「明治時代は、できごとが次々に出てきて、順番が覚えられない」「領事裁判権の撤廃と関税自主権の回復、どちらがだれだったか混ざってしまう」
明治時代は、中学受験の社会の歴史で、江戸時代と並んで最もよく出題される時代です。日本が、江戸時代のしくみから、近代的な国家へと大きく変わった時代で、政治・経済・社会・外交のすべてで重要なできごとが起こりました。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、明治時代を「新しい国づくり」「憲法と議会」「戦争と条約改正」の3つに分けて整理し、家での覚え方をまとめました。
明治時代の流れ

1868年、新しい政府は五箇条の御誓文を出して、新しい政治の方針を示しました。元号は明治となり、江戸は東京と改められました。この時期の大きな改革を、まとめて明治維新といいます。
明治時代は「国づくり→憲法と議会→戦争と条約改正」の3つの流れで覚えます。
新しい国づくり
中央集権のしくみ
- 版籍奉還(1869年):大名が治めていた土地(版)と人民(籍)を、天皇に返させた
- 廃藩置県(1871年):藩をやめて府と県を置き、政府が任命した役人(府知事・県令)を送った
これによって、全国を政府が直接治める、中央集権のしくみができました。
三大改革
| 改革 | 年 | 内容 |
|---|---|---|
| 学制 | 1872年 | 6才以上の男女に、小学校で教育を受けさせる |
| 徴兵令 | 1873年 | 20才以上の男子に、兵役の義務を負わせる |
| 地租改正 | 1873年 | 土地の価格(地価)の3%を、土地の持ち主が現金で納める |
地租改正によって、それまでの米で納める年貢から、現金で納める税に変わり、政府の収入が安定しました。
三大改革は「学制・徴兵令・地租改正」。教育・軍隊・税のしくみを整えました。
富国強兵と殖産興業
政府は、欧米に負けない強い国をつくるため、「富国強兵」をめざしました。そのため、政府が工場を建てて産業を育てる「殖産興業」を進めました。群馬県の富岡製糸場(1872年)は、その代表的な官営工場です。
文明開化
西洋の文化や生活様式が取り入れられ、人々のくらしが大きく変わりました。
- 1872年、新橋〜横浜間に鉄道が開通
- れんがづくりの建物、ガス灯、洋服、牛なべなどが広まる
- 福沢諭吉が『学問のすゝめ』を書き、人間の平等や学問の大切さを説いた
憲法と議会
自由民権運動
政府の政治が、一部の人たちによって行われていることに反対して、板垣退助らは、国会を開いて国民が政治に参加できるようにすることを求めました。これを自由民権運動といいます。
内閣制度と大日本帝国憲法
- 1885年:内閣制度ができ、伊藤博文が初代の内閣総理大臣になる
- 1889年:大日本帝国憲法が発布される(天皇が国民にあたえる形の憲法)
- 1890年:第1回の帝国議会が開かれる
伊藤博文は、ヨーロッパに行って各国の憲法を調べ、君主の権力が強いドイツ(プロイセン)の憲法を参考にしました。大日本帝国憲法では、主権は天皇にありました。
最初の選挙で選挙権を持っていたのは、直接国税を15円以上納める25才以上の男子だけで、人口の約1%でした。
戦争と条約改正
日清戦争と日露戦争
| 戦争 | 年 | 講和条約 | 主な結果 |
|---|---|---|---|
| 日清戦争 | 1894〜1895年 | 下関条約 | 台湾などを得る。賠償金を得る |
| 日露戦争 | 1904〜1905年 | ポーツマス条約 | 樺太の南半分などを得る。賠償金は得られなかった |
日露戦争では、賠償金が得られなかったため、国民の不満が高まりました。日露戦争のあと、1910年に日本は韓国を併合しました。
条約改正
江戸時代の終わりに結んだ不平等条約を改正することは、明治政府の大きな目標でした。
- 1894年:陸奥宗光が、イギリスとの間で領事裁判権(治外法権)を撤廃する
- 1911年:小村寿太郎が、関税自主権を完全に回復する
領事裁判権の撤廃は陸奥宗光(1894年)、関税自主権の回復は小村寿太郎(1911年)。
