「3でわると2あまり、5でわると3あまる数、という問題で、どこから手をつければいいか分からない」「1つずつ書き出していると時間がかかりすぎる」
あまりの問題は、中学受験の算数の「数の性質」の分野で、よく出題される単元です。わり算のあまりに注目して、条件に合う数を探す問題が中心です。曜日を求める問題や、規則性の問題でも、あまりの考え方が使われます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、あまりの問題の3つのパターンと、倍数の見分け方、曜日の問題の解き方を整理し、家での教え方をまとめました。
あまりの問題の基本
わり算では、次の関係が成り立ちます。
わられる数=わる数×商+あまり
例えば、17÷5=3あまり2 は、17=5×3+2 ということです。あまりは、必ずわる数より小さくなります。
「5でわると2あまる数」は、「5の倍数+2」の数です。
パターン1:あまりが同じ

例題1:3でわっても5でわっても2あまる2けたの整数のうち、最も大きい数を求めましょう。
3でわっても5でわっても2あまる数は、「3と5の公倍数+2」です。3と5の最小公倍数は15なので、15の倍数+2の数(2、17、32、47、62、77、92…)になります。2けたで最も大きいのは92です。
あまりが同じときは「最小公倍数の倍数+あまり」。
パターン2:不足が同じ
例題2:4でわると3あまり、5でわると4あまる3けたの整数のうち、最も小さい数を求めましょう。
あまりはちがいますが、「4でわると3あまる」は「あと1あれば4でわり切れる」、「5でわると4あまる」は「あと1あれば5でわり切れる」と言いかえられます。どちらも1たりないので、「4と5の公倍数-1」です。
4と5の最小公倍数は20なので、20の倍数-1の数(19、39、59、79、99、119…)になります。3けたで最も小さいのは119です。
「わる数-あまり」が同じなら、「最小公倍数の倍数-不足」。
パターン3:あまりも不足もばらばら
例題3:3でわると2あまり、5でわると3あまる整数のうち、最も小さい数を求めましょう。
あまりも、不足(3-2=1、5-3=2)もそろっていません。このときは、わる数の大きいほうから書き出します。
- 5でわると3あまる数:3、8、13、18、23…
- この中で3でわると2あまる数を探すと、8が見つかる
最も小さい数は8です。条件に合う数は、8から3と5の最小公倍数の15ずつ増えていくので、8、23、38、53…となります。
ばらばらのときは、わる数の大きいほうから書き出して、最初の1つを見つけます。あとは最小公倍数ずつ増えます。
倍数の見分け方
大きな数が、ある数でわり切れるかどうかは、次のルールですばやく見分けられます。
| 倍数 | 見分け方 |
|---|---|
| 2の倍数 | 一の位が偶数(0、2、4、6、8) |
| 3の倍数 | 各位の数の和が3の倍数 |
| 4の倍数 | 下2けたが4の倍数(または00) |
| 5の倍数 | 一の位が0か5 |
| 8の倍数 | 下3けたが8の倍数(または000) |
| 9の倍数 | 各位の数の和が9の倍数 |
例えば、2754は、各位の和が2+7+5+4=18なので、3の倍数であり、9の倍数でもあります。
曜日を求める問題
曜日は7日ごとにくり返すので、7でわったあまりで考えます。
例題4:ある年の5月1日が月曜日のとき、同じ年の8月1日は何曜日ですか。
5月1日から8月1日までは、5月の31日、6月の30日、7月の31日を合わせた92日後です。92÷7=13あまり1なので、月曜日の1日あとで、火曜日です。
何日後かを数えるときに、「その日をふくめるかどうか」でまちがえやすいので、短い例(1日後、7日後)で確かめてから計算しましょう。
応用:ある範囲にいくつあるか
あまりの問題では、「1から100までに、条件に合う数はいくつあるか」という形もよく出ます。
例題5:1から100までの整数のうち、3でわっても5でわっても2あまる数は何個ありますか。
条件に合う数は、15の倍数+2なので、2、17、32、47、62、77、92です。100をこえる次の数は107なので、7個です。
式で求めるときは、(100-2)÷15=6あまり8 なので、15の倍数の部分が0倍から6倍までの7通りで、7個と考えられます。
個数を求めるときは「0倍」もふくめて数えるのを忘れないようにします。
よくあるまちがいと対策
- あまりがちがうのに、すぐに書き出しを始める:まず「不足」がそろっていないか確かめる
- 最小公倍数ではなく、ただのかけ算で考える:4と6なら24ではなく12
- 曜日の問題で、日数を1日ずらして数える:短い例で数え方を確かめる
- 「最も小さい数」で、0や1けたの数を答えてしまう:問題の「2けた」「3けた」などの条件に線を引く
家庭での教え方のコツ
おはじきで分けてみる
おはじきを17個用意して、5個ずつ分けると2個あまることを確かめてみましょう。「あまり」と「不足」が目に見える形で分かります。
カレンダーで曜日を確かめる
カレンダーを見ながら、「今日から30日後は何曜日?」を計算で求め、カレンダーで答え合わせをしてみてください。7でわったあまりで曜日が決まることが実感できます。
3つのパターンをノートにまとめる
「あまりが同じ」「不足が同じ」「ばらばら」の3つのパターンを、例題とセットでノートにまとめましょう。問題を見たら、まずどのパターンかを判断する習慣がつきます。
あまりの問題のよくある質問
何年生で学びますか?
小学校の算数では、5年生で倍数と約数を学びます。中学受験向けの教材では、4〜5年生ごろに数の性質として学び、6年生で応用問題に取り組むことが多い単元です。
約数・倍数の単元とどうつながりますか?
あまりの問題は、最小公倍数を使って解くので、約数と倍数の考え方が土台になります。約数と倍数の求め方で、最小公倍数の求め方を確認しておきましょう。
規則性の問題でも使いますか?
はい、「○番目の数は何か」のように、くり返しのある問題では、くり返しの個数でわったあまりで答えを出します。規則性の問題もあわせて練習しましょう。
あまりの問題の家での進め方
- わられる数=わる数×商+あまり
- あまりが同じ(例題1)
- 不足が同じ(例題2)
- あまりも不足もばらばら(例題3)
- 倍数の見分け方と曜日の問題(例題4)
練習問題にチャレンジ
問題1:6でわると5あまる2けたの整数のうち、最も小さい数を求めましょう。
問題2:4でわっても6でわっても1あまる2けたの整数のうち、最も小さい数を求めましょう。
問題3:5でわると3あまり、7でわると5あまる整数のうち、最も小さい数を求めましょう。
問題4:123456は、3の倍数ですか。また、9の倍数ですか。
答え
問題1:6+5=11です。
問題2:4と6の最小公倍数は12なので、12の倍数+1です。2けたで最も小さいのは13です。
問題3:どちらも2たりないので、35の倍数-2です。最も小さいのは33です。
問題4:各位の和は21なので、3の倍数ですが、9の倍数ではありません。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:あまりの問題は「3つのパターン」で解く
あまりの問題は、あまりが同じなら「最小公倍数の倍数+あまり」、不足が同じなら「最小公倍数の倍数-不足」、ばらばらなら大きいほうから書き出して最初の1つを見つけます。問題を見たら、まずどのパターンかを判断しましょう。