「『天の川』の季語の季節を夏と答えてまちがえた」「比喩と擬人法の区別が、いつもあいまいになる」
詩・短歌・俳句は、中学受験の国語で、読解問題や知識問題として出題される単元です。音の数、季語と季節、切れ字、表現技法などが問われます。短い作品が多いので、知識があれば短い時間で確実に得点できる分野です。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、短歌と俳句のきまり、季語、詩の表現技法を整理し、家での練習方法をまとめました。
短歌と俳句のきまり

| 短歌 | 俳句 | |
|---|---|---|
| 音の数 | 5・7・5・7・7(31音) | 5・7・5(17音) |
| 季語 | 入れなくてもよい | 1つ入れるのが基本 |
| 部分の名前 | 上の句(5・7・5)と下の句(7・7) | 上五・中七・下五 |
短歌は「5・7・5・7・7の31音」、俳句は「5・7・5の17音で季語を入れる」。
音の数え方
- 小さい「ゃ・ゅ・ょ」は、前の字と合わせて1音(例:「きょう」は2音)
- 小さい「っ」(つまる音)は、1音(例:「きって」は3音)
- のばす音「ー」は、1音(例:「ボール」は3音)
- 「ん」は、1音
決まった音の数より多いものを字余り、少ないものを字足らずといいます。
俳句の季語
俳句には、季節を表す言葉(季語)を入れます。
| 作品 | 作者 | 季語と季節 |
|---|---|---|
| 古池や 蛙飛びこむ 水の音 | 松尾芭蕉 | 蛙(春) |
| 菜の花や 月は東に 日は西に | 与謝蕪村 | 菜の花(春) |
| 柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺 | 正岡子規 | 柿(秋) |
まちがえやすい季語
季語の季節は、昔のこよみ(旧暦)をもとにしているため、今の感覚とずれるものがあります。
| 季語 | 季節 |
|---|---|
| 天の川・七夕 | 秋 |
| 五月雨(さみだれ) | 夏(梅雨の雨) |
| 名月・月 | 秋 |
| 雪解け | 春 |
| 蛙 | 春 |
「天の川」「七夕」は秋の季語。今の季節の感覚でなく、昔のこよみで決まっています。
切れ字と句切れ
俳句で、感動を表したり、意味の切れ目をつくったりする言葉を切れ字といいます。代表的な切れ字は、「や」「かな」「けり」です。
- 古池や(「や」が切れ字)
- 菜の花や(「や」が切れ字)
意味の上での切れ目を「句切れ」といいます。初句(最初の5音)で切れるものを初句切れといい、切れ字のあとで句切れになることが多くあります。
詩の種類
| 分け方 | 種類 | 特ちょう |
|---|---|---|
| 言葉づかい | 口語詩 | 今の言葉で書かれた詩 |
| 言葉づかい | 文語詩 | 昔の言葉で書かれた詩 |
| 形 | 定型詩 | 音の数などに決まりがある詩 |
| 形 | 自由詩 | 音の数に決まりがない詩 |
| 形 | 散文詩 | ふつうの文章のように書かれた詩 |
今の言葉で、音の数に決まりなく書かれた詩は、「口語自由詩」といいます。小学校の教科書に出てくる詩の多くは、口語自由詩です。
表現技法
詩・短歌・俳句では、表現をゆたかにするための技法がよく使われます。
| 技法 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 直喩(明喩) | 「ような」「みたいな」を使ってたとえる | 宝石のような星 |
| 隠喩(暗喩) | 「ような」を使わずにたとえる | 星は夜空の宝石だ |
| 擬人法 | 人でないものを人のように表す | 風がささやく |
| 倒置法 | ふつうの言葉の順番を入れかえる | 見上げた、あの空を |
| 体言止め | 文の終わりを名詞(体言)で止める | かがやく一番星 |
| 反復 | 同じ言葉をくり返す | 走る、走る、どこまでも |
| 対句 | 形の似た言葉を並べる | 空は青く、海は深い |
「ような」があれば直喩、なければ隠喩。人でないものが人の動作をしたら擬人法。
例題1:「雲が空の上でのんびりと昼ねをしている」に使われている表現技法は何ですか。
雲という人でないものが、「昼ねをしている」と人のように表されているので、擬人法です。
例題2:「わたしは見た、真っ赤な夕日を」に使われている表現技法は何ですか。
ふつうは「わたしは真っ赤な夕日を見た」となる言葉の順番を入れかえているので、倒置法です。
短歌の句切れ
短歌でも、意味の切れ目を「句切れ」といいます。どこで切れるかによって、初句切れ・二句切れ・三句切れ・四句切れ・句切れなし、とよびます。
句切れを見つけるには、文の終わりの形(「〜けり」「〜なり」「〜や」など、言い切る形)や、「。」を打てるところを探します。
例題3:短歌を読んで、句切れを答える問題では、何を手がかりにすればよいですか。
言い切りの形(終止形)や、切れ字のような言葉があるところを探し、そこで意味が切れているかを確かめます。
句切れは「そこで文が終わる(。を打てる)ところ」。
よくあるまちがいと対策
- 季語の季節を、今の感覚で答える:天の川・七夕は秋
- 小さい「ゃ・ゅ・ょ」を1音として数える:前の字と合わせて1音
- 直喩と隠喩を混ぜる:「ような」があるかで見分ける
- 体言止めと倒置法を混ぜる:名詞で終わるのが体言止め、順番を入れかえるのが倒置法
家庭での練習のコツ
指を折って音を数える
短歌や俳句を声に出して読みながら、指を折って音を数えてみましょう。小さい「ゃ」や「っ」の数え方も、声に出すと自然に身につきます。
季語カードを作る
季節ごとに季語をカードにまとめ、まちがえやすい季語には印をつけておきましょう。季節の行事や食べ物と結びつけると覚えやすくなります。
自分で俳句を作ってみる
散歩や旅行のときに、見たものを5・7・5にまとめてみてください。季語を入れようとすると、季節の言葉に自然に詳しくなります。作った俳句を家族で発表し合うのも楽しい練習です。
詩・短歌・俳句のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の国語では、3・4年生で短歌や俳句を音読し、5・6年生で古典の作品に親しんだり、自分で作ったりします。中学受験向けの教材では、4〜6年生ごろに、読解と知識の両方で学ぶことが多い単元です。
有名な作者は覚えたほうがいいですか?
松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶・正岡子規などの俳人と、代表的な作品は覚えておくと安心です。作者が生きた時代は、江戸時代や明治時代の文化とも結びつきます。
読解問題ではどう出ますか?
詩の読解では、表現技法の効果や、作者の気持ちの変化が問われます。読解の基本の進め方は、中学受験の国語の読解が苦手な原因と対策で解説しています。
練習問題にチャレンジ
問題1:俳句は、全部で何音でできていますか。
問題2:「柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺」の季語と季節を答えましょう。
問題3:「まるで綿のようなやわらかい雲」に使われている表現技法は何ですか。
問題4:「七夕」は、どの季節の季語ですか。
答え
問題1:17音です。
問題2:季語は柿で、季節は秋です。
問題3:「ような」を使ってたとえているので、直喩(明喩)です。
問題4:秋です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:詩・短歌・俳句は「きまり」と「技法」
短歌は5・7・5・7・7の31音、俳句は5・7・5の17音で季語を入れます。季語の季節は昔のこよみで決まるので、天の川や七夕は秋です。表現技法は、「ような」の有無で直喩と隠喩を見分け、擬人法・倒置法・体言止めなどの特ちょうを例文で覚えましょう。