「円グラフの中心角を求める方法を忘れてしまう」「割合が減っているのに、量は増えている、という問題の意味が分からない」
帯グラフと円グラフは、中学受験の算数で割合の単元として、また社会の資料の読み取りでも、くり返し出てくるグラフです。グラフから割合や量を読み取る問題、グラフをかく問題、2つのグラフを比べる問題などが出ます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、百分率の基本、帯グラフと円グラフのかき方と読み方、よくある読み取りのまちがいを整理し、家での教え方をまとめました。
百分率の基本
割合を、全体を100として表したものを百分率といい、「%(パーセント)」をつけて表します。
- 割合1=100%
- 割合0.1=10%
- 割合0.01=1%
割合は「比べる量÷もとにする量」で求めます。例えば、40人のうち10人なら、10÷40=0.25で、25%です。
割合を100倍すると百分率。0.25は25%です。
帯グラフと円グラフ

| グラフ | 特ちょう |
|---|---|
| 帯グラフ | 全体を長方形で表し、割合に応じて区切る。いくつかの帯を並べて、年ごとの変化などを比べやすい |
| 円グラフ | 全体を円で表し、割合に応じておうぎ形に区切る。全体の中での割合がひと目で分かる |
どちらのグラフも、割合の大きい順に並べ、「その他」は最後にかくのがふつうです。円グラフは、真上から右回り(時計回り)に区切ります。
円グラフの中心角
円グラフでは、全体の360度が100%にあたるので、1%は360÷100=3.6度です。
中心角=百分率×3.6
例題1:円グラフで、算数が好きな人の割合が35%のとき、そのおうぎ形の中心角は何度ですか。
35×3.6=126度です。
例題2:円グラフで、あるおうぎ形の中心角が72度のとき、その部分の割合は何%ですか。
72÷3.6=20%です。
円グラフは「1%=3.6度」。25%なら90度、50%なら180度です。
グラフから量を読み取る
グラフに表されているのは割合なので、量を求めるには、全体の量をかけます。
比べる量=もとにする量(全体)×割合
例題3:200人に好きな教科を聞いた結果の円グラフで、国語が25%でした。国語が好きな人は何人ですか。
200×0.25=50人です。
2つのグラフを比べるときの注意点
割合のグラフを比べるときに、最もよくあるまちがいは、「割合が減ったから、量も減った」と考えることです。
例題4:ある町の農産物の生産額を調べました。10年前は全体が500万円で、そのうち米が20%でした。今年は全体が800万円で、米は15%でした。米の生産額は、増えましたか、減りましたか。
10年前の米は、500×0.2=100万円です。今年の米は、800×0.15=120万円です。割合は20%から15%に減りましたが、生産額は100万円から120万円に増えています。
全体の量がちがうグラフどうしは、割合だけで量の増減を判断できません。必ず「全体×割合」で量を出して比べます。
社会の資料問題でも、「割合が減った=生産量が減った」と書くと、まちがいになることがあります。グラフに全体の量が書かれているかを必ず確かめましょう。
グラフの使い分け
| グラフ | 向いていること |
|---|---|
| 棒グラフ | 量の大きさを比べる |
| 折れ線グラフ | 量の変化(移り変わり)を表す |
| 帯グラフ・円グラフ | 全体に対する割合を表す |
問題によっては、「この資料を表すのに最も適したグラフはどれか」を問うこともあります。
帯グラフのかき方
帯グラフは、次の手順でかきます。
- それぞれの項目の割合(百分率)を求める
- 百分率の合計が100%になるか確かめる(四捨五入で99%や101%になったら、最も大きい項目で調整する)
- 割合の大きい順に、左から区切る(「その他」は最後)
- 区切りの中に、項目名と百分率を書く
例題5:40人のうち、算数が好きな人が14人いました。帯グラフでは、全体の何%の長さになりますか。
14÷40=0.35なので、35%です。
百分率の合計が100%にならないときは、最も大きい項目で調整します。
よくあるまちがいと対策
- 円グラフの中心角を「百分率×3.6」にしない:1%=3.6度を覚える
- 割合が減ったら量も減ったと考える:全体×割合で量を比べる
- 百分率をそのまま量にかける:25%は0.25に直してからかける
- 帯グラフの目もりを読みまちがえる:区切りの両はしの目もりを引き算する
家庭での教え方のコツ
家族のアンケートをグラフにする
家族や親せきに「好きな食べ物」などを聞いて、結果を帯グラフや円グラフにしてみましょう。自分で作ると、グラフの意味がよく分かります。円グラフは、分度器を使ってかく練習にもなります。
ニュースや新聞のグラフを読む
ニュースや新聞には、円グラフや帯グラフがよく出てきます。「何の割合のグラフ?」「全体はいくつ?」と、親子で読み取る練習をしてみてください。社会の資料問題の対策にもなります。
量と割合を区別する声かけ
グラフを見たら「これは量のグラフ?割合のグラフ?」と聞く習慣をつけましょう。この区別が、読み取りのまちがいを大きく減らします。
割合のグラフのよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の算数では、5年生で割合と帯グラフ・円グラフを学びます。中学受験向けの教材でも、5年生ごろに割合の単元として学ぶことが多い内容です。
社会の資料問題にも役立ちますか?
はい、農業・工業・貿易などの単元では、円グラフや帯グラフの資料がよく使われます。日本の農業や日本の貿易の学習とあわせて練習しましょう。
割合が苦手な場合は、何から始めればいいですか?
「比べる量÷もとにする量」の基本から確認しましょう。割合の基本で、3つの量の関係を整理しておくと、グラフの問題も解きやすくなります。
練習問題にチャレンジ
問題1:円グラフで、30%にあたるおうぎ形の中心角は何度ですか。
問題2:全体400人のうち15%にあたるのは何人ですか。
問題3:円グラフで、中心角が54度のおうぎ形は、全体の何%にあたりますか。
問題4:全体の量が増え、ある項目の割合は変わらなかったとき、その項目の量はどうなりますか。
答え
問題1:30×3.6=108度です。
問題2:400×0.15=60人です。
問題3:54÷3.6=15%です。
問題4:増えます(全体×割合で、全体が増えているため)。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:グラフは「割合」と「量」を区別する
帯グラフと円グラフは、全体に対する割合を表すグラフです。円グラフは1%=3.6度で中心角を求め、量は「全体×割合」で求めます。全体の量がちがうグラフを比べるときは、割合だけで判断せず、必ず量を出して比べましょう。