「ツバメは夏鳥だったか冬鳥だったか、すぐに忘れてしまう」「タンポポの冬ごしのすがたを、ロゼットと答えられなかった」
季節と生き物は、中学受験の理科の生物分野で、知識問題としてよく出題される単元です。季節ごとの植物と動物のようす、渡り鳥、植物や動物の冬ごしのすがたなどが、写真や図とともに問われます。身近な自然の観察と結びつけやすい単元でもあります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、季節ごとの生き物のようす、冬ごしのしかた、渡り鳥などを整理し、家での覚え方をまとめました。
気温と生き物のようす
生き物のようすは、気温の変化と深い関係があります。
- 気温が高くなる春から夏:植物はよく成長し、花をさかせる。動物の活動がさかんになる
- 気温が低くなる秋から冬:植物はかれたり、葉を落としたりする。動物は活動がにぶくなり、冬ごしの準備をする
生き物のようすは「気温」で変わります。暖かいと活発、寒いと冬ごしのすがたになります。
季節ごとの生き物のようす

| 季節 | 植物 | 動物 |
|---|---|---|
| 春 | サクラ・タンポポ・アブラナが花をさかせる。木の芽が出る | ツバメが南の国から来て巣をつくる。モンシロチョウが飛び始める |
| 夏 | ヘチマ・ヒョウタンのつるがよくのび、葉がしげる | セミが鳴く。カブトムシが活動する。カエルが活発になる |
| 秋 | イチョウ・カエデが色づく。実や種子ができる | コオロギ・スズムシが鳴く。ツバメが南の国へ帰る |
| 冬 | 多くの木が葉を落とし、冬芽で冬をこす | カエルやヘビは冬眠する。こん虫は卵やさなぎなどで冬をこす |
渡り鳥
季節によって、すむ場所を変える鳥を渡り鳥といいます。
| 種類 | 日本で見られる季節 | 例 |
|---|---|---|
| 夏鳥 | 春に南の国から来て、日本で子育てをし、秋に南へ帰る | ツバメ、カッコウ、ホトトギス |
| 冬鳥 | 秋に北の国から来て、日本で冬をこし、春に北へ帰る | ハクチョウ、マガモ、ツル(ナベヅルなど) |
ツバメは「夏鳥」、ハクチョウは「冬鳥」。日本で子育てをするのが夏鳥です。
一年中同じ地域にすむスズメやカラスなどは、留鳥といいます。
植物の冬ごし
植物は、いろいろなすがたで寒い冬をこします。
| 冬ごしのすがた | 例 |
|---|---|
| 冬芽(葉を落とした枝に芽をつける) | サクラ、イチョウ、カエデ |
| ロゼット(葉を地面に広げてはりつける) | タンポポ、ナズナ、オオバコ |
| 種子 | ヘチマ、アサガオ、ヒマワリ |
| 地下のくき・根 | ジャガイモ、チューリップ(球根) |
ロゼットは、地面に葉を放射状に広げたすがたです。地面の近くは風が弱く、比較的あたたかいことや、葉を広げて日光をたくさん受けられることが、冬をこすのに役立っていると考えられています。
タンポポは「ロゼット」、サクラは「冬芽」、ヘチマ・アサガオは「種子」で冬をこします。
落葉樹と常緑樹
- 落葉樹:秋から冬に葉を落とす木(サクラ、イチョウ、カエデなど)
- 常緑樹:一年中葉をつけている木(マツ、スギ、ツバキなど)
動物の冬ごし
- 冬眠する:カエル、ヘビ、カメ、クマなど。土の中や穴の中でじっとして過ごす
- こん虫:種類によって、卵・よう虫・さなぎ・成虫のすがたで冬をこす
- 冬毛になる:ウサギやキツネなど、毛が生えかわって寒さを防ぐ
こん虫の冬ごしのすがたは、こん虫の記事でくわしく表にまとめています。
桜前線と紅葉前線
日本は南北に長いので、同じ季節の変化でも、地域によって時期がちがいます。
- サクラの開花(桜前線):南の暖かい地域から始まり、北へ進む
