「中国四国地方の山陰・瀬戸内・南四国で、気候と産業のちがいが整理できない」「琵琶湖が近畿地方の人々のくらしにどう関わっているのか分からない」
近畿地方と中国四国地方は、中学受験の社会の地理で、歴史・工業・農業と結びつけてよく出題される地域です。特に中国四国地方は、山陰・瀬戸内・南四国の3つの地域で気候が大きくちがうので、地域ごとに分けて覚えることが大切です。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、近畿地方と中国四国地方の特色を整理し、覚え方をまとめました。なお、生産量の順位や割合は年によって変わることがあります。最新の数字は資料集で確認してください。
近畿地方の自然
- 琵琶湖(滋賀県):日本でいちばん大きい湖。淀川となって大阪湾に流れ出る
- 紀伊山地:紀伊半島に広がる山地。雨が多く、森林が豊か
- 若狭湾・志摩半島:入り組んだリアス海岸
琵琶湖とくらし
琵琶湖の水は、淀川を通じて京都・大阪・神戸などの人々の生活や工業に使われていて、「近畿の水がめ」とよばれます。かつて、生活排水などで水がよごれ、プランクトンが大量に発生する赤潮が起こったため、滋賀県ではりんをふくむ合成洗剤の使用を制限する条例をつくり、水質を守る取り組みを進めました。
琵琶湖は「近畿の水がめ」。水質を守るための取り組みもあわせて覚えます。
近畿地方の産業
| 分野 | 特色 |
|---|---|
| 林業 | 紀伊山地で、吉野すぎ(奈良県)・尾鷲ひのき(三重県)などが有名 |
| 果物 | 和歌山県で、みかん・うめ・かきの栽培がさかん |
| 工業 | 大阪府・兵庫県に阪神工業地帯。中小工場が多く、金属・機械など |
| 伝統工業 | 京都府の西陣織・清水焼、奈良県の奈良墨など |
阪神工業地帯は、古くから発達した工業地帯で、高い技術をもつ中小工場が多いのが特ちょうです。
歴史と文化財
近畿地方には、長く都が置かれていたので、歴史的な建物や文化財が多く残っています。
- 古都京都の文化財(京都府・滋賀県)
- 古都奈良の文化財(奈良県)
- 法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)
- 姫路城(兵庫県)
姫路城は、白くて美しい姿から「白鷺城」ともよばれます。
京都や奈良では、歴史的な町なみや景観を守るため、建物の高さやデザイン、看板の色などを制限する取り組みが行われています。
また、江戸時代の大阪は、全国から物資が集まる商業の中心で、「天下の台所」とよばれました。
中国四国地方は3つの地域に分ける

| 地域 | 気候 | 主な特色 |
|---|---|---|
| 山陰(日本海側) | 冬に雪や雨が多い | 鳥取砂丘の野菜づくり、隠岐 |
| 瀬戸内 | 1年を通して雨が少なく、温暖 | ため池、みかん、瀬戸内工業地域、養殖 |
| 南四国(太平洋側) | 夏に雨が多く、冬もあたたかい | 高知平野の促成栽培 |
瀬戸内は、中国山地と四国山地にはさまれ、季節風がさえぎられるので、1年を通して雨が少なくなります。
山陰
- 鳥取砂丘では、スプリンクラーなどのかんがい設備を整えて、らっきょう・ながいもなどを作っている
- 冬は北西の季節風の影響で、雪や雨が多い
瀬戸内
- 雨が少ないので、讃岐平野(香川県)などでは、昔から多くのため池をつくって、水不足に備えてきた。現在は、吉野川から水を引く香川用水も使われている
- 愛媛県の日当たりのよい斜面では、みかんなどのかんきつ類の栽培がさかん
- 瀬戸内工業地域:岡山県倉敷市の水島地区などで、石油化学・鉄鋼などの工業が発達
- 養殖業:広島県のかき、愛媛県のまだい・真珠など
例題1:讃岐平野に、たくさんのため池がつくられてきたのはなぜですか。
瀬戸内の気候で1年を通して雨が少なく、大きな川も少ないため、農業に使う水を確保するためです。
南四国
- 高知平野では、冬でもあたたかい気候とビニールハウスを生かして、なす・ピーマンなどを早い時期に出荷する促成栽培がさかん
- 夏から秋は台風の通り道になりやすく、雨が多い
本州と四国を結ぶ橋と、過疎の課題
本州と四国の間には、3つのルートで本州四国連絡橋がかけられ、行き来が便利になりました。一方で、中国山地や四国山地の山間部や離島では、人口が減って高齢化が進む過疎が課題になっています。地域の特産品づくりや観光で、地域を元気にする取り組みも行われています。
また、広島県には、原爆ドームと厳島神社の2つの世界遺産があります。
大都市と周辺の町
大阪を中心とする大都市圏では、人口がふえた時期に、郊外にニュータウンが計画的につくられました。大阪府の千里ニュータウンなどが知られています。現在は、建物が古くなったり、住む人の高齢化が進んだりして、町を新しくする取り組みが行われています。
よくあるまちがいと対策
- 瀬戸内を雨が多い地域と考える:山にはさまれ、1年を通して雨が少ない
- 阪神工業地帯を大企業中心と考える:中小工場が多いのが特ちょう
- 促成栽培を「おそく出荷する」と考える:早い時期に出荷する
- 赤潮の原因を工場だけと考える:生活排水にふくまれるりんなども原因になった
家庭での覚え方のコツ
雨温図とセットで覚える
山陰・瀬戸内・南四国の都市の雨温図をくらべてみましょう。雨の多い季節のちがいが、農業のちがいと結びつきます。
修学旅行や旅行の話をする
京都・奈良や広島への旅行の思い出があれば、訪れた場所の文化財や世界遺産を親子で話し合ってみてください。記憶がよみがえり、知識がつながります。
産物を地図に書きこむ
白地図に、みかん・かき・まだい・らっきょう・なすなどを書きこむと、地域の特色が見える化できます。
近畿・中国四国地方のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の社会では、5年生で日本の国土や産業を学びます。中学受験向けの教材では、5年生ごろに地方別の地理として学ぶことが多い内容です。
世界遺産の単元とどうつながりますか?
近畿地方と中国四国地方には、世界遺産が多くあります。日本の世界遺産で、場所と時代をあわせて確認しましょう。
交通の単元とも関係がありますか?
はい、本州四国連絡橋の3つのルートは、運輸と交通でくわしく解説しています。
練習問題にチャレンジ
問題1:「近畿の水がめ」とよばれる、日本でいちばん大きい湖は何ですか。
問題2:大阪府・兵庫県に広がる、中小工場が多い工業地帯を何といいますか。
問題3:中国四国地方で、1年を通して雨が少ない地域を何といいますか。
問題4:高知平野でさかんな、野菜を早い時期に出荷する栽培方法を何といいますか。
答え
問題1:琵琶湖です。
問題2:阪神工業地帯です。
問題3:瀬戸内です。
問題4:促成栽培です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:近畿は「水と歴史」、中国四国は「3つの気候」
近畿地方は、琵琶湖と淀川、紀伊山地の林業、和歌山の果物、阪神工業地帯、京都・奈良の文化財をセットで覚えましょう。中国四国地方は、山陰・瀬戸内・南四国に分け、気候のちがいと、ため池や促成栽培などの産業を結びつけて整理することが大切です。
地理のほかの単元は、関東地方・中部地方、北海道地方・東北地方、日本の工業で解説しています。