「展開図を組み立てたとき、どの面が向かい合うのか分からない」「円すいの展開図で、おうぎ形の中心角の出し方を忘れてしまう」
展開図は、中学受験の算数の立体図形で、とてもよく出題される単元です。立方体の展開図で向かい合う面や重なる頂点を答える問題、サイコロの目を書きこむ問題、円柱や円すいの展開図から表面積を求める問題などが出ます。
頭の中で組み立てるのが苦手な子も、いくつかのルールを知っていれば、手を動かさずに答えられるようになります。この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、展開図の見方のルールと、よく出る問題の解き方をまとめました。
展開図とは
展開図は、立体を辺にそって切り開き、平面に広げた図です。立方体の場合、6つの正方形の面が、5本の辺でつながった形になります。
立方体の辺は12本なので、展開図にするときに切る辺は、12-5=7本です。
立方体の展開図は、全部で11種類あります。
立方体の展開図で向かい合う面

立方体の展開図で、向かい合う面を見つけるルールは次の2つです。
- 一直線に3つ並んだ面の、両はしの面は向かい合う(となりではなく、1つとばした面)
- となり合っている面(辺でつながっている面)は、向かい合わない
上の図では、横に並んだ2・3・4・5のうち、2と4、3と5が向かい合います。たてに並んだ1・3・6では、1と6が向かい合います。
一直線に並んだ面は「1つおき」に向かい合います。となりどうしは向かい合いません。
一直線に並んでいない面
展開図の形によっては、向かい合う2つの面が一直線に並んでいないこともあります。そのときは、面を辺にそって「となりの位置に回して」動かし、一直線に並べ直してから考えます。正方形の面は、つながった辺を軸に90°回して、展開図の別の場所に移しても、組み立てた立方体は同じです。
重なる頂点・重なる辺
展開図を組み立てたとき、どの頂点とどの頂点が重なるかもよく問われます。
- 90°の角をはさんで向かい合う2本の辺は、組み立てるとくっつく
- くっつく辺のはしの頂点どうしが重なる
- 立方体の1つの頂点には、3つの面が集まる
まず「90°でとなり合う辺どうしがくっつく」ところから順番にたどると、重なる頂点を見つけられます。
サイコロの問題
サイコロは、向かい合う面の目の和が7になるように作られています(1と6、2と5、3と4)。
例題1:上の図の展開図で、1の面にサイコロの1の目をかいたとき、6の面には何の目をかけばよいですか。
1の面と6の面は向かい合うので、和が7になる6の目をかきます。
円柱の展開図
円柱の展開図は、2つの円(底面)と、1つの長方形(側面)でできています。
- 側面の長方形のたて=円柱の高さ
- 側面の長方形の横=底面の円の円周
例題2:底面の半径が3cm、高さが10cmの円柱の表面積を求めましょう。
底面の円1つの面積は、3×3×3.14=28.26cm²で、2つで56.52cm²です。側面は、たて10cm、横は円周の6×3.14=18.84cmなので、18.84×10=188.4cm²です。表面積は、56.52+188.4=244.92cm²です。
円柱の側面の横の長さは「底面の円周」と同じです。
円すいの展開図
円すいの展開図は、底面の円と、側面のおうぎ形でできています。おうぎ形の半径は、円すいの頂点から底面のふちまでの長さ(母線)です。
おうぎ形の弧の長さは、底面の円周と同じになるので、中心角は次の式で求められます。
中心角=360×底面の半径÷母線
例題3:母線の長さが12cm、底面の半径が3cmの円すいの、側面のおうぎ形の中心角を求めましょう。
360×3÷12=90°です。
また、円すいの側面積は、「母線×底面の半径×3.14」で求められます。例題3では、12×3×3.14=113.04cm²です。
円すいの中心角は「360×底面の半径÷母線」。側面積は「母線×底面の半径×3.14」。
よくあるまちがいと対策
- となり合う面を向かい合う面と答える:「一直線の1つおき」を指でたどって確認する
- 円柱の側面の横を、底面の直径にしてしまう:横は円周(直径×3.14)
- 円すいの中心角を、母線÷半径でかけてしまう:「半径÷母線」で、1より小さい割合になる
- 表面積で、底面を1つしか足さない:円柱は底面が2つ、円すいは1つ
家庭での教え方のコツ
実際に切って組み立てる
方眼紙に展開図をかき、切って組み立ててみましょう。11種類すべてを作ってみると、「この形は組み立てられる」「これは重なってしまう」という感覚が身につきます。
牛乳パックや箱を切り開く
空き箱や牛乳パックを、辺にそって切り開いてみてください。どこを切るかによって、ちがう展開図になることが分かります。
頂点に記号を書きこむ
展開図の問題では、立方体の見取図と展開図の両方に頂点の記号を書きこむ練習をしましょう。重なる頂点を見つける問題に強くなります。
展開図のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の算数では、4年生で立方体・直方体の展開図、5年生で角柱・円柱、6年生で立体の体積を学びます。中学受験向けの教材では、4〜5年生ごろに展開図を学び、6年生で円すいや切断などの応用に進みます。
11種類は全部覚える必要がありますか?
形をすべて暗記するより、「向かい合う面のルール」と「組み立てられない形の見分け方」が使えることのほうが大切です。ただ、11種類を一度自分でかいてみると、見分ける力がつきます。
立体の切断の問題も、展開図とつながりますか?
はい、立方体の切り口を展開図に書きこむ問題も出ます。体積や表面積の計算は立体の体積と表面積で確認してください。
展開図の家での進め方
- 展開図の意味と、立方体の11種類
- 向かい合う面のルール
- 重なる頂点・重なる辺
- サイコロの問題(例題1)
- 円柱・円すいの展開図と表面積(例題2・例題3)
練習問題にチャレンジ
問題1:立方体の展開図で、横に4つ並んだ面を左からア・イ・ウ・エとします。アと向かい合う面はどれですか。
問題2:サイコロで、3の目と向かい合う面の目はいくつですか。
問題3:底面の半径が2cm、高さが5cmの円柱の、側面の面積を求めましょう。
問題4:母線の長さが10cm、底面の半径が4cmの円すいの、側面のおうぎ形の中心角を求めましょう。
答え
問題1:ウです。一直線に並んだ面は、1つおきに向かい合います。
問題2:4です(和が7)。
問題3:横は4×3.14=12.56cmなので、12.56×5=62.8cm²です。
問題4:360×4÷10=144°です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:展開図は「ルール」で見抜く
立方体の展開図は、一直線に並んだ面が1つおきに向かい合い、となり合う面は向かい合わない、というルールで見抜けます。円柱の側面の横は底面の円周、円すいの中心角は「360×底面の半径÷母線」です。実際に切って組み立てる体験と、ルールの両方で身につけましょう。
計算に使う公式は円とおうぎ形の求め方、体積は立体の体積と表面積で解説しています。算数の参考書選びは塾無しで目指す中学受験のおすすめ参考書ランキングも参考にしてください。