塾なし中学受験の家庭向け勉強法:浮力を教えます!おしのけた水の重さと、ういたりしずんだりする理由

  • URLをコピーしました!

「水の中に入れると、ばねばかりの目もりが小さくなるのはなぜ?」「ういている木の、水の中にある部分の体積を求める問題が苦手」

浮力は、中学受験の理科の物理分野で、計算問題としてよく出題される単元です。ばねばかりの目もりの変化、ういている物体の水中部分の体積、台ばかりの目もりの変化などが問われます。てこやばねと組み合わせた問題も出ます。

浮力の問題は、たった1つの原理で解けます。この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、浮力の基本の原理と、よく出る問題の解き方を整理し、家での覚え方をまとめました。

学年・状況に合わせた中学受験の始め方をチェック

中学受験の始め方ガイドを見る
目次

浮力とは

水などの液体の中に物体を入れると、物体は上向きの力を受けます。この力を浮力といいます。おふろに入ると体が軽く感じるのも、浮力のためです。

浮力の大きさは、次の原理で決まります。

浮力の大きさ=物体がおしのけた液体の重さ

これを「アルキメデスの原理」といいます。水1cm³の重さは1gなので、水の中では、物体の水中部分の体積(cm³)と同じ数のg(グラム)の浮力を受けます。

水中では「おしのけた水の体積(cm³)=浮力(g)」。この1つで、ほとんどの問題が解けます。

ばねばかりの目もりの変化

浮力をばねばかりで調べる図。空気中で100gの物体を水中に入れると、ばねばかりの目もりは70gになる。浮力は100-70=30gで、物体は体積30cm³ぶんの水をおしのけている。水1cm³は1g

例題1:空気中でばねばかりにつるすと100gを示す物体を、全部水に入れたところ、ばねばかりは70gを示しました。浮力は何gですか。また、この物体の体積は何cm³ですか。

浮力は、100-70=30gです。浮力が30gなので、おしのけた水は30g、つまり30cm³です。物体の体積は30cm³です。

例題2:体積50cm³、重さ200gの金属を、ばねばかりにつるして全部水に入れました。ばねばかりは何gを示しますか。

浮力は、おしのけた水50cm³の重さで50gです。ばねばかりは、200-50=150gを示します。

ばねばかりの目もり=物体の重さ-浮力。

ういている物体

物体が水にういて止まっているとき、物体の重さと浮力がつり合っています。

ういている物体の浮力=物体の重さ

例題3:重さ60g、体積100cm³の木片が、水にういています。水の中にある部分の体積と、水の上に出ている部分の体積を求めましょう。

ういているので、浮力は木片の重さと同じ60gです。浮力60gは、おしのけた水60cm³の重さなので、水の中にある部分は60cm³です。水の上に出ている部分は、100-60=40cm³です。

うくか、しずむか

物体を全部水に入れたときの浮力が、物体の重さより大きければうき、小さければしずみます。言いかえると、1cm³あたりの重さが、水(1g)より軽い物体はうき、重い物体はしずみます。

1cm³あたりの重さが1gより軽ければうき、重ければしずむ(水の場合)。

食塩水の中の浮力

食塩水は、1cm³あたりの重さが水より重いので、同じ体積をおしのけても、浮力は大きくなります。

例題4:1cm³の重さが1.2gの食塩水に、体積50cm³の物体を全部しずめました。浮力は何gですか。

おしのけた食塩水は50cm³で、その重さは50×1.2=60gです。浮力は60gです。

海で泳ぐと、プールより体がうきやすいのは、海水が真水より重いからです。

台ばかりの目もりの問題

水を入れた容器を台ばかりにのせ、ばねばかりにつるした物体を水に入れる問題もよく出ます。

例題5:水を入れた容器をのせた台ばかりが500gを示しています。ばねばかりにつるした物体を水の中に入れたところ、物体は30gの浮力を受けました(物体は容器の底についていません)。台ばかりは何gを示しますか。

