方をまとめました。
とじこめた空気と水をおすと

注射器などに空気や水をとじこめて、ピストンをおすと、次のようなちがいがあります。
| とじこめた空気 | とじこめた水 | |
|---|---|---|
| おしたとき | 体積が小さくなる(おしちぢめられる) | 体積は変わらない(おしちぢめられない) |
| 手ごたえ | おしちぢめるほど大きくなる | すぐにかたくて、おしこめない |
| 手をはなすと | 元の体積にもどる | 変わらない |
空気はおしちぢめられ、もとにもどろうとする力がはたらく。水はおしちぢめられない。
空気でっぽうのしくみ
空気でっぽうは、つつの中に空気をとじこめ、後ろの玉をおし棒でおして、前の玉を飛ばすおもちゃです。
後ろの玉をおすと、とじこめられた空気がおしちぢめられ、もとにもどろうとする力が大きくなります。その力にたえられなくなると、前の玉がいきおいよく飛び出します。
つつの中に水を入れると、水はおしちぢめられないので、空気でっぽうのように玉が勢いよく飛ぶことはありません。
空気の性質の利用
- 自転車やボールのタイヤ・ボール:空気をおしちぢめて入れ、はずむ力やクッションに使う
- エアマット・エアクッション:空気がもとにもどろうとする力で、しょうげきをやわらげる
温度による体積の変化
空気・水・金属は、どれも温めると体積が大きくなり、冷やすと体積が小さくなります。ただし、変わり方の大きさにはちがいがあります。
| もの | 温めたときの体積の変化 |
|---|---|
| 空気 | とても大きく変わる |
| 水 | 空気よりは小さいが、変わる |
| 金属 | とても小さいが、変わる |
温めたときの体積の変わり方は「空気>水>金属」。どれも温めるとふえ、冷やすとへります。
よく出る実験
- 空気:口に石けん水のまくをつけた試験管を手で温めると、まくがふくらむ。冷やすとへこむ
- 水:水を口まで入れた試験管にガラス管をさし、温めると、ガラス管の中の水面が上がる
- 金属:金属の球が輪をちょうど通るようにしておき、球を熱すると輪を通らなくなる。冷やすとまた通る
例題1:へこんだピンポン玉をお湯に入れると、元の形にもどることがあります。その理由を説明しましょう。
ピンポン玉の中の空気が温められて体積が大きくなり、内側からおし広げるからです。
例題2:鉄道のレールのつなぎ目に、少しすき間があけてある理由を説明しましょう。
夏の暑い日に、金属のレールが温められて体積(長さ)が大きくなっても、レールが曲がらないようにするためです。
水の特別な性質
水は、ほかの多くの物とちがう性質をもっています。
- 水は約4℃のとき、体積が最も小さくなる
- 水が氷になると、体積が約1.1倍に大きくなる
冬に池の表面だけがこおり、底のほうの水はこおりにくいのは、この性質と関係があります。氷になると体積が大きくなることは、水の三態でくわしく解説しています。
実験問題の考え方
体積の変化の実験問題では、次の点に注意します。
- 温めたのか、冷やしたのか
- 調べているのは、空気・水・金属のどれか
- 体積が大きくなったら、まくやせんはどう動くか
例えば、空気を入れたフラスコにせんをして、せんにガラス管を通し、管の中に色水を入れておきます。フラスコを手で温めると、空気の体積が大きくなるので、色水は外側に動きます。
空気と水を両方とじこめたとき
注射器に、空気と水を半分ずつとじこめてピストンをおすと、どうなるでしょうか。
おしちぢめられるのは空気だけなので、空気の部分の体積だけが小さくなり、水の部分の体積は変わりません。
例題3:注射器に空気10cm³と水10cm³をとじこめて、ピストンをおしました。体積が小さくなるのはどちらですか。
空気です。水はおしちぢめられないので、10cm³のままです。
空気と水をいっしょにとじこめても、ちぢむのは空気だけです。
よくあるまちがいと対策
- 水もおしちぢめられると考える:水はおしちぢめられない
- 空気でっぽうで、玉が飛ぶ理由を「空気がおされたから」だけで書く:「おしちぢめられた空気がもとにもどろうとする力」まで書く
- 金属は温度で体積が変わらないと考える:変わり方は小さいが、変わる
- 変わり方の大きさの順をまちがえる:「空気>水>金属」
家庭での覚え方のコツ
注射器やペットボトルで試す
空のペットボトルにふたをしてにぎると、少しへこみますが、手をはなすと元にもどります。水をいっぱいに入れてふたをすると、ほとんどへこみません。空気と水のちがいを、手で確かめられます。
ペットボトルを温める・冷やす
空のペットボトルの口に風船をかぶせ、お湯の入ったボウルに入れると、風船がふくらみます。氷水に入れると、しぼみます。温度で空気の体積が変わることが、目で見て分かります(やけどに注意して、大人がいっしょに)。
身のまわりの例を集める
ピンポン玉、レールのすき間、びんの金属のふたをお湯で温めると開けやすくなることなど、身のまわりの例を親子で集めてみましょう。
空気と水の性質のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、4年生で空気と水の性質、ものの温度と体積の関係を学びます。中学受験向けの教材でも、4年生ごろに学ぶことが多い単元です。
気体の性質の単元とどうつながりますか?
空気は、ちっ素や酸素などの気体がまざったものです。空気の成分や、それぞれの気体の性質は、気体の性質で解説しています。
もののあたたまり方とはちがいますか?
体積の変化とは別に、熱の伝わり方(伝導・対流・放射)も学びます。水の三態の記事で、あたたまり方も確認しておきましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:注射器にとじこめた水をおすと、体積はどうなりますか。
問題2:空気・水・金属のうち、温めたときの体積の変化が最も大きいのはどれですか。
問題3:金属の球が輪をちょうど通るとき、球だけを熱すると、輪を通りますか。
問題4:空気でっぽうで前の玉が飛び出すのは、とじこめた空気のどのような性質によるものですか。
答え
問題1:変わりません。
問題2:空気です。
問題3:通らなくなります(球の体積が大きくなるため)。
問題4:おしちぢめられた空気が、もとの体積にもどろうとする性質です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:空気と水は「おすと」と「温めると」
とじこめた空気はおしちぢめられ、もとにもどろうとする力がはたらきますが、水はおしちぢめられません。温度による体積の変化は、空気・水・金属のどれにも起こり、変わり方は「空気>水>金属」です。身のまわりの例と結びつけて覚えましょう。