「マグマのねばりけが強いと、火山はどんな形になるんだっけ」「初期微動継続時間を使った計算問題が苦手」
火山と地震は、中学受験の理科の地学分野で、よく出題される単元です。マグマのねばりけと火山の形、火山の岩石のつくり、地震のゆれの伝わり方と計算、震度とマグニチュードのちがいなどが問われます。日本は火山や地震が多い国なので、防災と結びつけた問題も増えています。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、火山と地震の基本を整理し、計算問題の解き方と家での覚え方をまとめました。
火山のしくみ
地下の深いところで、岩石がとけてどろどろになったものを「マグマ」といいます。マグマが地表にふき出すことを噴火といい、噴火によってできた山が火山です。
噴火のときには、次のようなものが出てきます。
- 溶岩:マグマが地表に流れ出たもの
- 火山灰:細かいつぶ。風に運ばれて遠くまで積もる
- 火山弾・軽石:ふき飛ばされたマグマのかたまり
- 火山ガス:主に水蒸気。二酸化炭素などもふくむ
マグマのねばりけと火山の形

火山の形は、マグマのねばりけによって変わります。
| マグマのねばりけ | 火山の形 | 噴火のようす | 溶岩の色 | 例 |
|---|---|---|---|---|
| 強い | ドーム状(おわんをふせた形) | はげしい、爆発的 | 白っぽい | 昭和新山、雲仙普賢岳 |
| 中くらい | 円すい形 | 中くらい | 中くらい | 富士山、桜島 |
| 弱い | たてを伏せた形(なだらか) | おだやか、溶岩が流れる | 黒っぽい | マウナロア(ハワイ) |
ねばりけが強いほど「もり上がった形・はげしい噴火・白っぽい」。弱いほど「なだらか・おだやか・黒っぽい」。
火山の岩石
マグマが冷えて固まった岩石を、火成岩といいます。冷え方によって、2つに分けられます。
| 種類 | でき方 | つくり | 例 |
|---|---|---|---|
| 火山岩 | 地表や地表近くで、急に冷えて固まった | 大きな結晶が、小さなつぶの中に散らばる(はん状組織) | 流紋岩、安山岩、玄武岩 |
| 深成岩 | 地下の深いところで、ゆっくり冷えて固まった | 大きな結晶がすき間なく組み合わさる(等粒状組織) | 花こう岩、せん緑岩、はんれい岩 |
急に冷えると結晶が育たず「はん状」、ゆっくり冷えると結晶が大きく育って「等粒状」。
地震のしくみ
地下の岩石に大きな力が加わり、岩石がこわれてずれるときに、地震が起こります。日本列島のまわりには、4つのプレート(地球の表面をおおう岩の板)の境目があり、地震や火山がとても多い地域です。
- 震源:地震が起こった地下の場所
- 震央:震源の真上の地表の地点
地震のゆれの伝わり方
地震のゆれには、2つの種類があります。
- 初期微動:はじめに来る小さなゆれ。速く伝わるP波によって起こる
- 主要動:あとから来る大きなゆれ。おそく伝わるS波によって起こる
初期微動が始まってから主要動が始まるまでの時間を、初期微動継続時間といいます。震源から遠いほど、初期微動継続時間は長くなります。
初期微動継続時間は、震源までのきょりに比例します。遠いほど長くなります。
例題1:P波が秒速6km、S波が秒速4kmで伝わるとき、震源から120km離れた地点の初期微動継続時間は何秒ですか。
P波がとどくのは120÷6=20秒後、S波がとどくのは120÷4=30秒後です。初期微動継続時間は、30-20=10秒です。
例題2:例題1と同じ条件で、初期微動継続時間が15秒の地点は、震源から何km離れていますか。
例題1で、120kmのとき10秒でした。初期微動継続時間はきょりに比例するので、15秒なら120×15÷10=180kmです。
緊急地震速報は、速く伝わるP波を観測して、大きなゆれ(S波)がとどく前に知らせるしくみです。
震度とマグニチュード
| 震度 | マグニチュード | |
|---|---|---|
| 表すもの | それぞれの地点でのゆれの強さ | 地震そのものの規模(エネルギーの大きさ) |
| 1つの地震で | 地点によってちがう | 1つの値 |
| 段階 | 0〜7の10段階(5と6に弱・強がある) | 数字が1大きくなると、エネルギーは約32倍 |
震度は「その場所のゆれ」、マグニチュードは「地震そのものの大きさ」。
火山や地震による災害とめぐみ
火山や地震は、大きな災害をもたらします。
- 火山:火砕流、溶岩流、火山灰による被害
- 地震:建物のたおかい、土砂くずれ、液状化、津波
一方で、火山は、温泉、地熱発電、美しい景観などのめぐみももたらします。ハザードマップで地域の危険を確かめておくことも、災害へのそなえとして大切です。
よくあるまちがいと対策
- ねばりけと火山の形を逆にする:「ねばりけが強いと、もり上がる(ドーム状)」
- 火山岩と深成岩のつくりを逆にする:「深成岩はゆっくり冷えて結晶が大きい」
- 震度とマグニチュードを混ぜる:「震度は場所ごと、マグニチュードは1つ」
- 初期微動継続時間を、P波がとどくまでの時間と考える:S波とP波のとどく時間の差
家庭での覚え方のコツ
ホットケーキで考える
ホットケーキの生地を、かためとやわらかめで作って皿に落としてみると、かたい生地はもり上がり、やわらかい生地は広がります。マグマのねばりけと火山の形の関係が、体験で分かります。
地震のニュースで確かめる
地震のニュースでは、「震源の深さ」「マグニチュード」「各地の震度」が発表されます。親子でニュースを見ながら、「マグニチュードは1つ、震度は場所ごと」を確かめてみましょう。
家のハザードマップを見る
住んでいる地域のハザードマップを、親子で見てみてください。理科の学習が、自分や家族の安全につながることが実感できます。
火山と地震のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の理科では、6年生で土地のつくりと変化として、火山の活動や地震による土地の変化を学びます。中学受験向けの教材では、5〜6年生ごろに学ぶことが多い単元です。
岩石の名前はどこまで覚えればいいですか?
火山岩(流紋岩・安山岩・玄武岩)と深成岩(花こう岩・せん緑岩・はんれい岩)の6つと、それぞれのつくりを覚えておきましょう。たい積岩は流れる水と地層で解説しています。
地震の計算問題は難しいですか?
速さの考え方がそのまま使えます。速さの基本を確認してから取り組むと、スムーズに解けます。
練習問題にチャレンジ
問題1:マグマのねばりけが弱い火山は、どのような形になりますか。
問題2:地下の深いところで、マグマがゆっくり冷えて固まった岩石を何といいますか。
問題3:地震のはじめに来る小さなゆれを何といいますか。
問題4:例題1と同じ条件で、震源から60km離れた地点の初期微動継続時間は何秒ですか。
答え
問題1:たてを伏せたような、なだらかな形になります。
問題2:深成岩です。
問題3:初期微動です。
問題4:P波は10秒後、S波は15秒後にとどくので、5秒です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
算数・理科・社会・国語の全170単元をまとめた「全部入りパック」(A4・5冊のPDF)にも、この単元の要点まとめと中級問題が入っています。
まとめ:火山は「ねばりけ」、地震は「2つのゆれ」
火山は、マグマのねばりけによって形や噴火のようす、溶岩の色が変わります。火成岩は冷え方で、火山岩と深成岩に分かれます。地震は初期微動と主要動の2つのゆれで伝わり、初期微動継続時間は震源までのきょりに比例します。震度とマグニチュードのちがいも確実に覚えましょう。