「安全保障理事会の常任理事国の5か国が覚えられない」「ユニセフとユネスコのちがいが、いつもあやふやになる」
国際連合と国際協力は、中学受験の社会の公民で、時事問題とあわせてよく出題されるテーマです。国際連合のしくみ、安全保障理事会の常任理事国と拒否権、さまざまな機関のはたらき、日本の国際協力などが問われます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、国際連合のしくみ、主な機関、日本の国際協力を整理し、家での覚え方をまとめました。
国際連合の成り立ち
第二次世界大戦への反省から、世界の平和と安全を守るために、1945年に国際連合(国連)がつくられました。本部は、アメリカのニューヨークにあります。
日本は、1956年に、ソ連との国交を回復した日ソ共同宣言のあと、国際連合に加盟しました。
国際連合は1945年に発足、本部はニューヨーク。日本の加盟は1956年です。
国際連盟とのちがい
第一次世界大戦のあと、1920年に国際連盟がつくられましたが、第二次世界大戦を防ぐことはできませんでした。
| 国際連盟 | 国際連合 | |
|---|---|---|
| 発足 | 1920年 | 1945年 |
| 大国の参加 | アメリカは参加しなかった | アメリカなどの大国が参加 |
| 議決のしかた | 全会一致が原則 | 多数決が原則 |
| 平和を守る手段 | 経済制裁が中心 | 安全保障理事会が軍事的な措置も決められる |
日本は、満州事変のあと、1933年に国際連盟を脱退しました。
国際連合のしくみ

総会
すべての加盟国が参加する会議です。どの国も、大きさに関係なく1国1票をもっています。
安全保障理事会
世界の平和と安全を守るための中心となる機関です。
- 常任理事国:アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国の5か国
- 非常任理事国:総会で選ばれる10か国(任期2年)
- 拒否権:常任理事国が1か国でも反対すると、重要なことは決められない
常任理事国は「アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国」。5か国は拒否権をもちます。
日本は、非常任理事国に何度も選ばれています。
そのほかの主な機関
| 機関 | 主なはたらき |
|---|---|
| 国際司法裁判所 | 国と国との争いを、法にもとづいて解決する(オランダのハーグ) |
| ユニセフ(国連児童基金) | 子どもの命と健康、教育を守る |
| ユネスコ(国連教育科学文化機関) | 教育・科学・文化を通じて平和を守る。世界遺産の登録も行う |
| WHO(世界保健機関) | 世界の人々の健康を守る。感染症の対策など |
| UNHCR(国連難民高等弁務官事務所) | 難民を保護し、支援する |
ユニセフは「子ども」、ユネスコは「教育・文化(世界遺産)」、WHOは「健康」。
日本の国際協力
PKO(平和維持活動)
紛争が起きた地域で、停戦の監視や復興の支援などを行う国連の活動です。日本は、1992年にPKO協力法を定め、カンボジアなどに自衛隊を派遣しました。
ODA(政府開発援助)
政府が、発展途上国に、資金や技術を提供して、国づくりを支援することです。JICA(国際協力機構)の青年海外協力隊は、技術や知識をもった人が発展途上国で活動するしくみとして知られています。
NGO(非政府組織)
政府とは別に、民間の人々がつくる団体です。医療や教育、環境保護などの分野で、国境をこえて活動しています。
SDGs
2015年に国際連合で採択された「持続可能な開発目標」をSDGsといいます。貧困をなくす、質の高い教育をみんなに、気候変動に具体的な対策を、など17の目標があり、2030年までの達成をめざしています。
例題1:国際連合の安全保障理事会で、常任理事国が1か国でも反対すると重要なことが決められないしくみを何といいますか。
拒否権です。
国際連合の課題
国際連合にも、いくつかの課題があります。
- 常任理事国が拒否権を使うと、安全保障理事会で重要なことが決められないことがある
- 国連の活動には、加盟国が負担する分担金が必要で、その費用をどう集めるかが問題になる
- 安全保障理事会の常任理事国を見直すべきだという意見もある
例題2:安全保障理事会で、世界の平和にかかわる問題について決めることができない場合があるのはなぜですか。
常任理事国が1か国でも反対すると(拒否権を使うと)、重要なことを決められないからです。
拒否権は大国の協力を得るためのしくみですが、決定が止まってしまうという課題もあります。
よくあるまちがいと対策
- 国際連合の発足を1920年と答える:1920年は国際連盟、国際連合は1945年
- 常任理事国に日本やドイツを入れる:常任理事国はアメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国
- ユニセフとユネスコを混ぜる:「ユニセフ=子ども、ユネスコ=教育・文化」
- 日本の国連加盟を1951年と答える:1951年はサンフランシスコ平和条約、加盟は1956年
家庭での覚え方のコツ
ニュースで国連の話題を見る
国連の会議や、安全保障理事会での話し合いは、ニュースでよく取り上げられます。「どの機関の話?」「常任理事国はどう動いた?」と親子で話してみましょう。時事問題の対策にもなります。
機関名をカードにする
ユニセフ、ユネスコ、WHO、UNHCRなどの機関名をカードにして、うらにはたらきを書きましょう。英語の略称と日本語の名前をセットで覚えると、記述問題にも対応できます。
身近な国際協力を探す
ユニセフ募金や、フェアトレードの商品など、身近な国際協力を探してみてください。自分たちにもできることがあると分かると、学習への関心が高まります。
国際連合のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の社会では、6年生で、日本とつながりの深い国々や、国際連合と日本の役割について学びます。中学受験向けの教材では、6年生ごろに公民や時事問題として学ぶことが多い内容です。
歴史の単元とどうつながりますか?
国際連盟の脱退(1933年)や国際連合への加盟(1956年)は、歴史の問題でもよく出ます。大正・昭和時代の流れの中で確認しましょう。
世界遺産とはどう関係しますか?
世界遺産は、ユネスコが登録を行っています。日本の世界遺産については、世界遺産で解説しています。
練習問題にチャレンジ
問題1:国際連合の本部がある都市はどこですか。
問題2:安全保障理事会の常任理事国を、5か国すべて答えましょう。
問題3:子どもの命と健康、教育を守る活動をしている国連の機関を何といいますか。
問題4:紛争が起きた地域で、停戦の監視などを行う国連の活動を何といいますか。
答え
問題1:ニューヨークです。
問題2:アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国です。
問題3:ユニセフ(国連児童基金)です。
問題4:PKO(平和維持活動)です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
中級の問題と「要点まとめ」がついたセット(10単元・A4で62ページ)は、noteで販売しています。この単元は「社会・公民パック」に入っています。
まとめ:国連は「しくみ」と「機関のはたらき」
国際連合は、1945年に世界の平和を守るためにつくられ、本部はニューヨークにあります。安全保障理事会の常任理事国5か国は拒否権をもち、ユニセフ・ユネスコ・WHOなどの機関がそれぞれの分野で活動しています。日本は、PKOやODAなどを通じて国際協力を行っています。