「図形を1回転させると、どんな立体ができるのか想像できない」「回転体の体積で、半径と高さをどこから読み取ればいいか分からない」
回転体は、中学受験の算数の立体図形で、よく出題される単元です。平面の図形を、ある直線(軸)のまわりに1回転させてできる立体の、体積や表面積を求めます。円柱や円すいの公式を使うので、円とおうぎ形、立体の体積の知識が土台になります。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、回転体の形の見つけ方、体積と表面積の求め方、よく出る問題の解き方をまとめました。
回転体の基本

平面の図形を、ある直線(回転の軸)のまわりに1回転させてできる立体を、回転体といいます。
| 元の図形 | 回転の軸 | できる立体 |
|---|---|---|
| 長方形 | 1つの辺 | 円柱 |
| 直角三角形 | 直角をはさむ1つの辺 | 円すい |
| 半円 | 直径 | 球 |
| 直角台形 | 直角をはさむ辺(平行な2辺に垂直な辺) | 円すい台(円すいの頭を切った形) |
回転体では、軸にそった長さが「高さ」、軸からいちばん遠いところまでのきょりが「半径」になります。
回転体の体積
円柱になるとき
例題1:たて5cm、横3cmの長方形を、たての辺を軸として1回転させます。できる立体の体積を求めましょう。
できる立体は、半径3cm、高さ5cmの円柱です。体積は、3×3×3.14×5=141.3cm³です。
円すいになるとき
例題2:直角をはさむ2辺が4cmと6cmの直角三角形を、6cmの辺を軸として1回転させます。できる立体の体積を求めましょう。
できる立体は、半径4cm、高さ6cmの円すいです。体積は、4×4×3.14×6÷3=100.48cm³です。
円すいの体積は「底面積×高さ÷3」。3でわるのを忘れないようにします。
軸からはなれた図形の回転体
図形が軸からはなれているときは、中に穴のあいた立体(中空の立体)ができます。
例題3:たて4cm、横2cmの長方形を、たての辺と平行で1cmはなれた直線を軸として1回転させます。できる立体の体積を求めましょう。
軸に近い辺は軸から1cm、遠い辺は1+2=3cmはなれています。できる立体は、半径3cmの円柱から、半径1cmの円柱をくりぬいた形です。高さはどちらも4cmです。
(3×3-1×1)×3.14×4=8×3.14×4=100.48cm³です。
3.14は、最後にまとめてかけると計算が楽になります。
軸からはなれた図形は「大きい円柱-小さい円柱」。半径は軸からのきょりで読み取ります。
回転体の表面積
例題4:例題1でできた円柱の表面積を求めましょう。
底面の円は、3×3×3.14=28.26cm²で、上と下の2つで56.52cm²です。側面は、展開すると長方形で、たてが高さの5cm、横が底面の円周の6×3.14=18.84cmです。18.84×5=94.2cm²です。表面積は、56.52+94.2=150.72cm²です。
円すいの側面積は、「母線×底面の半径×3.14」で求められます。くわしくは展開図の記事で解説しています。
複雑な図形の回転体
L字形や、長方形と三角形を組み合わせた図形を回転させる問題もよく出ます。そのときは、次の手順で考えます。
- 元の図形を、軸に垂直な線で、長方形や直角三角形に分ける
- それぞれが回転してできる円柱や円すいの体積を求める
- 足したり引いたりして、全体の体積を求める
見取図をかくときは、軸の反対側に、元の図形を線対称にうつした形をかくと、立体の断面(切り口)が分かりやすくなります。
L字形の回転体
例題5:たて4cm、横3cmの長方形の上に、たて2cm、横1cmの長方形をのせた形(左の辺がそろった形)を、左の辺を軸として1回転させます。できる立体の体積を求めましょう。
下の長方形が回転すると、半径3cm、高さ4cmの円柱になります。上の長方形が回転すると、半径1cm、高さ2cmの円柱になります。
3×3×3.14×4+1×1×3.14×2=(36+2)×3.14=38×3.14=119.32cm³です。
このように、2つの円柱を重ねた形の体積も、3.14を最後にまとめてかけると、計算が楽になります。
複雑な図形は、軸に垂直な線で長方形に分け、円柱の体積を足し合わせます。
よくあるまちがいと対策
- 半径と高さを取りちがえる:軸にそった長さが高さ、軸からのきょりが半径
- 円すいの体積で、3でわり忘れる:すい体は「÷3」
- 軸からはなれた図形で、穴の分を引き忘れる:「大きい円柱-小さい円柱」
- 表面積で、穴の内側の面を忘れる:中空の立体は、内側の側面もふくめる
家庭での教え方のコツ
紙をつまようじにはって回す
厚紙で長方形や直角三角形を切りぬき、つまようじやストローにテープではって、指でくるくる回してみましょう。回転させると、円柱や円すいの形が見えてきます。
身のまわりの回転体を探す
コップ、コーン、ボール、ドーナツなど、身のまわりの回転体を探してみてください。「どんな図形を回すとこの形になる?」と親子で考えると、想像する力がつきます。
断面の図をかく
回転体の問題では、軸を通る平面で切った断面の図をかく練習をしましょう。断面は、元の図形と、それを軸で折り返した形を合わせたものになります。
回転体のよくある質問
何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、5〜6年生ごろに、円柱・円すいの体積を学んだあとで取り組むことが多い単元です。
球の体積も覚える必要がありますか?
球の体積の公式は中学校で学ぶ内容です。中学受験では、公式が問題文で与えられる場合があります。まずは円柱と円すいを確実にしましょう。
苦手な子は、何から始めればいいですか?
円柱と円すいの体積の公式を確実に使えるようにすることから始めましょう。立体の体積と表面積と円とおうぎ形を先に確認しておくと安心です。
回転体の家での進め方
- どんな図形がどんな立体になるか
- 円柱になる回転体の体積(例題1)
- 円すいになる回転体の体積(例題2)
- 軸からはなれた図形の回転体(例題3)
- 回転体の表面積(例題4)
練習問題にチャレンジ
問題1:たて6cm、横2cmの長方形を、たての辺を軸として1回転させてできる立体の体積を求めましょう。
問題2:直角をはさむ2辺が3cmと4cmの直角三角形を、4cmの辺を軸として1回転させてできる立体の体積を求めましょう。
問題3:直角三角形を、直角をはさむ1辺を軸として1回転させると、何という立体ができますか。
問題4:半円を、直径を軸として1回転させると、何という立体ができますか。
答え
問題1:半径2cm、高さ6cmの円柱なので、2×2×3.14×6=75.36cm³です。
問題2:半径3cm、高さ4cmの円すいなので、3×3×3.14×4÷3=37.68cm³です。
問題3:円すいです。
問題4:球です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:回転体は「高さ」と「半径」を読み取る
回転体は、軸にそった長さが高さ、軸からのきょりが半径になります。長方形は円柱、直角三角形は円すいになり、軸からはなれた図形は「大きい立体-小さい立体」で考えます。複雑な図形は、長方形や三角形に分けてから計算しましょう。