「『少ない』を『少い』と書いてしまう」「『はなぢ』と『いなずま』で、『ぢ』と『ず』の使い分けが分からない」
送りがなとかなづかいは、中学受験の国語で、漢字の書き取りや知識問題の中で問われる内容です。書き取りで送りがなをまちがえると、漢字が正しくても点がもらえないことがあります。決まりを知ったうえで、まちがえやすい言葉を重点的に覚えましょう。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、送りがなの決まりと、かなづかいの書き分けをまとめました。
送りがなの基本の決まり

送りがなは、漢字のあとにつけるひらがなです。基本の決まりは次のとおりです。
| 決まり | 例 |
|---|---|
| 活用する言葉は、形が変わる部分から送る | 書く(書かない・書きます・書けば) |
| 「しい」で終わる言葉は、「し」から送る | 美しい、楽しい、新しい |
| 「か」「やか」「らか」をふくむ言葉は、そこから送る | 静かだ、穏やかだ、明らかだ |
| 関係する言葉の送りがなに合わせる | 動く→動かす、照る→照らす、生む→生まれる |
送りがなは「形が変わる部分から送る」が基本。「しい」で終わる言葉は「し」から送ります。
関係する言葉に合わせる例
- 押す→押さえる
- 交わる→交える
- 起きる→起こす
- 落ちる→落とす
元になる言葉の送りがなを思い出すと、正しく書けます。
まちがえやすい送りがな
| 正しい | まちがえやすい例 |
|---|---|
| 少ない | 少い |
| 短い | 短かい |
| 新しい | 新らしい |
| 冷たい | 冷い |
| 確かめる | 確める |
| 快い | 快よい |
| 危ない | 危い |
| 預ける | 預る |
| 必ず | 必らず |
| 幸い | 幸わい |
「少ない」「短い」「新しい」「確かめる」は特によく出ます。声に出して読みながら書くと、送りがなの位置を意識できます。
書き取りのテストでは、送りがなのまちがいも1つのまちがいとして数えられることが多いので、注意しましょう。
例題1:次の言葉を、漢字と送りがなで書きましょう。「すくない」「みじかい」「たしかめる」
「少ない」「短い」「確かめる」です。
「じ・ぢ」「ず・づ」の書き分け
ふつうは「じ」「ず」を使いますが、次の2つの場合は「ぢ」「づ」を使います。
| 場合 | 例 |
|---|---|
| 2つの言葉が結びついて、にごった場合 | はな+ち=はなぢ、みか+つき=みかづき、て+つくり=てづくり |
| 同じ音が続いて、2つ目がにごった場合 | ちぢむ、つづく、つづる |
ただし、2つの言葉に分けて考えにくいものは、「じ」「ず」を使います。
- いなずま、せかいじゅう(世界中)、さかずき
これらは「ぢ」「づ」で書くことも認められていますが、「じ」「ず」で書くのが基本です。
例題2:「こづつみ(小包)」に「づ」を使うのはなぜですか。
「こ(小)」と「つつみ(包み)」の2つの言葉が結びついて、「つ」がにごったからです。
のばす音の「お」と「う」
お段の音をのばすとき、ふつうは「う」を書きます(おとうさん、こうえん、ほうそう)。ただし、次のような言葉は「お」を書きます。
- おおきい(大きい)、とおい(遠い)、こおり(氷)、おおかみ、ほのお(炎)、とお(十)、おおい(多い)、こおろぎ、ほお、とおる(通る)、いきどおる、もよおす、とどこおる、おおやけ
覚え方の例:「とおくの おおきな こおりの うえを おおくの おおかみ とおずつ とおった」
のばす音は、ふつうは「う」。「おおきい・とおい・こおり」などの決まった言葉だけ「お」と書きます。
助詞の「は・へ・を」
文の中で、主語や方向、目的を表す助詞は、「わ・え・お」と読んでも、「は・へ・を」と書きます。
- わたしは学校へ行く。
- 本を読む。
「こんにちは」「こんばんは」も、「は」と書きます。作文を書いたら、助詞の「は・へ・を」に印をつけて見直す習慣をつけると、書きまちがいが減ります。
送りがなで読み方が変わる言葉
同じ漢字でも、送りがなによって読み方や意味が変わる言葉があります。
| 送りがな | 読み方 |
|---|---|
| 細い/細かい | ほそい/こまかい |
| 下がる/下りる/下す | さがる/おりる/くだす |
| 生きる/生まれる/生える | いきる/うまれる/はえる |
| 少し/少ない | すこし/すくない |
送りがなは、読み方を決める手がかりにもなっています。
送りがなをつけない言葉
活用しない言葉(名詞)の多くは、送りがなをつけません。
- 話(はなし)、光(ひかり)、係(かかり)、氷(こおり)
ただし、「後ろ」「幸い」のように送りがなをつける名詞もあるので、まちがえやすいものは個別に覚えましょう。
よくあるまちがいと対策
- 「少い」「短かい」と書く:まちがえやすい送りがなを一覧で確かめる
- 「はなぢ」を「はなじ」と書く:2つの言葉が結びついたら「ぢ」
- 「おおきい」を「おうきい」と書く:決まった言葉だけ「お」を書く
- 「こんにちわ」と書く:あいさつの「は」は助詞の名残なので「は」
家庭での教え方のコツ
書き取りでは送りがなも丸をつける
漢字の書き取りをしたら、漢字だけでなく、送りがなが正しいかも確かめて丸をつけましょう。送りがなへの意識が高まります。
活用させて確かめる
「書く」なら「書かない・書きます・書けば」と、形を変えて言ってみると、どこから送るかが分かります。迷ったときの確かめ方として教えてあげてください。
覚え歌を一緒に唱える
「とおくの おおきな こおりの…」の覚え方を、親子で唱えてみましょう。リズムで覚えると忘れにくくなります。
送りがなとかなづかいのよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の国語では、学年ごとに新しい漢字とあわせて送りがなを学びます。中学受験では、4〜6年生の漢字の書き取りの中でくり返し問われます。
漢字の学習とどうつながりますか?
書き取りでは、漢字と送りがなの両方が正しくないと得点になりません。漢字の覚え方とあわせて練習しましょう。
古典のかなづかいとはちがいますか?
はい、昔の文章で使われた歴史的かなづかいは、今のかなづかいとちがいます。古典の基礎で、読み方の決まりを確認しましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:「あたらしい」を漢字と送りがなで書きましょう。
問題2:「うごかす」を漢字と送りがなで書きましょう。
問題3:「みか(三日)」と「つき(月)」が結びついた言葉を、ひらがなで書きましょう。
問題4:「こおり」と「こうり」で、「氷」の正しい書き方はどちらですか。
答え
問題1:新しいです。
問題2:動かすです。
問題3:みかづきです。
問題4:こおりです。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:送りがなは「決まり+まちがえやすい言葉」
送りがなは、形が変わる部分から送るのが基本で、「しい」で終わる言葉や、関係する言葉に合わせて送る言葉に注意しましょう。かなづかいは、「じ・ぢ」「ず・づ」の使い分けと、のばす音を「お」と書く決まった言葉を覚えることが大切です。書き取りでは、送りがなまで確かめる習慣をつけましょう。