「点が動くと、面積がどう変わるのかイメージできない」「グラフから、長方形の辺の長さを読み取る問題が解けない」
点の移動は、中学受験の算数で、図形とグラフを組み合わせて出題される単元です。図形の辺の上を点が動くとき、三角形の面積がどう変わるかを考え、グラフに表したり、グラフから図形の長さを読み取ったりします。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、点の移動の基本、グラフの形の意味、よく出る問題の解き方を整理し、家での教え方をまとめました。
点の移動の基本の考え方
点の移動の問題は、次の3つの手順で考えます。
- 点が「どの辺の上にいるか」で、時間を区切る
- それぞれの区間で、三角形の「底辺」と「高さ」が何cmかを調べる
- 底辺×高さ÷2で、面積を求める
点の移動は「どの辺にいるか」で区切り、区間ごとに底辺と高さを調べます。
長方形の上を動く点と面積のグラフ

たて6cm、横8cmの長方形ABCDがあります。点Pは、Aを出発して、B、C、Dの順に辺の上を毎秒1cmの速さで進みます。このとき、三角形APDの面積を考えます。
三角形APDの底辺をADの8cmとすると、高さは「点PとADのきょり」です。
| Pのいる辺 | 時間 | 高さ | 面積 |
|---|---|---|---|
| AB上 | 0〜6秒 | 毎秒1cmずつ増える | 増える(0から24cm²へ) |
| BC上 | 6〜14秒 | 6cmで変わらない | 24cm²で一定 |
| CD上 | 14〜20秒 | 毎秒1cmずつ減る | 減る(24cm²から0へ) |
グラフにすると、「上がる→平ら→下がる」の台形のような形になります。
グラフが平らな区間は、高さが変わらない区間です。辺の長さはグラフの折れ目の時間から読み取れます。
例題1:上の問題で、出発してから4秒後の三角形APDの面積を求めましょう。
4秒後、PはAB上にあり、AP=4cmです。底辺8cm、高さ4cmなので、8×4÷2=16cm²です。
面積が決まった大きさになる時間
例題2:上の問題で、三角形APDの面積が18cm²になるのは、出発してから何秒後と何秒後ですか。
面積18cm²のとき、高さは18×2÷8=4.5cmです。
- AB上:AP=4.5cmになるのは、4.5秒後
- CD上:PとADのきょりが4.5cmになるのは、PD=4.5cmのとき。PはDまであと4.5cmなので、20-4.5=15.5秒後
答えは、4.5秒後と15.5秒後です。
面積が増える区間と減る区間の両方で、同じ面積になることがあります。グラフに横線を引くと、交わる点が2つあることが分かります。
グラフから図形を読み取る問題
逆に、グラフから長方形の辺の長さを求める問題もよく出ます。
例題3:ある長方形ABCDの辺の上を、点PがAからB、C、Dへ毎秒2cmで進みます。三角形APDの面積のグラフは、出発して5秒後に平らになり、12秒後から下がり始めました。ABとBCの長さを求めましょう。
PがAB上にいたのは5秒間なので、AB=2×5=10cmです。BC上にいたのは12-5=7秒間なので、BC=2×7=14cmです。
グラフの折れ目は、点が「角を曲がった時間」です。時間×速さで、辺の長さが分かります。
2つの点が動く問題
上位校では、2つの点が同時に動く問題も出ます。考え方は同じで、それぞれの点がどの辺にいるかで時間を区切ります。区切りの時間が増えるので、表にして整理すると、まちがいが減ります。
例題4:1辺12cmの正方形ABCDで、点PはAからBへ毎秒1cm、点QはBからCへ毎秒2cmで同時に出発します。3秒後の三角形PBQの面積を求めましょう。
3秒後、AP=3cmなのでPB=12-3=9cm、BQ=2×3=6cmです。三角形PBQは、角Bが直角の直角三角形なので、9×6÷2=27cm²です。
よくあるまちがいと対策
- 底辺と高さを取りちがえる:どの辺を底辺にするかを先に決め、高さに色をつける
- CD上での高さを、Cからのきょりで計算してしまう:高さは「PとADのきょり」なので、PDの長さ
- 面積が同じになる時間を1つしか答えない:グラフに横線を引いて、交わる点を数える
- グラフの折れ目の意味が分からない:「折れ目=点が角を曲がったとき」と覚える
家庭での教え方のコツ
実際に点を動かしてみる
方眼紙に長方形をかき、消しゴムや小さなおはじきを「点P」にして、1秒ずつ動かしてみましょう。そのたびに三角形をかいて面積を計算すると、グラフの形の意味が体で分かります。
表を作ってからグラフをかく
いきなりグラフをかかずに、「時間・Pの位置・底辺・高さ・面積」の表を作ってからグラフをかく練習をしてください。表を作る習慣がつくと、2つの点が動く問題にも対応できます。
グラフの「折れ目」に注目させる
グラフを見たら、まず折れ目の時間を読む習慣をつけましょう。「この時間に、点はどこにいる?」と親子で確認すると、グラフと図形がつながります。
点の移動のよくある質問
何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、5〜6年生ごろに学ぶことが多い単元です。三角形の面積と、速さの基本が分かっていることが前提になります。
水そうのグラフとは関係がありますか?
はい、「グラフの折れ目で状況が変わる」という読み方は、水そうに水を入れる問題と同じです。水そうとグラフの読み取り方もあわせて練習すると、グラフ問題全体に強くなります。
点が円の上を動く問題もありますか?
学校によっては、円の周りを点が動き、角度や時計の針のように考える問題が出ることもあります。まずは長方形の上を動く問題を確実にしましょう。
点の移動の家での進め方
- 区間ごとに底辺と高さを調べる考え方
- 面積の変化とグラフの形(例題1)
- 面積が決まった大きさになる時間(例題2)
- グラフから辺の長さを読み取る(例題3)
- 2つの点が動く問題(例題4)
練習問題にチャレンジ
問題1:たて6cm、横8cmの長方形ABCDで、点PがAからB、C、Dへ毎秒1cmで進みます。10秒後の三角形APDの面積を求めましょう。
問題2:問題1で、17秒後の三角形APDの面積を求めましょう。
問題3:問題1で、三角形APDの面積が12cm²になるのは、何秒後と何秒後ですか。
問題4:ある長方形の辺の上を点が毎秒3cmで進みます。グラフの折れ目が4秒後と10秒後のとき、最初の2辺の長さを求めましょう。
答え
問題1:PはBC上にあり、高さは6cmです。8×6÷2=24cm²です。
問題2:PはCD上で、PD=20-17=3cmです。8×3÷2=12cm²です。
問題3:高さが12×2÷8=3cmのときです。AB上で3秒後、CD上で20-3=17秒後です。
問題4:1辺目は3×4=12cm、2辺目は3×(10-4)=18cmです。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:点の移動は「区切って、底辺と高さ」
点の移動は、点がどの辺にいるかで時間を区切り、区間ごとに底辺と高さを調べるのが基本です。グラフの平らな部分は高さが変わらない区間、折れ目は点が角を曲がった時間です。表を作ってからグラフをかく習慣をつけましょう。
関連する単元は、図形の移動(転がる円)、図形の面積の求め方、速さの基本で解説しています。