「読書と青空は、どちらも上の字が下の字をくわしくしていると思っていた」「不・無・未・非のどれをつけるのか、いつも迷ってしまう」
熟語の組み立ては、中学受験の国語で、漢字の知識問題としてよく出題される単元です。二字熟語がどの組み立てにあたるかを選ぶ問題、同じ組み立ての熟語を選ぶ問題、打ち消しの漢字をつける問題などが出ます。
組み立てを見分けるコツは、熟語を「訓読みにして、文にしてみる」ことです。この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、二字熟語の組み立ての型と見分け方、三字熟語、打ち消しの漢字を整理し、家での練習方法をまとめました。
二字熟語の組み立て

| 組み立て | 例 | 見分け方 |
|---|---|---|
| にた意味の漢字を重ねる | 岩石、身体、豊富、道路、温暖 | 2つの字の意味がほぼ同じ |
| 反対(対)の意味の漢字を重ねる | 強弱、高低、前後、売買、勝敗 | 「強い」と「弱い」のように反対の意味 |
| 上の字が下の字をくわしくする | 青空、急増、海水、深海、国旗 | 「青い空」「急に増える」と読める |
| 下の字が「何を・何に」にあたる | 読書、登山、乗車、帰国、作文 | 「書を読む」「山に登る」と下から読める |
| 上が主語、下が述語 | 日没、人造、地震、国立、雷鳴 | 「日が没する」「人が造る」と読める |
| 上の字が下の字を打ち消す | 不安、無理、未定、非常 | 上に不・無・未・非がつく |
| 下の字が意味をそえる(接尾語) | 美化、知的、酸性、突然 | 下に化・的・性・然などがつく |
見分けるコツは「訓読みにして文にする」。「青い空」は修飾、「書を読む」は目的語、「日が没する」は主語と述語です。
まちがえやすい組み立ての見分け方
「修飾」と「下が目的語」
この2つは、とてもまちがえやすい組み合わせです。
- 上から順に読んで意味が通る:上が下を修飾(例:海水=海の水)
- 下の字から上の字へ返って読む:下が目的語(例:作文=文を作る)
例題1:「乗車」と「新車」の組み立てのちがいを説明しましょう。
「乗車」は「車に乗る」と下から上へ返って読むので、下の字が「何に」にあたる組み立てです。「新車」は「新しい車」と上から読むので、上の字が下の字をくわしくする組み立てです。
下から返って読むものは「目的語」、上から読めるものは「修飾」。
「主語と述語」と「修飾」
- 「〜が…する」と読める:主語と述語(例:地震=地が震える)
- 「〜の…」「〜な…」と読める:修飾(例:地図=地の図)
同じ「地」がついていても、組み立てがちがうことに注意しましょう。
打ち消しの漢字
上に打ち消しの漢字がつく熟語では、どの漢字をつけるかがよく問われます。
| 漢字 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 不 | 〜ではない、〜しない | 不安、不足、不便、不可能 |
| 無 | 〜がない | 無理、無事、無料、無関心 |
| 未 | まだ〜していない | 未定、未来、未知、未完成 |
| 非 | 〜ではない、〜にあらず | 非常、非番、非公開、非常識 |
「未」は「まだ〜ない」。未完成・未成年のように、時間がたてば変わるものにつくことが多い字です。
例題2:次の( )に、不・無・未・非のどれかを入れて熟語を完成させましょう。( )成年、( )公式、( )責任
「未成年」「非公式」「無責任」です。
三字熟語の組み立て
三字熟語は、次のような組み立てに分けられます。
| 組み立て | 例 |
|---|---|
| 一字+二字(上の一字が下の二字をくわしくする) | 新記録、大自然、高気圧 |
| 二字+一字(下の一字が意味をそえる) | 自動車、科学者、運動会 |
| 一字ずつ対等に並ぶ | 松竹梅、上中下、衣食住 |
| 打ち消しの字+二字 | 不完全、無関心、未完成、非公開 |
二字+一字の三字熟語では、「〜的」「〜性」「〜化」「〜者」などがつくものも多くあります。
同じ字を重ねる熟語
「人々」「時々」「山々」のように、同じ字を重ねて、数が多いことや、くり返しを表す熟語もあります。「々」は「くりかえし符号」とよばれ、それだけで読み方をもつ漢字ではありません。
同じ漢字でも組み立てがちがう熟語
同じ漢字を使っていても、組み合わせによって組み立てが変わることがあります。
| 熟語 | 読み方 | 組み立て |
|---|---|---|
| 国立 | 国が立てる | 主語と述語 |
| 国旗 | 国の旗 | 上が下を修飾 |
| 帰国 | 国に帰る | 下が目的語 |
| 国民 | 国の民 | 上が下を修飾 |
例題3:「市営」と「市場」の組み立てのちがいを答えましょう。
「市営」は「市が営む」と読めるので、主語と述語の組み立てです。「市場」は「市の場」と読めるので、上が下をくわしくする組み立てです。
漢字1字だけで判断せず、熟語全体を訓読みにして文にしてから考えます。
よくあるまちがいと対策
- 「読書」を修飾の組み立てと答える:「書を読む」と下から返るので目的語
- 「地震」と「地図」を同じ組み立てにする:「地が震える」は主語と述語、「地の図」は修飾
- 「無」と「未」を混ぜる:「無」は「ない」、「未」は「まだない」
- 「岩石」と「強弱」を同じにする:にた意味と反対の意味を区別する
家庭での練習のコツ
訓読みゲーム
親が二字熟語を言い、子どもが訓読みにして文にするゲームをしてみましょう。「登山」なら「山に登る」、「青空」なら「青い空」と答える練習です。これだけで、組み立ての問題が解けるようになります。
型ごとにカードを集める
7つの型ごとに、熟語カードを集めてみてください。教科書や本に出てきた熟語を、どの型かを考えながら分類すると、語い力も同時にのびます。
打ち消しの漢字は表にする
不・無・未・非の4つは、表にして例を書き加えていきましょう。「不」がいちばん多く、「非」は少ない、という感覚も身につきます。
熟語の組み立てのよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の国語では、3〜4年生で漢字の組み立てや熟語、5〜6年生で熟語の構成を学びます。中学受験向けの教材では、4〜6年生ごろに漢字・語句の知識として学ぶことが多い単元です。
四字熟語も覚えたほうがいいですか?
はい、四字熟語は、意味とともによく出題されます。ことわざや慣用句とあわせて、ことわざ・慣用句の覚え方で少しずつ増やしていきましょう。
漢字が苦手でも取り組めますか?
熟語の組み立ては、漢字の意味が分かると解きやすくなります。漢字の覚え方で、訓読みと意味をセットで覚える練習をしておきましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:「強弱」は、どのような組み立ての熟語ですか。
問題2:「登山」と同じ組み立ての熟語を、次から選びましょう。(深海、作文、温暖、日没)
問題3:「雷鳴」は、どのような組み立ての熟語ですか。
問題4:( )完成の( )に、不・無・未・非のどれを入れると熟語になりますか。
答え
問題1:反対の意味の漢字を重ねた組み立てです。
問題2:作文です(「文を作る」と下から返って読む)。
問題3:上が主語、下が述語の組み立てです(「雷が鳴る」)。
問題4:未です(未完成)。
練習プリント(無料)
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まとめ:熟語は「訓読みにして文にする」
二字熟語の組み立ては、訓読みにして文にしてみると見分けられます。上から読めれば修飾、下から返れば目的語、「〜が…する」なら主語と述語です。打ち消しの不・無・未・非は意味のちがいとセットで覚え、三字熟語も組み立てで整理しましょう。