「自助・共助・公助のちがいを聞かれて、ごちゃごちゃになった」「ハザードマップが何のためのものか、うまく説明できない」
自然災害と防災は、中学受験の社会で、地理・公民・時事問題にまたがって出題されるテーマです。日本で災害が多い理由、災害の種類と被害、過去の大きな災害、国や地域の防災の取り組みなどが問われます。記述問題で「自分ならどうするか」を書かせる学校もあります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、日本の自然災害の特色、主な災害の種類、防災の取り組みと自助・共助・公助を整理し、家での覚え方をまとめました。
日本で自然災害が多い理由
日本は、世界の中でも自然災害の多い国です。その理由には、次のようなものがあります。
- いくつかのプレートの境目にあり、地震や火山の活動が活発
- 山地が多く、川が短くて急なため、大雨のときに洪水や土砂災害が起こりやすい
- 夏から秋に台風が多く通り、梅雨の時期には長雨が続く
- 日本海側などでは、冬に大雪が降る
日本は「プレートの境目」「急な川と山地」「台風と梅雨」で、自然災害が起こりやすい国です。
主な自然災害
| 災害 | 主な被害 |
|---|---|
| 地震 | 建物のたおかい、火災、土砂くずれ、液状化 |
| 津波 | 海岸の低い土地が水につかる、建物や人が流される |
| 火山の噴火 | 火砕流、溶岩流、火山灰 |
| 台風・大雨 | 洪水、土砂くずれ、高潮 |
| 大雪 | 交通の止まり、雪崩、建物の倒壊 |
地震や火山のしくみは、理科の火山と地震で解説しています。
過去の大きな災害
| 災害 | 年 | 主な特色 |
|---|---|---|
| 関東大震災 | 1923年 | 東京や横浜で大規模な火災が起こった。9月1日は「防災の日」 |
| 阪神・淡路大震災 | 1995年 | 兵庫県を中心に、建物のたおかいの被害が大きかった。多くのボランティアが活動した |
| 東日本大震災 | 2011年 | 東北地方の太平洋側を中心に、大津波による大きな被害。原子力発電所の事故も起こった |
関東大震災は1923年、阪神・淡路大震災は1995年、東日本大震災は2011年。
阪神・淡路大震災では、全国から多くのボランティアが集まって被災地を支え、この年は「ボランティア元年」ともよばれました。
災害へのそなえ
国や地方公共団体の取り組み
- 堤防や砂防ダム(土砂くずれを防ぐ)をつくる
- 大雨のときに水を一時的にためる遊水地や、地下の放水路をつくる
- 緊急地震速報や、大雨・津波の警報を出す
- 避難所を指定し、水や食料を備蓄する
- 災害が起きたときに、自衛隊が救助や支援を行う
ハザードマップ
ハザードマップは、洪水・津波・土砂災害などが起きたときに、被害が予想される地域や、避難場所・避難経路を示した地図です。市区町村が作成しています。
例題1:ハザードマップは、どのようなことに役立ちますか。
自分の住んでいる地域で、どのような災害の危険があるかを事前に知り、避難する場所や道を確かめておくことに役立ちます。
自然災害伝承碑
過去の災害の教訓を伝えるために建てられた石碑を、自然災害伝承碑といいます。2019年に、地形図の新しい地図記号がつくられました。地図記号の読み方は、地形図の読み方で解説しています。
自助・共助・公助

| 考え方 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 自助 | 自分や家族の命を、自分で守る | 家具を固定する、非常持ち出し品や水・食料を備える、避難の方法を家族で話し合う |
| 共助 | 地域の人どうしで助け合う | 地域の防災訓練に参加する、近所のお年寄りの避難を手伝う |
| 公助 | 国や都道府県・市区町村が支援する | 避難所の運営、救助活動、ハザードマップの作成 |
自助は「自分で」、共助は「地域で」、公助は「国や市区町村が」。
大きな災害のときは、公助だけでは、すぐにすべての人を助けることができません。自助と共助が、命を守るためにとても大切になります。災害を完全に防ぐことはむずかしいため、被害をできるだけ小さくする「減災」という考え方も大切にされています。
家庭でのそなえ
- 飲み水や食料を備蓄する(飲み水は、1人1日3リットルが目安とされています)
- 懐中電灯、ラジオ、電池、救急用品などの非常持ち出し品を用意する
- 家具を固定し、たおれてこないようにする
- 家族の集合場所や、連絡の取り方を決めておく
よくあるまちがいと対策
- 自助・共助・公助を取りちがえる:「自分・地域・国や市区町村」の順で覚える
- 阪神・淡路大震災と東日本大震災の年や特色を混ぜる:「1995年・建物のたおかい」「2011年・大津波」
- ハザードマップを「災害が起きたあとに作る地図」と考える:事前に危険を知るための地図
- 日本で災害が多い理由を1つしか書けない:地形・気候・プレートの3つの面から書く
家庭での覚え方のコツ
自宅のハザードマップを確認する
市区町村のホームページなどで、自宅周辺のハザードマップを親子で見てみましょう。避難場所まで実際に歩いてみると、学習が命を守る知識につながります。
非常持ち出し品を点検する
防災の日(9月1日)などに、家の非常持ち出し品や備蓄を親子で点検してみてください。何が必要かを考えることが、自助の学習になります。
地域の防災訓練に参加する
地域や学校の防災訓練に参加すると、共助の大切さが実感できます。参加したことを、記述問題の答えに生かすこともできます。
自然災害と防災のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の社会では、4年生で自然災害から人々を守る活動、5年生で国土の自然災害を学びます。中学受験向けの教材では、地理や公民、時事問題として取り上げられます。
記述問題はどう書けばいいですか?
「自分なら災害にどうそなえるか」という問題では、自助・共助・公助のどれにあたるかを意識し、具体的な行動を書くと、伝わりやすい答えになります。
気候の学習とどうつながりますか?
台風や梅雨、日本海側の大雪などは、日本の気候の特色と結びついています。日本の気候もあわせて確認しましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:洪水や土砂災害などの危険がある地域や、避難場所を示した地図を何といいますか。
問題2:1995年に、兵庫県を中心に大きな被害をもたらした地震災害を何といいますか。
問題3:地域の人どうしで助け合うことを、自助・共助・公助のどれといいますか。
問題4:日本で自然災害が多い理由を、1つ答えましょう。
答え
問題1:ハザードマップです。
問題2:阪神・淡路大震災です。
問題3:共助です。
問題4:プレートの境目にあり地震や火山が多いから、川が短く急で洪水が起こりやすいから、台風や梅雨で大雨が多いから、などです。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:防災は「知る・そなえる・助け合う」
日本は、プレートの境目にあり、山地が多く、台風や梅雨の影響を受けるため、自然災害の多い国です。ハザードマップで地域の危険を知り、自助・共助・公助を組み合わせて、被害をできるだけ小さくすることが大切です。過去の災害の年と特色も、セットで覚えましょう。