「中央値の求め方で、データが偶数個のときにどうすればいいか分からない」「平均値と中央値がちがうとき、どちらを使えばいいのか迷う」
データの代表値は、小学校の算数で「データの活用」として学ぶ単元で、中学受験でもグラフや表の読み取りとあわせて出題されることがあります。平均値・中央値・最頻値の求め方、ドットプロットや柱状グラフの読み方などが問われます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、代表値の意味と求め方、データの整理のしかたをまとめました。
ドットプロット

数直線の上に、データを1つずつ点(ドット)で表したグラフを、ドットプロットといいます。同じ値のデータは、点を上に積み重ねます。ドットプロットを見ると、データがどのあたりに集まっているか、どのように散らばっているかがひと目で分かります。
3つの代表値
データ全体の特ちょうを1つの数で表したものを、代表値といいます。
| 代表値 | 意味 | 求め方 |
|---|---|---|
| 平均値 | データの合計を、データの個数でならした値 | 合計÷個数 |
| 中央値(メジアン) | データを大きさの順に並べたとき、まん中にくる値 | 個数が偶数なら、まん中の2つの平均 |
| 最頻値(モード) | データの中で、最も多く出てくる値 | いちばん多い値をさがす |
平均値は「ならした値」、中央値は「まん中の値」、最頻値は「いちばん多い値」。
例題1:10人の小テストの点数は、3、4、5、5、6、6、6、7、8、10点でした。平均値・中央値・最頻値を求めましょう。
平均値:合計は60点なので、60÷10=6点です。
中央値:10人は偶数なので、小さい順に並べて5番目と6番目の平均を求めます。5番目も6番目も6点なので、(6+6)÷2=6点です。
最頻値:6点が3人で最も多いので、6点です。
データが奇数個のとき
例題2:7人の通学時間は、5、8、10、12、15、20、35分でした。平均値と中央値を求めましょう。
平均値:合計は105分なので、105÷7=15分です。
中央値:7人は奇数なので、小さい順に並べた4番目の12分です。
この例では、35分という大きくはなれた値があるため、平均値(15分)が中央値(12分)より大きくなっています。
大きくはなれた値があると、平均値はその影響を受けやすい。中央値は受けにくい。
どの代表値を使うか
代表値は、データの特ちょうによって使い分けます。
- データのかたよりが少ないとき:平均値がよく使われる
- 大きくはなれた値があるとき:中央値のほうが、データ全体のようすを表しやすい
- 「どれが一番多く選ばれたか」を知りたいとき:最頻値(例:くつのサイズで、最も売れるもの)
例題3:くつ屋さんが、次に仕入れるくつのサイズを決めるとき、平均値・中央値・最頻値のどれを使うのがよいですか。
最も多く売れているサイズを知りたいので、最頻値を使うのがよいです。
度数分布表と柱状グラフ
データの数が多いときは、いくつかの区間(階級)に分けて、それぞれに入るデータの個数(度数)を数えます。これを表にしたものが度数分布表、グラフにしたものが柱状グラフ(ヒストグラム)です。
| 通学時間(分) | 人数(人) |
|---|---|
| 0以上〜10未満 | 4 |
| 10以上〜20未満 | 9 |
| 20以上〜30未満 | 5 |
| 30以上〜40未満 | 2 |
| 合計 | 20 |
「以上」はその数をふくみ、「未満」はその数をふくみません。10分の人は「10以上〜20未満」の区間に入ります。
例題4:上の表で、通学時間が20分以上の人は、全体の何%ですか。
20分以上は5+2=7人です。7÷20=0.35なので、35%です。
「以上」はふくむ、「未満」はふくまない。区間の境目の値がどこに入るかに注意します。
平均値を使った計算
平均値の問題では、「平均×個数=合計」を使うことがよくあります。
例題5:4回のテストの平均点が75点でした。5回目のテストで何点をとれば、5回の平均点が78点になりますか。
4回の合計は75×4=300点、5回の合計は78×5=390点です。5回目は、390-300=90点です。
平均の計算は、平均算でくわしく解説しています。
よくあるまちがいと対策
- 中央値を、並べかえずにまん中の値で答える:必ず小さい順に並べてから選ぶ
- データが偶数個のとき、まん中の1つだけで答える:まん中の2つの平均
- 平均値と中央値を同じものだと考える:はなれた値があると、大きくちがうことがある
- 度数分布表で、境目の値を前の区間に入れる:「以上」の区間に入れる
家庭での教え方のコツ
家族のデータを集める
家族の身長や、1週間のすいみん時間などを記録して、ドットプロットをかいてみましょう。平均値・中央値・最頻値を自分で求めると、それぞれのちがいが実感できます。
ニュースの「平均」に注目する
ニュースでは、「平均年収」「平均気温」などの言葉がよく出てきます。「平均だけで、ふつうの人のようすが分かるかな?」と親子で話してみると、中央値の大切さが分かります。
並べかえを習慣にする
データを見たら、まず小さい順に並べかえる習慣をつけてください。中央値や最頻値が、すぐに見つけられるようになります。
データの代表値のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の算数では、5年生で平均、6年生でドットプロット、平均値・中央値・最頻値、度数分布表と柱状グラフを学びます。中学受験向けの教材では、6年生ごろに学ぶことが多い内容です。
入試ではどのくらい出ますか?
代表値そのものを問う問題は多くありませんが、グラフや表を読み取る問題の中で出ることがあります。社会の資料問題にも役立つので、基本は確実にしておきましょう。
割合のグラフとのちがいは?
帯グラフや円グラフは「全体に対する割合」を表し、柱状グラフは「データの散らばり」を表します。割合のグラフとあわせて、グラフの使い分けを確認しましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:5人の点数は、6、8、7、9、10点です。平均値と中央値を求めましょう。
問題2:6人の身長は、130、132、135、138、140、145cmです。中央値を求めましょう。
問題3:あるクラスで好きな果物を調べたところ、りんご8人、みかん12人、ぶどう5人でした。最頻値にあたる果物はどれですか。
問題4:3回のテストの平均点が70点でした。4回目に何点をとれば、4回の平均点が72点になりますか。
答え
問題1:平均値は40÷5=8点です。並べかえると6、7、8、9、10なので、中央値は8点です。
問題2:3番目と4番目の平均で、(135+138)÷2=136.5cmです。
問題3:みかんです。
問題4:4回の合計288点-3回の合計210点=78点です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:代表値は「ならす・まん中・いちばん多い」
データの代表値には、合計をならした平均値、まん中の値の中央値、最も多い値の最頻値があります。中央値は並べかえてから求め、偶数個ならまん中の2つの平均にします。大きくはなれた値があるときは、平均値だけでなく中央値も見て、データの特ちょうをとらえましょう。