「□がいくつもあると、どこから手をつければいいのか分からない」「くり上がりがあるかないかで、いつも迷ってしまう」
虫食い算は、計算式の一部の数字が□でかくれていて、それを求める問題です。数字のかわりに文字が使われている問題は、覆面算とよばれます。中学受験の算数では、計算の決まりを使って、筋道立てて考える力を見る問題として出題されます。
この記事では、塾なしで中学受験を目指すご家庭に向けて、虫食い算と覆面算の解き方の手順と、よく出るパターンをまとめました。
虫食い算の基本の手順
- 一の位から順に考える
- くり上がり(ひき算はくり下がり)があるかを、必ず書きこむ
- 決まった数を書きこんで、次の位へ進む
- 最後に、元の式に入れて計算で確かめる
虫食い算は「一の位から」「くり上がりを書きこむ」。上の位から考えると、くり上がりが分からず行きづまります。
いちばん上の位(最高位)には、0は入りません。これも手がかりになります。
たし算の虫食い算

例題1:次の□にあてはまる数を答えましょう。3□7+□5□=812
- 一の位:7+□の一の位が2になるのは、□が5のとき(7+5=12)。1くり上がる
- 十の位:□+5+1(くり上がり)の一の位が1になるのは、□が5のとき(5+5+1=11)。1くり上がる
- 百の位:3+□+1=8なので、□は4
式は、357+455=812です。
たし算は、一の位の和が10以上なら、次の位に1くり上がります。
ひき算の虫食い算
例題2:次の□にあてはまる数を答えましょう。6□1-357=284
- 一の位:1から7はひけないので、十の位から1かりて11-7=4。くり下がりがある
- 十の位:□から、かした1と5をひいた数の一の位が8。□-1-5では8にならないので、百の位から1かりて、□-1+10-5=8。□は4
- 百の位:6-1(くり下がり)-3=2で、答えの2と合う
式は、641-357=284です。
ひき算は、ひけないときに上の位から1かりる。かした位は1へることを忘れないようにします。
ひき算の虫食い算は、たし算に直して考えることもできます。「284+357=6□1」として、一の位から計算しても同じ答えになります。
かけ算の虫食い算(答えが何通りもある)
例題3:次の□にあてはまる数をすべて答えましょう。□7×3=1□1(□には同じ数とは限らない数が入る)
- 一の位:7×3=21なので、答えの一の位は1で合う。2くり上がる
- 十の位:□×3+2が、10以上19以下になる数。□は3(11)、4(14)、5(17)
式は、37×3=111、47×3=141、57×3=171の3通りです。
かけ算の虫食い算は、答えが1つとは限りません。条件に合うものを全部探します。
覆面算
数字のかわりに、文字や記号が使われている計算を覆面算といいます。
- 同じ文字には、同じ数字が入る
- ちがう文字には、ちがう数字が入る
- いちばん上の位の文字は、0ではない
例題4:A+A+A=BA が成り立つとき、AとBにあてはまる数を答えましょう(BAは2けたの数)。
A×3の一の位がAになる数を探します。A×3-Aは10の倍数なので、A×2が10の倍数です。Aは0か5ですが、Aが0だとBAが2けたにならないので、Aは5です。5+5+5=15なので、Bは1です。
手がかりの見つけ方
| 手がかり | 使い方 |
|---|---|
| 一の位 | くり上がりの有無と、一の位の数が決まる |
| 最高位 | 0は入らない。くり上がりで1になることが多い |
| たし算の答えのけたがふえる | いちばん上のくり上がりは1 |
| かけ算の一の位 | かける数の一の位どうしで決まる |
例題5:2けたの数どうしをたして、3けたの数になりました。答えの百の位の数は何ですか。
2けたの数は最大99なので、99+99=198です。3けたになっても、百の位は必ず1です。
わり算の虫食い算
例題6:□□÷7=12あまり3のとき、□□に入る2けたの数を答えましょう。
わり算は、「わる数×商+あまり=わられる数」に直して考えます。7×12+3=87なので、□□は87です。
あまりは、わる数より小さくなることも、確かめのポイントです。この問題では、あまり3はわる数7より小さいので、合っています。
わり算の虫食い算は、かけ算とたし算の式に直すと考えやすくなります。
よくあるまちがいと対策
- 上の位から考える:一の位から順に考える
- くり上がりを書きこまない:小さく「1」と書いておく
- かけ算で答えを1つ見つけて終わる:条件に合うものを全部探す
- 確かめをしない:最後に元の式で計算する
家庭での教え方のコツ
筆算をかくし合うゲーム
親が筆算を作り、数字をいくつか□でかくして子どもに出題してみましょう。逆に、子どもに問題を作ってもらうと、くり上がりの仕組みがよく分かります。
小さい「1」を書く習慣
普段の計算練習から、くり上がりの「1」を小さく書く習慣をつけましょう。虫食い算でも、その習慣がそのまま役立ちます。
パズルとして楽しむ
虫食い算や覆面算は、パズルの本にもよくのっています。楽しみながら取り組むと、数の感覚がきたえられます。
虫食い算のよくある質問
何年生で学びますか?
中学受験向けの教材では、4年生ごろから計算のパズルとして出てきて、5〜6年生でかけ算・わり算のむずかしい問題に取り組みます。
計算が苦手でも解けますか?
虫食い算は、たし算・ひき算・かけ算の九九がしっかりしていれば解けます。計算の工夫で、計算の基本も確認しておきましょう。
推理の問題とつながりますか?
はい、条件から1つずつ決めていく考え方は、推理の問題と同じです。推理(条件整理)もあわせて練習しましょう。
練習問題にチャレンジ
問題1:4□6+278=734の□にあてはまる数を答えましょう。
問題2:□2×4=3□8の□にあてはまる数の組み合わせをすべて答えましょう。
問題3:7□5-318=417の□にあてはまる数を答えましょう。
問題4:2けたの数どうしをたして3けたの数になったとき、答えの百の位の数は何ですか。
答え
問題1:一の位で6+8=14、1くり上がり。十の位は□+7+1の一の位が3なので□は5です(456+278=734)。
問題2:□×4が30以上39以下になるのは8と9なので、82×4=328、92×4=368の2通りです。
問題3:一の位は15-8=7でくり下がりがあります。十の位は□-1-1=1なので□は3です(735-318=417)。
問題4:1です。
練習プリント(無料)
この記事の内容をたしかめる「初級」の練習プリントです。問題1ページと、解答・要点まとめ1ページのA4のPDFです。印刷して使ってください。
まとめ:虫食い算は「一の位から、くり上がりを書いて」
虫食い算は、一の位から順に、くり上がりやくり下がりを書きこみながら決めていきます。かけ算では答えが何通りもあることがあり、覆面算では同じ文字に同じ数が入ります。最高位に0が入らないことも手がかりです。最後は必ず元の式で確かめましょう。