「メダカのおすとめすを、ひれの形で見分ける問題がいつもあやふや」「たいばんとへそのおのはたらきを、うまく説明できない」
生命のたんじょうは、中学受験の理科の生物分野で、メダカと人を比べながら出題される単元です。メダカのおすとめすの見分け方、卵の変化、人の子どもが母親の体の中で育つしくみなどが、図とともに問われます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、メダカのたんじょうと人のたんじょうを整理し、2つのちがいと共通点、家での覚え方をまとめました。
メダカのおすとめす
メダカのおすとめすは、ひれの形で見分けます。
| 部分 | おす | めす |
|---|---|---|
| せびれ | 切れこみがある | 切れこみがない |
| しりびれ | 大きく、平行四辺形に近い形 | 小さく、後ろのほうが短い |
| はら | ふくれていない | ふくれている(卵があるとき) |
せびれに切れこみがあり、しりびれが大きいのがおす。めすはせびれに切れこみがなく、はらがふくれています。
めすは、水草などに卵を産みつけます。卵は、おすが出した精子と結びつく(受精する)と、受精卵になって育ち始めます。
メダカの卵の変化
メダカの受精卵は、直径約1mmの大きさです。水温が25℃ほどのとき、約11日で子メダカがかえります。
卵の中では、次のような順で変化します。
- 受精卵の中に、あわのようなものが見える
- 体のもとになる部分ができてくる
- 目がはっきりして、心臓が動き、血液が流れるようすが見える
- 卵の中で体が動くようになり、やがて卵のまくを破って出てくる
かえったばかりの子メダカは、はらにふくろがあり、2〜3日はその中の養分で育ちます。そのあとは、水中の小さな生き物などを食べて大きくなります。
メダカは、卵の中の養分で育ち、かえったあとも数日ははらのふくろの養分で育ちます。
人のたんじょう

人の場合、女性の体の中でつくられる卵(卵子)と、男性の体の中でつくられる精子が結びついて、受精卵になります。人の受精卵は、直径約0.1mmのとても小さなものです。
受精卵は、母親の子宮の中で育ちます。
- 約4週:心臓が動き始める
- 約8週:手や足の形がはっきりしてくる
- 約24週:子宮の中でよく動くようになる
- 約38週:生まれる(身長約50cm、体重約3kg)
人は受精してから約38週で生まれます。受精卵の大きさは、メダカ約1mm、人約0.1mmです。
子宮の中で育つしくみ
子宮の中の子ども(胎児)は、次のつくりによって守られ、育ちます。
| つくり | はたらき |
|---|---|
| たいばん | 母親から養分や酸素を受け取り、いらなくなったものをわたす |
| へそのお | たいばんと胎児をつなぎ、養分やいらなくなったものを運ぶ |
| 羊水 | 子宮の中を満たす液体。外からのしょうげきから胎児を守る |
たいばんでは、母親の血液と胎児の血液は直接まざらず、養分や酸素、いらなくなったものだけが受けわたされます。
たいばんは「受けわたしの場所」、へそのおは「通り道」、羊水は「クッション」。
メダカと人のちがいと共通点
| メダカ | 人 | |
|---|---|---|
| 育つ場所 | 水中の卵の中 | 母親の子宮の中 |
| 養分 | 卵の中の養分 | たいばん・へそのおを通して母親から |
| 生まれるまで | 約11日(水温25℃ほど) | 約38週 |
| 受精卵の大きさ | 直径約1mm | 直径約0.1mm |
どちらも、卵(卵子)と精子が結びついた受精卵から育つ点は同じです。人の受精卵がメダカより小さいのは、人は母親から養分をもらって育つので、卵の中に養分をたくわえておく必要がないからです。
植物の受粉とのつながり
植物も、めしべの先に花粉がつく「受粉」によって、実や種子ができます。動物の受精と同じように、新しい生命が生まれるしくみです。アサガオやヘチマの花のつくりと受粉の実験も、あわせて出題されることがあります。
メダカの飼い方と観察
メダカの飼い方も、実験・観察の問題として出題されます。
- 水そうは、日光が直接当たらない明るいところに置く
- 水道水は、くみ置きして1日ほどおいたものを使う
- 水草を入れる(めすが卵を産みつける場所になる)
- えさは、食べ残さない量をあたえる
- おすとめすをいっしょに飼う
卵を観察するときは、卵がついた水草ごと別の入れ物にうつし、かいぼうけんびきょうやそう眼実体けんびきょうで見ます。
「日光が直接当たらない」「くみ置きの水」「水草を入れる」がメダカの飼い方の3つのポイントです。
よくあるまちがいと対策
- メダカのおすとめすを逆にする:「おすはせびれに切れこみ、しりびれが大きい」
- メダカの子が、かえってすぐにえさを食べると考える:数日ははらのふくろの養分で育つ
- たいばんで母親と胎児の血液がまざると考える:血液はまざらず、物質だけが受けわたされる
- 受精卵の大きさを逆にする:メダカは約1mm、人は約0.1mm
家庭での覚え方のコツ
メダカを飼って観察する
メダカは、家庭でも飼いやすい魚です。水草に産みつけられた卵を虫めがねで観察すると、目や心臓ができていくようすが分かります。実際に見た経験は、記憶に強く残ります。
自分が生まれたときの話をする
母子手帳を見ながら、生まれたときの身長や体重を親子で確かめてみてください。教科書の「約50cm、約3kg」が、自分のこととして身近に感じられます。
表で比べて覚える
この記事の表のように、メダカと人を同じ項目で比べる表を自分で書いてみましょう。ちがいと共通点が整理できます。
生命のたんじょうのよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、5年生で、メダカのたんじょうと人のたんじょう、植物の発芽や受粉を学びます。中学受験向けの教材でも、4〜5年生ごろに学ぶことが多い単元です。
顕微鏡の使い方も出ますか?
はい、メダカの卵や水中の小さな生き物を観察するときの、顕微鏡の使い方がよく出ます。対物レンズとプレパラートを近づけてから、遠ざけながらピントを合わせる、という手順を覚えておきましょう。
動物の分類とのつながりは?
メダカは魚類で卵生、人はほ乳類で胎生です。動物の分類(セキツイ動物)とあわせて学ぶと、理解が深まります。
練習問題にチャレンジ
問題1:メダカのせびれに切れこみがあるのは、おすとめすのどちらですか。
問題2:かえったばかりの子メダカは、数日の間、何から養分を得ていますか。
問題3:人の胎児が母親から養分や酸素を受け取る、子宮のかべにあるつくりを何といいますか。
問題4:人は、受精してから約何週で生まれますか。
答え
問題1:おすです。
問題2:はらにあるふくろの中の養分です。
問題3:たいばんです。
問題4:約38週です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
算数・理科・社会・国語の全170単元をまとめた「全部入りパック」(A4・5冊のPDF)にも、この単元の要点まとめと中級問題が入っています。
まとめ:生命のたんじょうは「メダカと人を比べる」
メダカは水中の卵の中で、卵の養分で育ち、約11日でかえります。人は母親の子宮の中で、たいばんとへそのおを通して養分をもらい、約38週で生まれます。どちらも受精卵から育つという共通点と、育ち方のちがいを、表で比べて覚えましょう。