「所得税と消費税が、直接税なのか間接税なのか、すぐに答えられない」「国の予算の歳入・歳出という言葉が、むずかしく感じる」
税金と財政は、中学受験の社会の公民分野で、よく出題される単元です。税の種類の分け方、消費税の税率の移り変わり、国の予算のしくみ、国債などが問われます。資料のグラフを読み取る問題もよく出ます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、税金と財政のしくみを整理し、家での覚え方をまとめました。なお、予算の金額や割合は年度によって変わります。最新の数字は、教材や資料集で確認してください。
税金はなぜ必要か
国や地方公共団体は、道路・学校・警察・消防・医療や福祉など、みんなが使う公共サービスを提供しています。そのためのお金を、国民や会社などが税金として納めます。
日本国憲法では、納税は国民の三大義務の1つとされています。
税の分け方

税金は、2つの見方で分けられます。
- 納める先:国に納める「国税」と、都道府県や市町村に納める「地方税」
- 納め方:納める人と負担する人が同じ「直接税」と、ちがう「間接税」
| 直接税 | 間接税 | |
|---|---|---|
| 国税 | 所得税、法人税、相続税 | 消費税、酒税、たばこ税 |
| 地方税 | 住民税、固定資産税 | 地方消費税 |
間接税は、負担する人(買い物をする人)と、納める人(お店)がちがう税です。消費税が代表です。
所得税と累進課税
所得税は、個人の所得(収入から必要な経費などを引いたもの)にかかる国税です。所得が多い人ほど、税率が高くなるしくみになっています。これを累進課税といいます。
累進課税には、所得の多い人と少ない人の差を小さくするはたらきがあります。
消費税
消費税は、商品を買ったりサービスを受けたりしたときにかかる税です。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1989年 | 税率3%で導入 |
| 1997年 | 5%に引き上げ |
| 2014年 | 8%に引き上げ |
| 2019年 | 10%に引き上げ(食料品などは8%の軽減税率) |
消費税は1989年に3%で始まり、5%、8%、10%と上がってきました。
消費税は、所得の少ない人も多い人も、同じ税率で負担します。そのため、所得に対する税の負担の割合は、所得が少ない人ほど大きくなりやすいという課題があります。一方で、景気に左右されにくく、安定した税収が見こめるという特ちょうもあります。
例題1:税抜き2000円の品物を買うとき、消費税10%をふくめた代金はいくらですか。
2000×1.1=2200円です。食料品などで軽減税率8%が適用されるなら、2000×1.08=2160円です。
国の予算(歳入と歳出)
国の1年間の収入を歳入、支出を歳出といいます。予算は内閣が作り、国会が話し合って決めます。
歳入
- 税収(所得税・法人税・消費税など)
- 公債金(国債を発行して借りたお金)
歳出
- 社会保障関係費(年金・医療・介護・子育て支援など)
- 国債費(国債の返済や利子の支払い)
- 地方交付税交付金(地方公共団体への配分)
- 公共事業関係費、文教及び科学振興費、防衛関係費など
近年の歳出では、社会保障関係費がいちばん大きな割合をしめています。高齢化が進んでいることが大きな理由です。
歳出の最大は社会保障関係費。歳入では、税収だけでは足りず、国債にたよっている部分があります。
国債の課題
国債は、国が発行する借金の証書です。国債を発行すると、将来その返済と利子の支払いが必要になります。国債の残高(たまっている借金)は大きくなっていて、将来の世代の負担になることが心配されています。
財政の3つの役割
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| 公共サービスの提供 | 道路・学校・警察など、みんなが使うものを用意する |
| 所得の再分配 | 累進課税や社会保障で、所得の差を小さくする |
| 景気の調整 | 不景気のときは公共事業をふやすなどして、景気を安定させる |
公平な税とは
税は、みんなが公平に負担することが大切です。公平には、2つの考え方があります。
- 所得の多い人ほど、多く負担する(所得税の累進課税)
- 同じ所得や同じ買い物なら、同じだけ負担する(消費税)
所得税と消費税は、それぞれちがう公平の考え方にもとづいています。どちらか一方だけでなく、いろいろな税を組み合わせて、全体として公平になるようにしています。
累進課税は「多い人ほど多く」、消費税は「同じなら同じだけ」という公平です。
子どもと税金
税金は大人だけが納めるものではありません。子どもがお店でお菓子や文房具を買うときにも、代金に消費税がふくまれています。一方で、学校の教科書や、公園・図書館などは、税金によって用意されています。だれもが税を負担し、だれもが税で支えられていることを知っておきましょう。
よくあるまちがいと対策
- 消費税を直接税と考える:負担する人と納める人がちがうので間接税
- 消費税の税率の年を混ぜる:1989年3%、1997年5%、2014年8%、2019年10%
- 歳出の最大を国債費と答える:最大は社会保障関係費
- 予算を国会が作ると考える:内閣が作り、国会が議決する
家庭での覚え方のコツ
レシートで消費税を見る
買い物のレシートで、消費税の金額や、8%と10%の区別を親子で見てみましょう。軽減税率がどの品物にかかっているかも分かります。
「税金で作られたもの」を探す
通学路の道路、公園、図書館、信号機など、税金で作られたり運営されたりしているものを探してみてください。税の役割が身近になります。
家計にたとえる
国の予算を、家庭の収入と支出にたとえて話してみましょう。収入が足りないときに借りる、という国債のイメージがつかみやすくなります。
税金と財政のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の社会では、6年生で国や地方の政治と税金の使われ方を学びます。中学受験向けの教材では、6年生ごろに公民分野として学ぶことが多い内容です。
地方の財源とはどうつながりますか?
地方税や地方交付税交付金など、地方の財源は地方自治で解説しています。国の予算とあわせて整理しましょう。
少子高齢化とも関係がありますか?
はい、社会保障関係費が大きくなっているのは、高齢化が進んでいることが大きな理由です。人口と少子高齢化とあわせて学びましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:納める人と負担する人がちがう税を何といいますか。
問題2:所得が多い人ほど税率が高くなるしくみを何といいますか。
問題3:消費税が導入されたのは何年で、そのときの税率は何%ですか。
問題4:近年の国の歳出で、いちばん大きな割合をしめているものは何ですか。
答え
問題1:間接税です。
問題2:累進課税です。
問題3:1989年で、3%です。
問題4:社会保障関係費です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
中級の問題と「要点まとめ」がついたセット(10単元・A4で62ページ)は、noteで販売しています。この単元は「社会・公民パック」に入っています。
まとめ:税金は「分け方」、財政は「入りと出」で整理
税金は、国税と地方税、直接税と間接税の2つの見方で分けましょう。消費税は1989年に3%で導入され、今は10%(軽減税率8%)です。国の予算は歳入と歳出で考え、歳出では社会保障関係費が最大であること、国債の残高が大きいことをセットで覚えておきましょう。