「山脈や川の名前が多すぎて、覚えられない」「扇状地と三角州のちがいを説明できない」
日本の地形は、中学受験の社会の地理で、すべての分野の土台になる単元です。気候、農業、工業、都道府県など、地理のどの問題でも、山地・川・平野の位置が関わってきます。地図の問題では、山脈や川、平野の名前を答える問題がよく出ます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、日本の地形の全体像、山地、川、平野と盆地、川がつくる地形、海岸の地形を整理し、家での覚え方をまとめました。
日本の地形の全体像
日本の国土は、約4分の3が山地(山や丘陵)です。平地は少なく、人々の多くは、海ぞいの平野や、山に囲まれた盆地でくらしています。
日本は国土の約4分の3が山地。少ない平野に、人口や産業が集まっています。
山地と山脈
日本アルプス
本州の中央部には、3000m前後の高い山々が連なる3つの山脈があり、まとめて「日本アルプス」とよばれます。
- 飛騨山脈(北アルプス)
- 木曽山脈(中央アルプス)
- 赤石山脈(南アルプス)
日本アルプスの東側には、本州を東西に分けるように、フォッサマグナとよばれる大きなみぞ状の地形が通っています。
主な山脈・山地
| 地方 | 主な山脈・山地 |
|---|---|
| 東北地方 | 奥羽山脈(東北地方の中央を南北に走る)、出羽山地、北上高地 |
| 中部地方 | 飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈(日本アルプス) |
| 近畿地方 | 紀伊山地 |
| 中国地方 | 中国山地 |
| 四国地方 | 四国山地 |
| 九州地方 | 九州山地 |
日本で最も高い山は、静岡県と山梨県にまたがる富士山(3776m)です。
日本の川の特ちょう
日本の川は、外国の大きな川に比べて、長さが短く、流れが急なのが特ちょうです。国土がせまく、山地から海までの距離が短いためです。
- 最も長い川:信濃川(長野県・新潟県)
- 流域面積が最も広い川:利根川(関東地方)
- 日本最大の湖:琵琶湖(滋賀県)
流れが急なため、大雨のときには一気に水かさが増え、洪水が起こりやすくなります。そのため、昔からダムや堤防をつくるなど、水害を防ぐ工夫が行われてきました。
日本の川は「短くて急」。最も長いのは信濃川、流域面積が最も広いのは利根川。
平野と盆地
- 平野:川が運んだ土砂が積もってできた、海ぞいの平らな土地
- 盆地:まわりを山に囲まれた、平らな土地
日本で最も広い平野は、関東平野です。そのほか、石狩平野(北海道)、越後平野(新潟県)、庄内平野(山形県)、濃尾平野(愛知県・岐阜県)などがよく出題されます。平野の多くは、大きな川の下流に広がっています。
盆地では、山梨県の甲府盆地、山形県の山形盆地、長野県の長野盆地などが、果物の産地として知られています。盆地は、夏と冬、昼と夜の気温の差が大きいことが特ちょうです。
川がつくる地形:扇状地と三角州

川は、山をけずり、土砂を運び、下流に積もらせて、いろいろな地形をつくります。
- 扇状地:川が山地から平地に出たところで、流れがゆるやかになり、土砂が扇の形に積もってできる。つぶの大きい砂や石が多く、水はけがよいので、果樹園などに利用される
- 三角州:川が海や湖に流れこむ河口付近で、細かい土砂が積もってできる。平らで水が得やすく、水田や都市として利用される
広島市の中心部は、太田川の河口にできた三角州の上に広がっています。山梨県の甲府盆地には、扇状地を利用した果樹園が広がっています。
扇状地は「山のふもと・水はけがよい・果樹園」、三角州は「河口・平ら・水田や都市」。
海岸の地形
- リアス海岸:山地が海にしずんでできた、入り江と岬が入り組んだ海岸。波がおだやかで、養殖業に向いている。三陸海岸の南部、志摩半島、若狭湾などが知られている
- 砂浜海岸:砂が積もってできた、なだらかな海岸。九十九里浜(千葉県)などが知られている
リアス海岸は、湾の奥に波が集まりやすく、津波の被害が大きくなりやすいという面もあります。
日本のまわりの海と海流
