「クモはこん虫じゃないと言われても、どこがちがうのか説明できない」「さなぎになる虫とならない虫が、いつも混ざってしまう」
こん虫は、中学受験の理科の生物分野で、くり返し出題される単元です。からだのつくり、育ち方(さなぎになるかどうか)、冬ごしのすがたなど、覚えることは多いですが、整理の仕方さえ分かれば得点しやすい単元でもあります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、こん虫のからだのつくり、育ち方、口のつくり、冬ごしを整理し、家での覚え方をまとめました。
こん虫のからだのつくり

こん虫のからだには、次の特ちょうがあります。
- からだが、頭・胸・腹の3つに分かれている
- あしが6本あり、すべて胸についている
- はねがある場合は、胸についている(多くは4枚)
- 頭に、目・口・しょっ角がある
こん虫は「頭・胸・腹の3つ」「あし6本は全部胸」。この2つが見分けるポイントです。
腹には、空気を取り入れる「気門」というあながあります。こん虫は、気門から空気を取り入れて呼吸しています。
こん虫ではない生き物
| 生き物 | からだの分かれ方 | あしの数 |
|---|---|---|
| クモ | 頭胸部と腹部の2つ | 8本 |
| ダンゴムシ | 多くのふしに分かれている | 14本 |
| ムカデ | 多くのふしに分かれている | たくさん |
クモ、ダンゴムシ、ムカデは、こん虫ではありません。名前に「ムシ」がついていても、こん虫とは限らないので注意しましょう。
クモはあし8本、からだ2つ。こん虫ではありません。
こん虫の育ち方
こん虫は、たまごからかえり、成長して成虫になります。育ち方には2つの種類があります。
| 育ち方 | 順番 | 例 |
|---|---|---|
| 完全変態(さなぎになる) | たまご、よう虫、さなぎ、成虫 | チョウ、カブトムシ、ハチ、ハエ、カ、テントウムシ |
| 不完全変態(さなぎにならない) | たまご、よう虫、成虫 | バッタ、トンボ、セミ、カマキリ、コオロギ |
さなぎになるのは「チョウ・カブトムシ・ハチ・ハエ・カ・テントウムシ」。バッタ・トンボ・セミ・カマキリはならない。
さなぎの時期は、何も食べずにじっとしていますが、からだの中では、成虫のからだへと大きく作りかえられています。
よう虫と成虫のすがた
完全変態のこん虫は、よう虫と成虫のすがたや食べ物が大きくちがいます。例えば、モンシロチョウのよう虫(青虫)はキャベツなどの葉を食べ、成虫は花のみつをすいます。
不完全変態のこん虫は、よう虫と成虫のすがたが似ていることが多くあります(トンボのよう虫のヤゴは、水の中でくらすので例外的にすがたがちがいます)。
口のつくりと食べ物
こん虫の口は、食べ物に合ったつくりになっています。
| 口のつくり | こん虫の例 | 食べ物 |
|---|---|---|
| ストローのようにのびる(すう口) | チョウ、ガ | 花のみつ |
| さしてすう口 | セミ、カ | 木のしる、動物の血 |
| かむ口 | バッタ、カマキリ、カブトムシのよう虫 | 草、ほかの虫、くさった葉など |
| なめる口 | ハエ | 食べ物のしる |
こん虫の冬ごし
こん虫は、種類によってちがうすがたで冬をこします。
| 冬ごしのすがた | こん虫の例 |
|---|---|
| たまご | カマキリ、バッタ、コオロギ |
| よう虫 | カブトムシ、セミ |
| さなぎ | アゲハ、モンシロチョウ |
| 成虫 | テントウムシ、ハチの女王 |
冬ごしのすがたは、入試でとてもよく問われます。表にして、何度も確認しておきましょう。
チョウの卵の産み方
チョウは、よう虫が食べる植物に卵を産みます。
- モンシロチョウ:キャベツ、アブラナなど
- アゲハ:ミカン、サンショウなど
よう虫が生まれてすぐに食べ物を食べられるように、卵を産む場所が決まっています。
こん虫の呼吸と感覚
こん虫は、腹などにある気門から空気を取り入れ、からだの中にはりめぐらされた気管で、全身に酸素を送っています。人のように肺で呼吸しているわけではありません。
頭にあるしょっ角は、においを感じたり、まわりのようすをさぐったりするはたらきをしています。目は、小さな目がたくさん集まった「複眼」で、トンボやハエは、広い範囲を一度に見ることができます。複眼のほかに、明るさを感じる「単眼」をもつこん虫もいます。
例題1:アリ・クモ・ダンゴムシ・セミのうち、こん虫をすべて選びましょう。
アリとセミです。アリは、からだが頭・胸・腹に分かれ、あしが6本あるので、こん虫です。クモはあし8本、ダンゴムシはあし14本なので、こん虫ではありません。
よくあるまちがいと対策
- クモをこん虫と答える:あし8本、からだ2つ
- あしが腹についていると答える:あし6本は全部胸
- トンボやセミをさなぎになると答える:「さなぎにならない」グループで覚える
- 冬ごしのすがたを混ぜる:表にして、すがたごとにまとめて覚える
家庭での覚え方のコツ
本物を観察する
公園や庭で、アリ、ダンゴムシ、テントウムシ、チョウなどを観察してみましょう。「あしは何本?」「からだはいくつに分かれている?」と親子で数えると、こん虫とそうでない生き物のちがいが実感できます。
図かんや動画で育ち方を見る
チョウやカブトムシの育ち方は、図かんや動画で見ると、さなぎから成虫になるようすがよく分かります。実際に飼ってみるのも、とてもよい経験になります。
グループごとに語呂合わせ
「さなぎになる・ならない」「冬ごしのすがた」は、グループごとに語呂合わせを親子で作ってみてください。自分で作ったものは忘れにくくなります。
こん虫のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、3年生でこん虫のからだのつくりと育ち方を学びます。中学受験向けの教材では、3〜4年生で基本を学び、5〜6年生で動物全体の分類とあわせて復習することが多い単元です。
こん虫の名前はどこまで覚えればいいですか?
まずは、この記事の表に出てくる身近なこん虫を確実に覚えましょう。余裕があれば、参考書で取り上げられているこん虫を少しずつ増やしていきます。
動物全体の分類との関係は?
こん虫は、背骨のない動物のうち、からだやあしにふしがある「節足動物」のなかまです。背骨のある動物の分類は、動物の分類(セキツイ動物)で解説しています。
練習問題にチャレンジ
問題1:こん虫のあしは何本で、からだのどこについていますか。
問題2:次のうち、さなぎになるこん虫をすべて選びましょう。(バッタ、カブトムシ、トンボ、モンシロチョウ、セミ)
問題3:カマキリは、どのようなすがたで冬をこしますか。
問題4:クモがこん虫ではない理由を、1つ答えましょう。
答え
問題1:6本で、すべて胸についています。
問題2:カブトムシとモンシロチョウです。
問題3:たまごで冬をこします。
問題4:あしが8本だから(からだが2つに分かれているから)です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:こん虫は「つくり・育ち方・冬ごし」の3つ
こん虫は、頭・胸・腹の3つに分かれ、あし6本がすべて胸についています。育ち方は、さなぎになる完全変態と、ならない不完全変態に分けて覚えましょう。冬ごしのすがたは、表にして何度も確認するのが近道です。