明治時代に活やくした人物
明治時代には、学問や文化の分野でも、多くの人物が活やくしました。人物とその業績は、よく出題されます。
| 人物 | 主な業績 |
|---|---|
| 北里柴三郎 | 破傷風の血清療法を発見した |
| 野口英世 | 黄熱病などの研究を行った |
| 夏目漱石 | 『吾輩は猫である』『坊っちゃん』などの小説を書いた |
| 樋口一葉 | 『たけくらべ』などの小説を書いた |
| 与謝野晶子 | 日露戦争に出征した弟を思い、「君死にたまふことなかれ」という詩を発表した |
| 田中正造 | 足尾銅山の鉱毒事件の解決に取り組んだ |
政治や外交の人物とあわせて、「この人は何をした人か」を一言で言えるようにしておきましょう。
よくあるまちがいと対策
- 版籍奉還と廃藩置県の順番・内容を取りちがえる:「先に土地と人民を返させ(版籍奉還)、次に藩をなくした(廃藩置県)」
- 三大改革の内容を取りちがえる:「学制=教育、徴兵令=軍隊、地租改正=税」
- 条約改正の人物を逆にする:年号の順に「陸奥(1894年)→小村(1911年)」
- 日清・日露戦争の講和条約を取りちがえる:「日清は下関、日露はポーツマス」
家庭での覚え方のコツ
「江戸時代とのちがい」で考える
明治時代の改革は、江戸時代と比べると覚えやすくなります。「年貢(米)→地租(現金)」「藩→府と県」「武士だけが戦う→徴兵令でみんなが兵役」のように、何が変わったのかを表にしてみましょう。
人物と結びつける
伊藤博文、板垣退助、福沢諭吉、陸奥宗光、小村寿太郎など、明治時代は人物とできごとを結びつけると覚えやすい時代です。人物カードを作って、親子でクイズを出し合ってみてください。
年表を自分でかく
この記事の年表を参考に、自分で年表をかいてみましょう。できごとを書きこみながら、「国づくり」「憲法と議会」「戦争と条約改正」の3つに色分けすると、流れが頭に入ります。
明治時代のよくある質問
明治時代は何年生で学びますか?
小学校の社会では、6年生で歴史を学びます。中学受験向けの教材では、5〜6年生ごろに学ぶことが多い分野です。
年号はどこまで覚えればいいですか?
1868年(明治維新)、1871年(廃藩置県)、1889年(大日本帝国憲法)、1894年(日清戦争)、1904年(日露戦争)、1911年(関税自主権の回復)などの重要な年号を中心に覚えましょう。並べかえ問題に強くなります。
産業の発展も出題されますか?
はい、明治時代の後半には、せんい工業などの軽工業や、八幡製鉄所(1901年操業)を中心とした重工業が発展しました。一方で、足尾銅山の鉱毒事件などの公害も起こり、田中正造が問題の解決に取り組みました。
明治時代の家での進め方
- 五箇条の御誓文、版籍奉還、廃藩置県
- 三大改革(学制・徴兵令・地租改正)
- 富国強兵・殖産興業・文明開化
- 自由民権運動、内閣制度、大日本帝国憲法
- 日清戦争・日露戦争と条約改正
練習問題にチャレンジ
問題1:1871年に、藩をやめて府と県を置いた改革を何といいますか。
問題2:地租改正で、税は何を基準に、どのような方法で納めるようになりましたか。
問題3:初代の内閣総理大臣はだれですか。
問題4:1911年に関税自主権を回復した外務大臣はだれですか。
答え
問題1:廃藩置県です。
問題2:土地の価格(地価)を基準に、その3%を現金で納めるようになりました。
問題3:伊藤博文です。
問題4:小村寿太郎です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:明治時代は「3つの流れ」で整理する
明治時代は、版籍奉還・廃藩置県・三大改革による新しい国づくり、自由民権運動から大日本帝国憲法・帝国議会へ、そして日清・日露戦争と条約改正、という3つの流れで整理すると覚えやすくなります。江戸時代とのちがいを意識しながら、人物とできごとを結びつけていきましょう。
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