日本は海に囲まれた島国で、まわりの海には、暖かい海流(暖流)と冷たい海流(寒流)が流れています。
| 海流 | 種類 | 流れているところ |
|---|---|---|
| 黒潮(日本海流) | 暖流 | 太平洋側を南から北へ |
| 対馬海流 | 暖流 | 日本海側を南から北へ |
| 親潮(千島海流) | 寒流 | 太平洋側を北から南へ |
| リマン海流 | 寒流 | 日本海の大陸側を北から南へ |
暖流と寒流がぶつかるところを「潮目(潮境)」といい、魚のえさになるプランクトンが多く集まるので、よい漁場になります。三陸海岸の沖は、黒潮と親潮がぶつかる潮目として知られています。海流は、気候や水産業とも深く関わっているので、あわせて覚えておきましょう。
よくあるまちがいと対策
- 日本アルプスの3つの山脈の順番を取りちがえる:北から「飛騨・木曽・赤石」と、北・中央・南をセットで覚える
- 最も長い川と、流域面積が最も広い川を逆にする:「長さは信濃川、広さは利根川」
- 扇状地と三角州のできる場所を逆にする:「扇状地は山のふもと、三角州は海の近く」
- 平野と盆地の区別があいまい:「海に面しているか、山に囲まれているか」で区別する
家庭での覚え方のコツ
白地図に書きこむ
日本の白地図に、主な山脈・川・平野を書きこんでいきましょう。山脈は茶色、川は青、平野は緑のように色を決めると、地図が見やすくなります。何も見ずに書けるようになるまで、くり返すのが効果的です。
地図帳や立体地図を見る
地図帳の土地の高さを色で表したページや、立体的に見える地図を見ると、山地と平野の位置関係がよく分かります。インターネットの地図で、航空写真を見てみるのもおすすめです。
旅行や帰省で確かめる
旅行や帰省のときに、通る山や川、平野の名前を地図で確かめてみましょう。実際に見た景色と結びつくと、地名がぐっと覚えやすくなります。
日本の地形のよくある質問
地形は何年生で学びますか?
小学校の社会では、5年生で日本の国土の地形を学びます。中学受験向けの教材では、4年生ごろから地理の最初の単元として学ぶことが多い分野です。
山脈や川の名前は、どこまで覚えればいいですか?
まずは、この記事で紹介したような、教科書や参考書で太字になっている主なものを確実に覚えましょう。そのうえで、都道府県の学習とあわせて、それぞれの地域の山・川・平野を少しずつ増やしていくのがおすすめです。
地形は気候や農業とどうつながりますか?
地形は、気候や産業と深く結びついています。たとえば、山地にはさまれた瀬戸内は雨が少なく、扇状地は果樹園に、三角州や平野は水田に利用されています。地形を学ぶときは、「その土地が何に使われているか」もあわせて考えると、知識がつながって覚えやすくなります。
日本の地形の家での進め方
- 日本の地形の全体像(国土の約4分の3が山地)
- 日本アルプスと主な山脈・山地
- 日本の川の特ちょうと主な川・湖
- 平野と盆地
- 扇状地・三角州、海岸の地形
練習問題にチャレンジ
問題1:日本アルプスとよばれる3つの山脈の名前を、北から順に答えましょう。
問題2:日本で最も長い川と、流域面積が最も広い川を答えましょう。
問題3:川が山地から平地に出たところにできる、水はけのよい地形を何といいますか。
問題4:入り江と岬が入り組んだ、養殖業に向いている海岸を何といいますか。
答え
問題1:飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈です。
問題2:最も長い川は信濃川、流域面積が最も広い川は利根川です。
問題3:扇状地です。
問題4:リアス海岸です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:地形は「場所」と「使われ方」をセットで覚える
日本の地形は、国土の約4分の3が山地で、川は短くて急、人々は平野や盆地にくらしています。山脈・川・平野の名前は白地図に書きこんで覚え、扇状地や三角州などの地形は、その土地がどう利用されているかとセットで理解しましょう。
地形と結びつく気候は日本の気候と雨温図の見分け方、農業は日本の農業の特色と産地の覚え方、工業は工業地帯・工業地域の特色と覚え方で解説しています。