「全体の3分の1と、残りの3分の1の区別がつかない」「○分の1より10ページ多く読んだ、という問題になると式が立てられない」
相当算は、中学受験の算数の文章題で、割合の考え方を使う代表的な単元です。「ある量が、全体のどれだけにあたるか(相当するか)」を考えて、全体の量を求めます。本を読む問題、お金を使う問題、ひもを切る問題など、いろいろな場面で出題されます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、相当算の基本の考え方、線分図のかき方、よく出る3つのパターンを整理し、家での教え方をまとめました。
相当算の基本の考え方
相当算では、全体の量を「1」とおきます。そして、問題に出てくる数が、全体の何分の何にあたるかを考えます。
全体=分かっている量÷その量にあたる割合
例えば、「全体の4分の1が30ページ」なら、全体は30÷4分の1=120ページです。
相当算は「分かっている量÷その割合」で全体を求めます。何が「全体の何分の何」かを見つけるのが勝負です。
「残りの○分の1」は線分図で

例題1:本を、1日目に全体の3分の1読み、2日目に残りの2分の1を読んだところ、40ページ残りました。この本は全部で何ページですか。
1日目に全体の3分の1を読むと、残りは全体の3分の2です。2日目は「残り」の2分の1なので、全体の3分の2×2分の1=3分の1を読みます。
最後に残ったのは、全体の1-3分の1-3分の1=3分の1です。これが40ページなので、全体は40÷3分の1=120ページです。
「全体の」と「残りの」は、もとにする量がちがいます。線分図で、何の何分の1かを確かめます。
例題2:持っていたお金の5分の2を使い、次に残りの3分の1を使ったところ、400円残りました。はじめに持っていたお金は何円ですか。
最初に5分の2を使うと、残りは5分の3です。次に、その3分の1(全体の5分の1)を使うので、残りは全体の5分の3×3分の2=5分の2です。400÷5分の2=1000円です。
「○分の1より○多い」問題
割合と、ふつうの数がまざった問題もよく出ます。
例題3:本を、全体の3分の1より10ページ多く読んだところ、残りは50ページでした。この本は全部で何ページですか。
線分図をかくと、「全体の3分の1」と「10ページ」を読み、残りが「50ページ」です。全体の3分の2にあたるのは、10+50=60ページです。全体は60÷3分の2=90ページです。
確かめると、読んだのは30+10=40ページで、残りは90-40=50ページになり、合っています。
割合と数がまざったら、数の部分を線分図の上でまとめ、「割合の部分=数」の形にします。
2段階の問題は後ろから考える
例題4:本を、1日目に全体の2分の1より5ページ少なく読み、2日目に残りの3分の2を読んだところ、20ページ残りました。この本は全部で何ページですか。
後ろから考えます。2日目は「1日目の残り」の3分の2を読んだので、最後の20ページは「1日目の残り」の3分の1です。1日目の残りは、20÷3分の1=60ページです。
1日目は「全体の2分の1より5ページ少なく」読んだので、1日目の残りは「全体の2分の1より5ページ多い」量です。全体の2分の1は、60-5=55ページです。全体は55÷2分の1=110ページです。
確かめると、1日目は55-5=50ページ、残りは60ページ、2日目は40ページ、最後は20ページで、合っています。
「残りの○分の1」が2回以上出てきたら、最後の量から順に、後ろへもどって考えます。
線分図のかき方のコツ
相当算は、線分図を正しくかけるかどうかで、ほとんど決まります。
- 全体を1本の線で表す
- 「全体の○分の1」は、全体の線の上に区切りを入れる
- 「残りの○分の1」は、残りの部分だけを、さらに区切る
- 「○ページ多い・少ない」は、区切りからはみ出す・足りない部分としてかく
線分図に、割合(分数)は上に、ページ数や金額は下に書くと、混ざらずに整理できます。
よくあるまちがいと対策
- 「残りの2分の1」を「全体の2分の1」として計算する:線分図で、もとにする量を確かめる
- 「より10ページ多い」の10を、割合の部分と足してしまう:数は数、割合は割合でまとめる
- 2段階の問題を前から解こうとして混乱する:最後の量から後ろへもどる
- 答えを出したあと、確かめをしない:答えを使って、問題の通りに計算し直す
家庭での教え方のコツ
紙テープを切ってみる
紙テープを全体として、「3分の1を切る」「残りの半分を切る」と、実際に切ってみましょう。「全体の」と「残りの」のちがいが、目で見て分かります。
線分図を親子でかく
問題を読んだら、すぐに式を立てずに、まず線分図をかく習慣をつけてください。親が問題を読み上げ、子どもが線分図をかく、という練習も効果的です。
確かめ算を必ずする
相当算は、答えを問題文に当てはめれば、すぐに正しいか確かめられます。確かめ算を習慣にすると、まちがいに自分で気づけるようになります。
相当算のよくある質問
何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、5年生ごろに割合や分数の文章題として学ぶことが多い単元です。分数のかけ算・わり算ができることが前提になります。
割合や比が苦手でも解けますか?
相当算は、割合の考え方そのものです。先に割合の基本で、「もとにする量・比べる量・割合」の関係を確認しておきましょう。
線分図がうまくかけません。
和差算などのやさしい線分図から練習するのがおすすめです。和差算の線分図で、線分図に慣れておきましょう。
相当算の家での進め方
- 全体を1とおき、「分かっている量÷割合」で全体を求める
- 「残りの○分の1」の線分図(例題1・例題2)
- 「○分の1より○多い」問題(例題3)
- 2段階の問題を後ろから考える(例題4)
練習問題にチャレンジ
問題1:持っていたお金の4分の1を使ったところ、150円残りました。はじめに持っていたお金は何円ですか。
問題2:本を、1日目に全体の3分の1読み、2日目に残りの半分を読んだところ、300ページ残りました。この本は全部で何ページですか。
問題3:持っていたお金の5分の2より6円多く使ったところ、30円残りました。はじめに持っていたお金は何円ですか。
問題4:本の7分の3を読んだところ、残りのページ数は、読んだページ数より20ページ多くなりました。この本は全部で何ページですか。
答え
問題1:残りは4分の3なので、150÷4分の3=200円です。
問題2:残りは全体の3分の1なので、300÷3分の1=900ページです。
問題3:全体の5分の3が6+30=36円なので、36÷5分の3=60円です。
問題4:残りは7分の4で、読んだ量との差は7分の1です。これが20ページなので、20÷7分の1=140ページです。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:相当算は「全体を1」と線分図
相当算は、全体を1とおき、分かっている量が全体の何分の何にあたるかを見つけて、全体を求める単元です。「全体の」と「残りの」のちがいを線分図で確かめ、割合と数がまざったら数をまとめ、2段階の問題は後ろから考えましょう。
関連する単元は、割合の基本、損益算、比の基本で解説しています。算数全体の立て直しは中学受験の算数が苦手な原因と立て直し方も参考にしてください。