「持っていたお金の半分より100円多く使った、という問題で手が止まる」「前から式を立てようとして、こんがらがってしまう」
還元算は、中学受験の算数で、最後の結果から順に逆にたどって、はじめの数を求める単元です。「元に還(かえ)す」計算なので、還元算といいます。後ろから考える力は、やりとり算や相当算など、ほかの文章題でも役立ちます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、還元算の基本の考え方と、よく出るパターンの解き方をまとめました。
還元算の基本:逆の計算でもどる

例題1:ある数に3をかけて、5をひいたら25になりました。ある数はいくつですか。
計算の順番を、後ろから逆にたどります。5をひく前は25+5=30、3をかける前は30÷3=10です。
| 前から | 後ろからもどる |
|---|---|
| たし算 | ひき算 |
| ひき算 | たし算 |
| かけ算 | わり算 |
| わり算 | かけ算 |
還元算は「最後から」「逆の計算で」もどります。たす↔ひく、かける↔わる。
答えが出たら、前から計算して確かめます。10×3-5=25なので、合っています。
「残りの何分の1」を使う問題
例題2:持っていたお金の半分を使い、次に残りの3分の1を使ったら、400円残りました。はじめにいくら持っていましたか。
後ろからもどります。2回目は、残りの3分の1を使ったので、残ったのは3分の2です。2回目の前は、400÷3分の2=600円です。1回目は半分を使ったので、はじめは600×2=1200円です。
確かめると、1200円の半分を使って600円、600円の3分の1の200円を使って400円です。
「何分の1を使った」ときは、「残りは何分の何か」に直してから、わり算でもどります。
「半分より○円多く使う」問題
例題3:持っていたお金の半分より100円多く使ったら、300円残りました。はじめにいくら持っていましたか。
半分より100円多く使ったので、残りは「半分より100円少ない」金額です。残りの300円に100円をたした400円が、はじめの半分です。はじめは400×2=800円です。
確かめると、800円の半分は400円で、使ったのは400+100=500円、残りは300円です。
線分図で、全体を半分に分け、使った部分が半分より100円はみ出すようにかくと、「残り+100円=半分」が見えてきます。
「半分より○円多く使う」と、残りは「半分より○円少ない」。残りに○円をたすと半分になります。
2回くり返す問題
例題4:本を、1日目に全体の半分より10ページ多く読み、2日目に残りの半分より5ページ多く読んだら、20ページ残りました。この本は全部で何ページですか。
最後から1日ずつもどります。
- 2日目の前:残り20ページに5ページをたした25ページが、2日目の前の半分。2日目の前は25×2=50ページ
- 1日目の前:50ページに10ページをたした60ページが、全体の半分。全体は60×2=120ページ
確かめると、1日目は60+10=70ページ読んで残り50ページ、2日目は25+5=30ページ読んで残り20ページです。
後ろから考えるときは、表にすると整理しやすくなります。
| 読む前 | 読んだ量 | 残り | |
|---|---|---|---|
| 2日目 | 50ページ | 30ページ | 20ページ |
| 1日目 | 120ページ | 70ページ | 50ページ |
3人に順に分ける問題
例題5:みかんを、Aに全体の3分の1、Bに残りの半分、Cに残りの4個をあげたら、ちょうどなくなりました。みかんは全部で何個ありましたか。
後ろからもどります。Cがもらった4個は、Bにあげたあとの残りです。Bには残りの半分をあげたので、Bにあげる前は4×2=8個です。この8個は、Aに3分の1をあげたあとの残りなので、全体の3分の2にあたります。全体は8÷3分の2=12個です。
確かめると、Aに4個、Bに4個、Cに4個で、合わせて12個です。
「残りの何分の1」が続く問題も、最後の人から1人ずつもどれば解けます。
線分図をかくコツ
還元算の線分図は、上から順に「はじめ」「1回目のあと」「2回目のあと」と、1本ずつ下にかいていきます。
- 使った分と残った分を、色や点線で分ける
- 「半分」「3分の1」などの区切りに、目もりをつける
- 最後の残りの数を書きこんでから、上の線へもどる
線分図を上下にならべると、どの数がどの部分にあたるのかが、ひと目で分かります。
よくあるまちがいと対策
- 前から式を立てようとする:最後の結果から、1つずつ後ろにもどる
- 「半分より○円多く」で、○円をひいてしまう:残りに○円をたすと半分
- 「何分の1を使った」の残りを、そのまま何分の1と考える:残りは1から引いた分
- 確かめをしない:出た答えで前から計算し、最後の数になるか確かめる
家庭での教え方のコツ
「逆再生」で考える
動画を逆再生するように、最後の場面から1つ前、さらに1つ前ともどる考え方だと説明しましょう。後ろからたどる意味がイメージしやすくなります。
おはじきで確かめる
おはじきを使って、「半分より2個多く取る」を実際にやってみてください。残りが半分より2個少なくなることが、目で見て分かります。
必ず前から確かめる
答えが出たら、問題文のとおりに前から計算して、最後の数になるかを確かめる習慣をつけましょう。還元算は確かめがしやすい単元です。
還元算のよくある質問
何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、4〜5年生ごろに学ぶことが多い単元です。分数を使う問題は、分数のかけ算・わり算を学んでから取り組みます。
相当算とはどうちがいますか?
相当算は全体を1として、割合と実際の量の対応から全体を求めます。還元算は、最後から順にもどる解き方です。同じ問題をどちらの方法でも解けることがあります。相当算とあわせて練習しましょう。
計算の□を求める問題とは同じですか?
考え方は同じです。計算問題の□を求める「逆算」も、計算の順番を逆にたどります。計算の工夫の逆算もあわせて確認しましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:ある数に4をたして、2でわったら9になりました。ある数はいくつですか。
問題2:持っていたお金の3分の1を使い、次に残りの半分を使ったら、500円残りました。はじめにいくら持っていましたか。
問題3:持っていたお金の半分より50円多く使ったら、150円残りました。はじめにいくら持っていましたか。
問題4:あめを、Aに全体の半分より2個多くあげ、Bに残りの半分より1個多くあげたら、3個残りました。あめは全部で何個ありましたか。
答え
問題1:9×2-4=14です。
問題2:500×2=1000円、1000÷3分の2=1500円です。
問題3:(150+50)×2=400円です。
問題4:Bにあげる前は(3+1)×2=8個、はじめは(8+2)×2=20個です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:還元算は「最後から逆にもどる」
還元算は、最後の結果から、計算の順番を逆にたどってはじめの数を求めます。「何分の1を使う」は残りの割合に直し、「半分より○円多く使う」は残りに○円をたして半分を求めましょう。答えが出たら、前から計算して確かめることが大切です。