- カエデの紅葉(紅葉前線):北の寒い地域や標高の高いところから始まり、南へ進む
例題1:サクラの開花日を地図に結んだ線は、どの方角からどの方角へ進みますか。
暖かい南から始まり、北へ進みます。
気温のはかり方
季節と生き物の観察では、気温の記録もよく出題されます。
- 地面から1.2〜1.5mくらいの高さではかる
- 風通しのよい、日光が直接当たらないところではかる
- 温度計に、直接日光が当たらないようにおおいをする
百葉箱は、この条件に合うように作られた、気温をはかるための箱です。
生き物の観察記録のとり方
季節と生き物の学習では、観察記録の書き方もよく問われます。
- 観察した日付・時刻・天気・気温を書く
- 生き物のようすを、絵と言葉でかく(大きさ・色・形・数)
- 前回の観察と比べて、変わったところを書く
同じ場所・同じ時刻に観察し続けると、季節による変化が比べやすくなります。
例題2:ヘチマの成長を記録するとき、毎回同じ時刻に気温をはかるのはなぜですか。
時刻がちがうと、1日の中での気温の変化が入ってしまい、季節による気温の変化と比べにくくなるからです。
観察は「同じ場所・同じ時刻」で続けると、季節の変化がよく分かります。
よくあるまちがいと対策
- ツバメを冬鳥と答える:日本で子育てをするのは夏鳥
- タンポポの冬ごしを「種子」と答える:葉を地面に広げたロゼット
- 桜前線と紅葉前線の進む向きを同じにする:サクラは南から北、紅葉は北から南
- 気温を地面の近くではかる:1.2〜1.5mの高さではかる
家庭での覚え方のコツ
同じ木を1年間観察する
近くの公園や庭の木を1本決めて、季節ごとに写真をとってみましょう。花・葉・実・冬芽と、1年の変化が自分の目で分かります。
散歩で生き物を探す
季節ごとに、散歩をしながら鳴いている虫や鳥、さいている花を親子で探してみてください。「今の季節に見られるもの」を体験と結びつけると、忘れにくくなります。
季節の表を自分で作る
この記事の表のように、季節ごとの植物と動物を表にまとめ、見つけたものを書き加えていきましょう。
季節と生き物のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、4年生で季節と生き物のようす(暖かくなると・寒くなると)を、1年間を通して観察しながら学びます。中学受験向けの教材では、4年生ごろに学ぶことが多い単元です。
植物の名前はどこまで覚えればいいですか?
まずは、この記事の表に出てくる身近な植物と動物を確実に覚えましょう。花の色や形と季節をセットで覚えると、写真の問題にも対応できます。
ほかの単元とどうつながりますか?
花のつくりは花のつくりと受粉、気温と太陽の関係は太陽の動きで解説しています。
練習問題にチャレンジ
問題1:春に南の国から日本に来て、子育てをする鳥を何といいますか。
問題2:タンポポは、どのようなすがたで冬をこしますか。
問題3:冬眠する動物を1つ答えましょう。
問題4:気温をはかるときは、地面からどれくらいの高さではかりますか。
答え
問題1:夏鳥です(ツバメなど)。
問題2:ロゼット(葉を地面に広げたすがた)で冬をこします。
問題3:カエル、ヘビ、カメ、クマなどです。
問題4:1.2〜1.5mくらいの高さです。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:季節と生き物は「気温」と「冬ごし」で整理する
生き物のようすは、気温の変化とともに変わります。季節ごとの植物と動物、夏鳥と冬鳥、植物の冬ごし(冬芽・ロゼット・種子)、動物の冬眠を、表にして整理しましょう。身近な自然の観察を続けることが、いちばんの覚え方です。