「部屋の広さも人数もちがうと、どちらがこんでいるか比べられない」「1mLあたりと100mLあたり、どちらで比べればいいのか分からない」
単位あたり量は、中学受験の算数で、割合や速さの土台になる単元です。「1つあたりにどれだけか」を求めて、ちがう条件のものを比べます。こみぐあい、人口密度、値段の比べ方、燃費など、身のまわりの多くの場面で使われる考え方です。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、単位あたり量の基本の考え方と、よく出る問題の解き方をまとめました。
単位あたり量とは
2つの量(例えば、人数と広さ)がどちらもちがうものを比べるときは、どちらか一方を「1」にそろえて比べます。このように、1つあたりの量を「単位あたり量」といいます。
- 1つあたりの量=全体の量÷いくつ分
2つの量がどちらもちがうときは、片方を「1あたり」にそろえて比べます。
こみぐあいの比べ方
例題1:Aの部屋は10畳に8人、Bの部屋は6畳に5人がいます。どちらの部屋がこんでいますか。
1畳あたりの人数で比べます。Aは8÷10=0.8人、Bは5÷6=0.83…人です。1畳あたりの人数が多いBのほうがこんでいます。
1人あたりの畳の数で比べることもできます。Aは10÷8=1.25畳、Bは6÷5=1.2畳です。1人あたりの広さがせまいBのほうがこんでいます。
「1畳あたりの人数」は多いほどこんでいる。「1人あたりの広さ」は少ないほどこんでいる。比べる向きに注意します。
人口密度

1km²あたりの人口を、人口密度といいます。
人口密度=人口÷面積(km²)
例題2:A町は人口12000人、面積40km²です。B町は人口9000人、面積25km²です。どちらの町のほうがこんでいますか。
A町の人口密度は12000÷40=300人、B町は9000÷25=360人です。B町のほうがこんでいます。人口が多いA町のほうがこんでいるとは限りません。
人口密度は「人口÷面積」。人口が多くても、面積が広ければ、こんでいるとは限りません。
どちらがお得かの比べ方
例題3:500mLで120円のジュースと、2Lで420円のジュースがあります。どちらが安いといえますか。
単位をそろえて、100mLあたりの値段で比べます。500mLで120円は、100mLあたり120÷5=24円です。2L(2000mL)で420円は、100mLあたり420÷20=21円です。2Lのほうが安いといえます。
1円あたりの量で比べることもできます。500÷120=約4.2mL、2000÷420=約4.8mLなので、1円で多く買える2Lのほうが安いといえます。
燃費や収穫量
自動車の燃費
ガソリン1Lあたりに走れるきょりを、燃費といいます。
例題4:ガソリン30Lで450km走る自動車があります。この自動車の燃費は、1Lあたり何kmですか。また、600km走るには、ガソリンが何L必要ですか。
燃費は、450÷30=15kmです。600km走るには、600÷15=40L必要です。
畑の収穫量
例題5:8aの畑から、じゃがいもが240kgとれました。同じ割合でとれるとすると、15aの畑からは何kgとれますか。
1aあたりの収穫量は、240÷8=30kgです。15aでは、30×15=450kgです。
「1あたり」を求めたら、かけ算でほかの量にも使えます。
速さも単位あたり量
速さは、「1時間あたり(1分あたり、1秒あたり)に進むきょり」を表す単位あたり量です。単位あたり量の考え方が分かると、速さの意味も理解しやすくなります。くわしくは速さの基本で解説しています。
単位あたり量の逆の計算
1つあたりの量が分かれば、全体の量やいくつ分かも求められます。
- 全体の量=1つあたりの量×いくつ分
- いくつ分=全体の量÷1つあたりの量
例題6:人口密度が250人の市があり、面積は36km²です。この市の人口は何人ですか。
250×36=9000人です。
「1あたり×いくつ分=全体」。速さの「速さ×時間=道のり」と同じ形です。
よくあるまちがいと対策
- 全体の量だけで比べてしまう:必ず「1あたり」にそろえる
- わる数とわられる数を逆にする:「何あたり」の「何」でわる
- 1あたりの量の大小と、こみぐあいの関係を逆に読む:「1畳あたりの人数」と「1人あたりの広さ」で向きが逆
- 単位がちがうまま比べる:mLとL、gとkgなどをそろえる
家庭での教え方のコツ
スーパーで値段を比べる
スーパーでは、「100gあたり○円」という表示がついている商品があります。大きい袋と小さい袋のどちらがお得か、親子で計算してみましょう。単位あたり量が、生活に役立つことが実感できます。
地図帳で人口密度を調べる
地図帳や資料集で、都道府県の人口と面積を調べ、人口密度を計算してみてください。社会の学習とも結びつきます。
「何あたり?」を口に出す
問題を解くときに、「何あたりで比べる?」と声に出して確認する習慣をつけましょう。わる数をまちがえることが減ります。
単位あたり量のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の算数では、5年生で単位量あたりの大きさ(こみぐあい・人口密度など)と速さを学びます。中学受験向けの教材でも、5年生ごろに割合と並んで学ぶことが多い単元です。
割合とのちがいは何ですか?
割合は、同じ種類の量を比べる(例:人数と人数)ときに使い、単位あたり量は、ちがう種類の量を組み合わせる(例:人数と広さ)ときに使います。割合の基本とあわせて確認しましょう。
社会の問題でも使いますか?
はい、人口密度は、地理の資料問題でよく出ます。人口の多い都道府県と、人口密度の高い都道府県は、必ずしも同じではありません。人口と少子高齢化の学習にも役立ちます。
練習問題にチャレンジ
問題1:人口6000人、面積15km²の町の人口密度を求めましょう。
問題2:3mで450円のリボンと、5mで700円のリボンでは、1mあたりの値段はどちらが安いですか。
問題3:ガソリン1Lで12km走る自動車が300km走るには、ガソリンが何L必要ですか。
問題4:Aの部屋は12畳に9人、Bの部屋は8畳に7人います。どちらの部屋がこんでいますか。
答え
問題1:6000÷15=400人です。
問題2:3mのほうは1mあたり150円、5mのほうは140円なので、5mのリボンが安いです。
問題3:300÷12=25Lです。
問題4:1畳あたりの人数は、Aが0.75人、Bが0.875人なので、Bがこんでいます。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:単位あたり量は「1あたり」にそろえる
単位あたり量は、2つの量がどちらもちがうものを比べるときに、片方を「1あたり」にそろえて比べる考え方です。人口密度は人口÷面積で求め、値段は同じ量あたりにそろえて比べます。「何あたりで比べるか」を意識し、比べる向きに注意しましょう。