物体が水から上向きに30gの浮力を受けると、その反作用で、水(容器)は物体から下向きに30gの力を受けます。台ばかりは、500+30=530gを示します。

物体が受けた浮力の分だけ、台ばかりの目もりは増えます。

半分だけ水に入れたとき

物体の一部だけを水に入れたときは、水の中に入っている部分の体積だけで浮力を考えます。

例題6:体積60cm³、重さ150gの物体をばねばかりにつるし、体積の半分だけを水に入れました。ばねばかりは何gを示しますか。

水中部分の体積は60÷2=30cm³なので、浮力は30gです。ばねばかりは、150-30=120gを示します。

物体を少しずつ水に入れていくと、全部入るまでは浮力がだんだん大きくなり、全部入ったあとは、深くしずめても浮力は変わりません。

浮力は「水中にある部分の体積」で決まります。全部しずんだら、深さによって変わりません。

よくあるまちがいと対策

  • 浮力を物体の重さで考える:浮力はおしのけた液体の重さで決まる
  • ういている物体の浮力を、体積全部で計算する:ういているときは、浮力=物体の重さ
  • 食塩水でも1cm³=1gで計算する:液体の1cm³あたりの重さを使う
  • 台ばかりの目もりが変わらないと考える:浮力の分だけ増える

家庭での覚え方のコツ

おふろで体験する

おふろで、ペットボトルを水にしずめようとしてみましょう。深くしずめるほど、手に強い力を感じます。浮力が、しずめた体積で大きくなることが実感できます。

卵を食塩水にうかべる

コップの水に生卵を入れるとしずみますが、食塩をたくさんとかしていくと、卵がうき上がってきます。液体が重くなると浮力が大きくなることを、目で確かめられます。

キッチンスケールで調べる

水を入れたコップをキッチンスケールにのせ、指を水に入れてみてください(コップにふれないように)。目もりが増えることが分かり、台ばかりの問題の理解につながります。

浮力のよくある質問

何年生で学びますか?

浮力は、小学校の授業ではくわしく学ばない内容です。中学受験向けの教材では、6年生ごろに物理分野の応用として学ぶことが多い単元です。

てこやばねとの組み合わせ問題は出ますか?

はい、てこの一方に水中の物体をつるす問題や、ばねばかりの目もりを求める問題がよく出ます。てこのつり合いやばねののびを先に確認しておきましょう。

体積の計算が苦手です。

浮力の問題では、cm³とgの換算をよく使います。単位の換算と立体の体積で、体積の計算を確認しておきましょう。

練習問題にチャレンジ

問題1:体積40cm³の物体を全部水にしずめたとき、受ける浮力は何gですか。

問題2:重さ120g、体積40cm³の物体をばねばかりにつるし、全部水に入れました。ばねばかりは何gを示しますか。

問題3:重さ45gの物体が水にういています。水の中にある部分の体積は何cm³ですか。

問題4:1cm³の重さが1.1gの液体に、体積20cm³の物体を全部しずめました。浮力は何gですか。

答え

問題1:40gです。

問題2:120-40=80gです。

問題3:浮力は45gなので、45cm³です。

問題4:20×1.1=22gです。

練習プリント(無料)

この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。

中級の問題と「要点まとめ」がついたセット(10単元・A4で62ページ)は、noteで販売しています。この単元は「理科・計算パック」に入っています。

まとめ:浮力は「おしのけた液体の重さ」

浮力の大きさは、物体がおしのけた液体の重さで決まります。水中では「おしのけた体積(cm³)=浮力(g)」です。ういている物体は浮力と重さがつり合い、ばねばかりの目もりは「重さ-浮力」、台ばかりの目もりは浮力の分だけ増えます。

物理分野のほかの単元は、てこ、ばね、滑車と輪軸で解説しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

中学受験で迷ってる人向けに、役立つ情報を届けます!

目次