「主語を探しなさいと言われて、文の最初の言葉を答えてしまう」「修飾語がどの言葉にかかっているのか、うまく見つけられない」
国語の文法は、中学受験の国語で、知識問題として出題される分野です。文節の区切り方、主語と述語、修飾語のかかり受け、品詞などが問われます。配点は大きくないことが多いですが、覚え方のこつをつかめば確実に得点できる分野です。
また、文法の力は、読解問題で長い文の意味を正確に読み取るときにも役立ちます。この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、文節、文の成分、品詞を整理し、家での教え方をまとめました。
文節の区切り方
文節とは、意味が分からなくならない範囲で、文をできるだけ短く区切ったまとまりです。
文節を見つけるには、言葉の切れ目に「ネ」や「サ」を入れてみます。自然に入るところが、文節の切れ目です。
例:小さな(ネ)犬が(ネ)庭で(ネ)元気に(ネ)走る。
この文は、「小さな/犬が/庭で/元気に/走る。」の5つの文節に分かれます。
文節は「ネ」を入れて区切ります。自然に「ネ」が入るところが切れ目です。
文の成分
文の中で、それぞれの文節が果たす役割を「文の成分」といいます。
| 文の成分 | はたらき | 例 |
|---|---|---|
| 主語 | 「だれが」「何が」にあたる | 犬が、花は |
| 述語 | 「どうする」「どんなだ」「何だ」「ある・いる」にあたる | 走る、美しい、小学生だ |
| 修飾語 | ほかの文節をくわしくする | 小さな、庭で、元気に |
| 接続語 | 文や文節をつなぐ | しかし、だから、雨なので |
| 独立語 | ほかの文節と直接関係がない | ああ、はい、山田さん(よびかけ) |
主語と述語の見つけ方

主語と述語は、次の順番で見つけます。
- まず、文の終わりのほうにある述語を見つける
- 次に、その述語に対して「だれが」「何が」にあたる言葉を探す
主語は、文の最初にあるとは限りません。また、「は」「が」だけでなく、「も」「こそ」「さえ」などがついた言葉が主語になることもあります。
例:ぼくも 公園に 行く。(主語は「ぼくも」)
主語は「述語から先に探す」のがコツ。文の最初の言葉とは限りません。
主語が省略された文
日本語では、主語が省略されることがよくあります。
例:きのう、図書館に行った。
この文には主語がありません。問題で「主語がない場合は『なし』と答えなさい」と指示されることもあるので、問題文をよく読みましょう。
述語の4つの形
- どうする:犬が走る。(動作)
- どんなだ:空が青い。(様子)
- 何だ:兄は中学生だ。
- ある・いる・ない:机の上に本がある。
修飾語とかかり受け
修飾語は、ほかの文節をくわしくする文節です。修飾語がどの言葉をくわしくしているかを「かかり受け」といいます。
かかり受けを確かめるには、2つの文節をつないで、意味が通るかを試します。
例:「小さな犬が」は意味が通るので、「小さな」は「犬が」にかかっています。「小さな走る」は意味が通らないので、かかっていません。
かかり受けは「2つをつないで読んで、意味が通るか」で確かめます。
例題1:「赤い 花が たくさん さいた。」の文で、「たくさん」はどの文節にかかっていますか。
「たくさん花が」より「たくさんさいた」のほうが自然に意味が通ります。答えは「さいた」です。
品詞の種類
単語を、そのはたらきや形によって分けたものを品詞といいます。
| 品詞 | 特ちょう | 例 |
|---|---|---|
| 名詞 | ものごとの名前を表す | 犬、学校、東京 |
| 動詞 | 動作や存在を表す。言い切りの形がウ段で終わる | 走る、書く、ある |
| 形容詞 | 様子を表す。言い切りの形が「い」で終わる | 美しい、高い |
| 形容動詞 | 様子を表す。言い切りの形が「だ」で終わる | 静かだ、元気だ |
| 副詞 | 主に動詞・形容詞などをくわしくする | とても、ゆっくり、もし |
| 連体詞 | 名詞だけをくわしくする | この、その、あらゆる、大きな |
| 接続詞 | 文や語をつなぐ | しかし、だから、また |
| 感動詞 | 感動やよびかけ、返事を表す | ああ、おい、はい |
| 助詞 | ほかの語について、関係を示す | が、を、に、は、も |
| 助動詞 | ほかの語について、意味をそえる | れる、ない、だ、た |
様子を表す言葉は、言い切りが「い」なら形容詞、「だ」なら形容動詞です。
まちがえやすい品詞
- 「大きな」「小さな」は連体詞:名詞にしかかからず、形が変わらない(「大きい」は形容詞)
- 「元気に」は形容動詞「元気だ」の形が変わったもの
- 「ある」は、「本がある」なら動詞、「ある日」なら連体詞
よくあるまちがいと対策
- 主語を文の最初の言葉にしてしまう:述語から先に探す
- 主語を「は」「が」のついた言葉だけだと思う:「も」「こそ」などもつく
- 修飾語のかかり先を、すぐ後ろの文節にしてしまう:つないで意味が通るか確かめる
- 「大きな」を形容詞と答える:言い切りの形にできないので連体詞
家庭での教え方のコツ
音読して文節で区切る
教科書や本の文を音読し、文節ごとに「ネ」を入れて区切る練習をしてみましょう。短い時間でもくり返すと、文の組み立てが自然に見えるようになります。
文の図をかく
この記事の図のように、文節を四角でかこみ、主語と述語、修飾語のかかり先を矢印で結ぶ練習をしてください。目に見える形にすると、かかり受けがよく分かります。
読解問題とつなげる
長い文が読みにくいときは、まず主語と述語をぬき出すと、文の意味がつかみやすくなります。文法は、読解の力にもつながります。
国語の文法のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の国語では、主語と述語の関係を低学年から、修飾と被修飾の関係を中学年から学びます。品詞の分類は中学校で本格的に学ぶ内容ですが、学校によっては中学受験でも出題されます。
文法は入試でどのくらい出ますか?
文法の問題がほとんど出ない学校もあれば、毎年出す学校もあります。志望校の過去問で、どのような形で出ているかを確認しておきましょう。
読解問題が苦手な場合は、何から始めればいいですか?
読解の基本の進め方は、中学受験の国語の読解が苦手な原因と対策で解説しています。語い力をつけるには、漢字やことわざ・慣用句の学習も役立ちます。
練習問題にチャレンジ
問題1:「白い 雲が 空に うかんで いる。」を、文節に区切ると、いくつになりますか。
問題2:「妹も 来週 遠足に 行く。」の主語と述語を答えましょう。
問題3:「とても 大きな 船が 港に 着いた。」で、「とても」はどの文節にかかっていますか。
問題4:「静かだ」「しかし」「あの」の品詞を、それぞれ答えましょう。
答え
問題1:「白い/雲が/空に/うかんで/いる。」の5つです。
問題2:主語は「妹も」、述語は「行く」です。
問題3:「大きな」にかかっています(とても大きな)。
問題4:「静かだ」は形容動詞、「しかし」は接続詞、「あの」は連体詞です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:文法は「区切る・見つける・つなぐ」
文法は、「ネ」を入れて文節に区切り、述語から主語を見つけ、修飾語はつないで読んでかかり先を確かめる、という手順で解けます。品詞は、言い切りの形や、どの言葉にかかるかで見分けましょう。読解で長い文を読むときにも、主語と述語をぬき出す習慣が役立ちます。